第1話♥楽しければいいじゃない
時系列は少し前になりまして
ユミィ視点で物語が始まります。
本家『セカスイ』と同様に、こちらの作品でも
基本的に順不同で各メインキャラで
主人公を変えていく方式を取っていこうと思っています。
わたしはさ、どっちでも良かったんだよね。
もともと大きな夢とか持ってたわけじゃないけど、このまま生まれた小さな村で一生を終える気なんかさらさらなかったし。
同世代のセイヤくんとかアイちゃんとかどうするつもりだったのか知らないけど、わたしは大人になったらおっきな街とかに出ていくつもりだった。
だから、
『なぁ! オレたち3人でよ! 冒険者になろうぜ!!』
って、セイヤくんが言い出したときはちょっとびっくりしたけど、村を出て自由気ままに生きれるなら、都会に出るのでも冒険者になるのでもどっちでも良かったんだ。
そりゃ、痛い思いとか怖い思いとかしたくないけど、そんな無茶しなきゃ大丈夫じゃないかな。
それよりいろんな場所を旅していろんな物を見ていろんな美味しいもの食べれるかもだよね?
「~~~!!!」
そっちのが絶対楽しそうな気がする!!
けっこう単純なわたしは、いつの間にか3人で冒険者をやっていくことに乗り気になっていたのだ。
とは言っても、いまは自覚がないからぴんとこないけれど、いざ冒険者になったら命のやり取りの毎日で、わたしの想像もつかない問題や現実が待ってるんだと思う。
魔物とはいえ、わたしに生き物が殺せるだろうか。
やるだけじゃない。
こちらがやられることだって充分にありうる。
最悪、死んでしまうかもしれない。
「―――――ッッッ!!」
思わず、ぶるっと身震いしてしまった。
ま、冒険者生活が楽しそうって思ったのは本心だし、それを続けなくちゃいけないわけじゃない。
怖かったりつまらなかったりしたらやめちゃえばいいだけだよね。
セイヤくんやアイちゃんには悪いけど。。。
「――ねぇねぇ、ユミィ。アタシたち、
どんな職業になるかな?なれるかな??」
冒険者ギルドがあるキャスティアの街に向かう馬車の中で、隣に座ってるアイちゃんが物思いにふけっていたわたしに話しかけてきた。
「あ~……。んとね、
わたし魔法使いとかなりたいけど、
あんま頭よくないからな~……。
アイちゃんは絶対 修道女でしょ!」
村の聖女って評判の、教会の一人娘のアイちゃんは、なんの職業にもついていないのにもかかわらず、初歩の回復魔法を使えちゃうくらいなんだし。
それと比べてわたしと来たら、魔法使いになりたいと思っていてもいまいち素質とかなさそうな気がする……。
「でもな~、、、
アタシ、身体動かすの好きだしな~、、、」
そうなのだ。
アイちゃんは見かけによらず、元気少女なのだ。
今日だっていつものように、肩まで伸びたそのきらっきらのプラチナブロンドの髪ををゆるく後ろでたばねているだけだけど、空色に輝く瞳と整った目鼻立ち、そしてまるで女神像のようなスタイルの良さと相まって、だまって立っていればまさに聖女と呼ばれてもなんらおかしくはない美しさなのだ。
それなのに幼い頃から男の子にまじって外で真っ黒になるまで遊んでいて少年のようだったアイちゃんが、よくここまでキレイに成長したもんだと、こっそり幼なじみながら感心しているのだ。
「そんなら女神官か修道女で実績積んで、そのうち
格闘僧にクラスチェンジすりゃよくね?」
わたしとアイちゃんの向かい側に座ってたセイヤくんが会話にまざってきた。
「んー、そっかー、、、それも手かーー。。。」
セイヤくんの言葉にアイちゃんはあごに手をあてて考え込んだ。
それにしてもよく、神父さまは、アイちゃんが冒険者になるの許したなぁ。
てっきりおうちの教会で神職に就いて生きていくのかなって思ってた。(でもそうなるにはやっぱり職業を神官にしなきゃいけないのかな?)
よくわかんないけど。
「そういうセイヤくんは?」
「オレか? オレは男に生まれたからには
戦士しかねぇだろうが!」
わたしの問いに、セイヤくんは鼻息荒く胸をはってこたえてきた。
―――へぇー
ってこたえようとしたその時、
「―――おーう、お前らー。もうすぐ着くぞー。」
御者をつとめてくれていた、セグおじさんがわたしたちに声をかけてきた。
「「「はーーーい。」」」
わたしとセイヤくん、アイちゃんの3人がついに全員15歳になったということで、今日は、もよりの大きめの街、キャスティアで洗礼を受けて職業をたまわる日だったのだ!
「小火球とか撃ってみたいな。」
「みんなアタシの治療で癒しちゃうからねっ。」
「はっ! 魔物は全部、オレのラッシュで
叩きのめしてやっからよ!!」
みんなわくわくしてて楽しそう!
もちろんわたしもむちゃくちゃ楽しい!!
やっぱり楽しいのが、なによりいちばんだよね。
わたしたち3人はまだ洗礼も受けてない、職業:村人(わたしの場合は村娘だけど)にもかかわらず、これから始まるであろう楽しい楽しい冒険者生活に思いを馳せながら、馬車を降りた。
「―――???」
「……? どしたのユミィ?」
ふと違和感を感じて、振り返って空をあおぎ見たわたしにアイちゃんが心配して声をかけてきた。
「あっ、うん、なんでもない。だいじぶ!」
「そ? ならよかった。んじゃ行こっ!」
「うんっ!」
聖女さまみたいなアイちゃんも、男らしいセイヤくんも、物心ついた時から一緒に育ってきた幼なじみだ。
わたしの大事な大事な幼なじみだ。
でも、なぜだろう。
わたしの幼なじみは、この2人じゃなくて、もっとやわらかい感じの誰かだったような―――
そんなわけ、あるわけないのに、自分でもまったく意味のわからない違和感にとまどってしまった。
「ま、いっか。思い出せない
夢の記憶かなんかだよね。」
いまは楽しいことだけ考えよう!
わたしはさくっと意識を切り替えると、小走りでセイヤくんとアイちゃんの後を追った。
異世界ものって良く読みますけど、
書くのは初めてなので
変なとこあったら遠慮なく言ってくださると助かります。




