第23話◆アタシにやれることは全力でやるよ!
ついに未踏破ダンジョン最深部です!
今回は余裕を持って更新出来そうです( * ॑꒳ ॑*)
いま作者イチオシのアイちゃん視点です!
無事に5人みんな合流出来たアタシたちは、ダンジョンの地下5階に到着した。
エルミン砂漠のほかのD級ダンジョンはだいたい2層~3層くらいの深さしかなかったのに、ここは思ったより深さがあるし、やっぱりC級ダンジョンだったのかな。
んでも、幸運なことにほぼ一本道で迷わずここまで来れたし、ユミィたちがテレポーターで飛ばされた先も特に危険がなかった小部屋だったことを考えるとまだ良心的?だったのかな?
これがB級とかダンジョンランクが上がってくると、もっといやらしくなってくるのかな?
出てくるモンスターの強さも上がってきたぶん、ドロップする素材や魔石もそれなりのものになってきてるから、収支を考えると【黒曜の剣】も【明光の夜】どちらも今回の探索はかなりおいしかったって結果になりそう。
―――無事にボスを倒せれば、の話だけど。
「……どうやら着いたようだな。」
セイヤの言う通り、アタシたちが進んでいた一本道の通路は行き止まりになっていて、そこにひときわ大きな扉があった。
「んー。いよいよボス戦、だね……。」
「道中出て来た魔物から推測すると、
きっと不死系よね……。」
先頭を慎重に歩いていたユミィとレイトが言葉を交わした。
……なんか2人一緒に飛ばされてから、なんだろ?2人ともちょっと仲良さげじゃない??
気のせいかw
「もしボスも不死系だったらありがたいですね。
こちらにはアイさんがいますから!」
ナーシュが頼もしそうな目でアタシを見てきた。
んー。
確かに、冒険者になってからアタシは神聖術にはそれなりに自信が付いてきてる。
最初の頃はもっと肉弾戦とか格闘とかするつもりだったのに、セイヤたちもレイトたちもアタシの安全最優先というか、アタシの守護が第一的なオペレーションというか、、、
物理的な攻撃とか無縁な立ち位置で、ひたすらみんなに護られている姫プレイになってる気がするwww
まぁ、いっか。
アタシには神聖術という最大の武器がある。
だから、自分にやれることを精一杯やるだけだし!
「不死系だったらアタシに任せて!
それよりみんな行くよ!【祝福】っっ!!」
【祝福】スキルを発動させて、パーティーみんなのステータスにバフをかけて底上げする。
時間と共に少しずつ効果が薄れてきちゃうから、改めてバフを最大限にするために要所要所で発動させるのがポイントなんだよね。
「アイちゃんありがと!
はい、これとこれ!!」
ユミィがお礼と共に、マジックバッグからマジックポーションとスキルポーションを手渡してくれた。
「ん! ありがとっ!」
こちらもお礼と共に受け取って一気に飲み込む。
これで魔力もスキルポイントも回復出来たし、万全だねっ!!
「…………っし。行くぞ。
みんな用意はいいか? 開けるぞ!!」
扉に手を掛けたセイヤがみんなを振り返った。
「おけ」「りょ」「問題ないわよ愚図」「はい」
みんなの返事を満足げに聞いたセイヤが前を向いて、扉を開けた―――――
扉の中は少しだだっぴろい空間になっていて、真ん中になんだか気持ちの悪い祭壇があった。
その祭壇に向かって、人影が何か祈りを捧げていた。
「………………。誰だ?」
人影が振り返った。
見た感じ、黒い髪の魔道士?みたいな服装のおじいちゃん?て感じだった。
耳が長いのを見るとエルフ?なのかな?
……でも、振り返ったその顔は、皮も肉もなく骸骨がむき出しで、目だけが赤く血走っていた。
どう見ても生きている人間じゃない!!
「……お前こそ、そこで何をやっている。」
セイヤがみんなの先頭で、両手剣を両手で構えて、凛とした声で答えた。
と、言うより、質問に質問で返したw
「ワシか?ワシはこのサルアーフ王国の災厄が
途切れぬよう、我が神に祈りを捧げておる。」
気持ち悪い声で気持ち悪い内容の返答が返ってきた。
「……??
王国は確か1000年以上前に滅んだはず……。」
今度はナーシュが返事する。
その声を聞いた気持ち悪い骸骨エルフがナーシュを見た。
「何抜かすか。その銀髪。その褐色の肌。
なによりその目、その顔つき。
見間違えるはずがないわ!
お前はサルアーフ大神官だろうが。」
「何言ってるのよ!!
ナーシュはナーシュよ! 昔の王国の大神官とか
何よそれ? 何の関係もないわ!」
恋人のことだからなのかな。ナーシュじゃなくてむきになったレイトが骸骨に反論する。
「…………ほう。これはこれは。
なんとサルアーフ女王までここに来るとはのう。
なるほど、なるほどのう……。
クックック…………。
王族と神官の禁忌を、まさか
知らぬでもなかろうにのう……………………。」
え? レイトが女王??
いやこの化石、さっきから何言ってんの??
「ダメだ。会話になりゃしねぇ。」
セイヤも戸惑っている。
しかし次の瞬間、骸骨が解き放った殺気で周囲の空気が一気に激変した。
「女王と大神官がここを突き止めたとて、もはや
王国を襲う災厄は止められぬ!!
水も緑も生命もすべて、全て、総て砂に還る
我が呪法の秘術は既に発動しているのだ!!
おめおめとここまで来おって馬鹿が!!
ここで朽ち果て、永遠の闇の中で
苦しみもがき続けるがよい!!!!」
骸骨が叫ぶと同時に、周囲の床の3箇所が赤く光り、魔法陣が形成された。
「!!」
そしてそれぞれの魔法陣から魔物が召喚される。
金色に光った骸骨の騎士。
赤いフードをかぶった骸骨の魔術師。
そして、、、
「………………うわっ」
無数の人間の死体で身体が形成された肉人形……。
「エルダーボーンナイト、カースドソーサラー、
そして、ワシの最高傑作、ゾンビゴーレムよ!
こやつらを縊り殺し、数多の肉片へ変えて
我が神に捧げよ!! 永劫の苦しみを添えてな!!」
ゲヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ………………!!!
吐き気をもよおす不快な笑い声が空間に響き渡った。
あまりに邪悪すぎる波動とオーラがあふれだしている。
てかさ、昔の王国とか女王とか神官とか全ッ然!よくわからないけど、コイツがとんでもなく邪悪な存在だってことはわかった!
アタシはなんちゃって聖女だけど、アタシが不死系に遅れを取るなんてことは自分でも考えられないし想像もつかない。
ただでさえ宝箱の件でアタシはまだまだみんなに負い目があるんだし、ここはマジ出し惜しみなしで全力で行ってやる。
そもそも、ここまで不快感を感じる邪悪な存在なんて、許していいはずがないっ!!!!
「ふふん。相手が悪かったね。」
アタシは左手を胸に当てて、前にかざした右手に神聖力を集中させた。
ついに会話出来るボスとの対戦なんですけど、
どうしよう……
アイちゃん、格闘僧に転職させるの勿体ない気がしてきた……!
(2026/01/27)




