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第17話◆不謹慎だからずっと言わなかったけど、そのシチュめっちゃ推せる!!

突然ぼかん!とダンジョンが開きましたが、

すぐ突入!とはならないようです。

アイちゃん視点でお送りします。

砂ぼこりが落ち着くと、セイヤがぶちかました遺跡の石壁におっきな穴があいていた。


人ひとりが余裕で入れるくらいの。


そのおっきな穴を開けた本人が、肩で息を切らしながら口を開いた。


「―――み、未踏破ダンジョン……?」


「うん。ここらへんには他に踏破済みのダンジョンは

ぜんぜんないから、中がそことつながってるって

ことはたぶんないと思う。」


エルミン砂漠の周辺地図を確認しながら、ユミィがセイヤに答える。


確かに、ここら辺はダンジョンはおろか特に遮蔽物もなく砂漠が広がってる地形になってる。

見通しもいいし、野良モンスターも少ないから最近はいつもここら辺でアタシたちは砂鉱石拾いやってるもんな。


「でも、よくわかったねユミィ……。」


【集中】が発動しているユミィの感覚の鋭さに感心してしまった。


「んとね。あの針が刺さったときの音?になんか

違和感感じたんだよね……。

とりあえずわたしの気になることは解決したから

あとはリーダーのセイヤくんにまかせるよ♪」


ニコッと両目をつぶって、ユミィがセイヤに判断を任せた。


「……そ、それじゃ、とりあえずギルドに戻って

新規ダンジョン発見の報告しな「待って」


セオリー通りのセイヤの提案を、レイトの言葉がさえぎる。


「あ? なんで止めんだよ、レイト。

新ダンジョン見っけたら、

ギルドに報告する規則があんだろーが。」

「でもそれは義務じゃなくて推奨でしょ?

幸運にも誰も制覇していないダンジョンが

今目の前にあるのよ?

こんなチャンスは滅多にないわ!!」


いつもの余裕ありありの態度がどっかに行っちゃってるレイトが、必死にセイヤに詰め寄っていた。


「でもよ「セイヤ」


なんか気難しそうなことを言い出しそうなセイヤを手で制して、2人の間に割り込む。


「……レイト、なにか理由があるなら、、、

危険をおかしてまで未知のダンジョンに、

未踏破ダンジョンに挑戦したがる理由があるなら

アタシに聞かせてくれないかな……?」


言いながら、アタシはレイトのエメラルドグリーンの瞳をまっすぐ見つめた。


「…………み、見返して、やるのよ………………。」


伏し目がちに目を逸らしたレイトが、悔しそうに声をしぼり出した。


「……見返す? 何を? 誰を?」


セイヤが口を挟んだ。


「私たちを見下して、馬鹿にして、(さげす)んだ、

頭の悪いアイツらを見返してやるのよ!

見返してやりたいのよッッッ!!!!」


「レ、レイト…………っ。」


アタシたち3人が彼女の発した言葉に思わず戸惑ってしまった中、ナーシュがレイトをたしなめるように口を開いた。


時々、レイトが見せていたどん欲さ。


最初は向上心とか上昇志向が強いんだな?くらいにしか思ってなかったけど、今のレイトの言葉を聞いて、もっと深い理由があるんだろうなってことに、アタシは何となく気づき始めていた。




「―――私も、ナーシュも、、、

それぞれの村じゃ、落ちこぼれだったのよ………。」




レイトが口を開き始めた。


ナーシュが召喚した水精霊(ウンディーネ)がつくる、水のヴェールで砂漠の暑さを避けながら、アタシたち3人はレイトとナーシュの旅の目的を聞かせてもらった。


基本的にエルフは霊力が優れていて、知力・魔力・精神力が高くて魔術師や精霊術師になる事が多いってよく聞く。

それとは逆にダークエルフは身体能力に秀でいて主に戦士系の職業(クラス)につくのがほとんどらしい。


「……でも、私は力とか体力とかは、

小さい頃から村の大人にも負けないくらいの

強さだったんだけど、肝心な知力とか魔力とかが

全然伸びなくて……。」


「レイトとは逆に僕は、魔法を使ったり、

精霊と話したりするのが得意だったんだけど、

剣を振るったり身体で戦う力と体力が

まったくと言っていいほどなかったんだ……。」


そういった理由で2人ともそれぞれの村で、半人前や出来損ない扱いをされていて、相当悔しい思いを味わったって感じだった。


「そんな時、私はナーシュと出会ったの。」

「僕は、レイトとなら、お互いの足りないものを

補い合えると思ったんだ。」


そう言いながら2人は見つめあって、お互いの手を絡ませた。


神妙に語る2人の話を、セイヤもユミィも真剣な面持ちで聞いている。




―――うんうん。なるほどね。

わかる。わかる気がするよ。

(気がするだけだけど……。)




アタシは胸の奥底にふつふつとわいてくる、とある感情を押し殺すのに必死だった。




「―――そんな訳で、私とナーシュは、故郷の

エルフとダークエルフを見返す為に、

どうしても名声が欲しくて冒険者になったの。

私と、ナーシュを出来損ない扱いした事が

間違いだったって思い知らせたいの!」


「……そっか。だからクエスト達成率のために

わたしたちから砂鉱石を買おうとしてたんだね。」


ユミィがレイトの言葉に、納得がいったようにうなずいた。


「そう。私たちはA級、ダイヤモンドクラスの

冒険者を目指してる……。

私たちを馬鹿にしてたあいつら以上の存在になって

逆にあいつらを笑ってやりたいのよ!!」


レイトは半分泣きながら声を強めていた。


「なるほどな。未踏破ダンジョンの制覇も、

確か昇級査定に関係してくるものな。」


セイヤが自分の口に手を当てた。


そんだったら話は早いよね?

こんな風にみんなで話してる時間すら、もうもったいなくない?


アタシはがばっ!と立ち上がった。


「よっし!そんならこの5人で

いま見つけたこのダンジョン、

さくっと制覇しちゃお!

パーティー共闘してても、

それぞれの制覇実績に加算されるよね!?」


「んと。わたしも賛成。

せっかくわたしがこのダンジョン見つけたんだし、

そんだったら中にアイテムとかあったら

わたしたちに優先権あるよねっ♪」


ユミィも立ち上がってアタシに賛成する。


「……だな。目の前に未知の冒険があんのに

背を向けちゃー、冒険者の名が(すた)るっつー

もんなっ!!」


うちらのリーダーもいたずらっぽい笑顔を浮かべながら腰を上げた。


「…………3人とも、ありがとう。」

「みんな済まない。とても恩に着る……。」


美男美女の2人も晴れやかな笑顔で立ち上がった。


てか、レイトが素直にお礼言うのけっこうレアかもw


水はナーシュのウンディーネが出してくれるし、食べ物も干し肉がいくつかまだあったはずだから、日をまたいだ長時間探索もたぶん問題ないはず。


「よっし。そうと決まりゃ、気合い入れねーとな!」

「くひひっ。セイヤくんあんま突っ走らないでねっw」

「アイもユミィも頼りにしてるわ!

あとおまけにそこの下賤な愚図もね。」

「だからレイト、そういう言い方は……。」


4人とも引き締まった緊張感と抑えきれない高揚感が顔に出ていた。


「んじゃ!張り切ってダンジョン制覇しちゃおうね!

はーいみんな【祝福】―――っ♪」


アタシもめっちゃ笑顔で両手を胸の前に組んで、スキルを発動させた。

原典「セカスイ」でも藍ちゃんは恋バナ好きという設定でしたので、

こういうラブな話には目がないのですw

空気読んで黙ってたみたいですけど^^


(2026/01/21)

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