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第15話♥美男美女は遠くから愛でるくらいがちょうどいい

2節のミュアちゃんに続いて、

3節もヒロイン?をそろそろ出そうかと思った次第であります。(コブもついてるけどw)


「♥」なのでユミィ視点です。

スキル【集中】を発動させて、あちこちに落ちてる砂鉱石を見つけて次々と回収していく。ひたすら作業的に。


最近ホントこればっかだからまじで飽きる……。


アイちゃんもセイヤくんも頑張ってひろってるけど、もうすでにわたしがひろった量のほうが、2人合わせたぶんの3倍は多い。


「わっ、わりぃな、ユミィ……。」

「ホントゴメン、、、ユミィに頼りっきりで……。」


だいたい30分に1回くらいのペースで、こうしてふたりがわたしに謝ってくる。


「んーん。気にしないで。

パーティのクエスト達成率アップが最優先だもん。」


たぶんあとちょっとでゴールドクラスに昇格できるんじゃないかって思ってるし。


ダンジョンはそれぞれ挑戦資格がクラスごとに管理されていて、ここエルミンのそこらへんのてきとうな廃墟ダンジョンはブロンズクラスとかシルバークラスでも入ることが許されている。


でも、砂漠の真ん中に"どん"とでかい顔してる「サルアーフ王宮跡」はCランクのゴールドクラスじゃないと入ることは認められてないし、遠く向こうにそびえてる「砂塵(さじん)の塔」はさらにその上のそのまた上のダイヤモンドクラスじゃないと入ることを許されていない。


ダイヤモンドクラスとかレベル40以上でしょ??

Aランクでしょ???

Bランクのプラチナのさらに上でしょ????


まったく、そこらへんになるにはどんくらいの時間やいろいろが必要なんだろうねぇ。


―――っと、、、


「うらぁ!!!」

「ていっ!!!」


セイヤくんとアイちゃんが、近づいてきてた砂魚人(デザートマーマン)を一発で始末していた。


やっぱり新しく買い換えた武器はそれなりに強いんだね。


パーティで共有している作戦で、なんもない時は3人で砂鉱石を採取するけど、魔物が近づいてきたらセイヤくんとアイちゃんがそいつらを相手して、わたしは集中フル活用の採取かかりっきりでいく段取りになっている。


けっきょくこの役割分担がいちばん効率がいいってかたちに落ち着いたからね。


「ハハッ。もうこいつら一撃だな。」

「アタシも打撃だけで倒せるようなったし♪」


ふたりとも気持ちいい笑顔で、ドロップした魔石をひろっていた。


「ありがと。ふたりとも。」


ちょっとだけ手を止めてお礼を伝える。


「気にすんなって! 大事なのは砂鉱石だからな!」

「そそそそ! 達成率もそうだけど、

なによりクエスト報酬も美味しいからねっ!」


そうなのだ。

確かにクエスト達成率を上げるためにまいにち砂鉱石ひろってばっかだけど、じみにクエスト成功報酬のお金もけっこうそこそこもらえるのだ。


ガラスも王国内じゃまだまだ貴重品で、それなりの価格で取引されてるっぽいし、へたに魔物から集めた魔石の売却よりもクエスト報酬のほうが大きい金額になることもけっこうある。


そんなこんなで、それで手にした資金でわたしたちの装備もワンランクアップしてたりする。実は。


セイヤくんは鋼鉄製の両手剣(ツヴァイハンダー)

アイちゃんは鉄にとげとげのついたメイス。

そしてわたしはなんかよくわからない霊木でつくられた長弓にそれぞれ買い換えて愛用している。


レベルだってそこらへんにいっぱいあるしょぼいダンジョンで、アイちゃんの【浄化(ターンアンデッド)】連発でパワーレベリングしたし、あとはほんとにクエスト達成率だけなのだ。


この砂漠でエンカウントする魔物もだいたいは砂魚人(デザートマーマン)(脅威度(モンスターランク)E+)とか大さそり(ラージスコーピオン)(脅威度(モンスターランク)D-)とかばっかりだから、わたしは砂鉱石集めに集中できてるし。


たまーにマンティコア(脅威度C-)とか、バジリスク(脅威度C+)とか出てくるけど、そんときはマッハで逃げてるw


ほんでまだ話にしか聞いてないけど、ごくたまーにサンドウォーム(脅威度B)とかいるみたいだけど、もし出会ってしまったらどうなるんだろ?

地震だかなんだかかましてくるみたいだけど逃げ切れるのかな?




―――おっといけないいけない。

集中 (スキルじゃなくて)しないとねw




……っと、その時、


「―――ふふふっ。今日も

汗みずたらして頑張ってるわね。」


声をかけられて、顔をあげてその声の主を見る。


まぁ、聞きなれた声なんで誰かわかってるんだけどね。


わたしの予想どおり、目の前にはふたりの冒険者が立っていた。


「ほら見てみなさいよナーシュ!

やはり下賤(げせん)人間(ヒューマン)はもの拾いが

よく似合ってるわね。」

「いつも言ってるけど、

そういう言い方は良くないよレイト……。」


金髪翠眼の白エルフの美女を、銀髪金眼の(ダーク)エルフの美青年がたしなめていた。


「ああっ!? またてめーらか!!」

「まぁまぁセイヤも落ち着いて……。」


こちらも金髪碧眼の聖女(笑)が、黒髪黒眼のリーダーをなだめているからおあいこなのかなw


「…………なに? 邪魔しに来たの?

それなら痛い目にあってもらうけど いい?」


わたしも砂鉱石集めにもどって不機嫌な声を返す。


「えっ? あっ、、、あのっ、ごめっ……。」


白エルフのレイトが申し訳なさそうにうつむいた。


「いつもレイトが失礼で申し訳ない。」


それを見てダークエルフのナーシュがわたしたちの前に出て頭を下げてきた。


「……まァ、いいけどよ……。」


セイヤくんがしぶい顔で返事してた。


そしてレイトはナーシュの後ろでわりとガチでべそかいてる。


わたし、そんなに怖かったかなぁ?

失礼しちゃうなw


……まったく。

涙目で謝るくらいなら、考えてから言葉を選べばいいのに。


言葉と態度が思っていることと裏腹に、人間(ヒューマン)に対して無意識に悪態が出てしまうエルフって種族もかなりめんどくさい連中だよね慣れたけど。


わたしたちに高慢な態度で接してきた美女エルフのレイトは、口調はこんなだけど根は悪い感じじゃないというかわりと中身は素直でわかりやすいので実はそんなに嫌いじゃない。職業(クラス)剣士(フェンサー)で、細身のレイピア(白銀)を愛用している美女剣士って感じ。


そのレイトとペアでパーティーを組んでいる美青年ダークエルフのナーシュは、レイトとは真逆に物腰柔らかく落ち着いた空気でこちらに対してもいつも友好的なんだよね。職業(クラス)精霊術師(サモナー)で、わたしには見えないけど精霊を使役(しえき)してるって聞いてるし、ミステリアスな雰囲気にぴったり似合っている。


「ほらレイト。もう泣かないで。

あと、ちゃんと謝って。」

「うっ、うう……っ。

ごっ、ごめんねっ、ナーシュ……。」

「僕にじゃないよ。セイヤさんたちにだよ。」


―――あー……。たまにいるよね。ノリじゃなくてちゃんとしっかり謝れない(エルフ)


レイトはナーシュの胸に抱かれて、ひっくひっく泣いてる。エルフ独特の長い耳が真っ赤になって下を向いてるし。


セイヤくんとアイちゃんはどうしていいかわからず、微妙な空気感出してるけど、わたしはかまわず砂鉱石をもくもくとひろい続けている。


あー。でもこうやって抱き合ってるふたりを見ると、ホント美男美女って絵になるよね。それがましてや亜人のなかでも特に美しいエルフだもんね。


まぁ、見なれたけど。


このふたりに会うのは今日で何回目かもうわかんないけど、わたしたちが彼女たちとはじめて出会ったのは、この砂漠のあちこちにあるD級廃墟ダンジョンのひとつだった。


アイちゃんの【浄化(ターンアンデッド)】無双で、悪霊(レイス)やら屍鬼(グール)やらぶいぶい昇天させながら奥に進んでたんだけど、最下層で麻痺状態のナーシュを抱いた恐慌状態のレイトが泣き叫んでいたのが初対面だったよね確か。

わたしたちが通りかからなかったらきっとふたりとも助からなかったよね。


その場にはふたりを窮地に追い込んだと思える冥界霊(スペクター)発光屍鬼(ワイト)とかがいたけどさくっとやっつけて(どっちも脅威度Dくらいあったけど)、【快癒(リフレッシュ)】の神聖術を唱えるアイちゃんはやっぱり聖j(ry)


それから顔見知り?てきな間柄になったわたしたちに、なにかにつけて(特にレイトが)絡んでくる関係になったんだよね。


レイトはツンデレでわたしたちを見下すような態度取ってるけど、ちゃんと助けた謝礼ももらったし、なんていうか他の人間(ヒューマン)とは明らかに違うというか、どことなく心をゆるした接し方をしてくれてる気がするし。


人間嫌いなエルフなのに。


でもいっつも憎まれ口を(レイトが)たたいてくるから、直情的なセイヤくんも売り言葉に買い言葉で(レイトと)いがみ合ってるし、わたしは敢えて氷の塩対応で(レイトに)接している。


いや、何度もいうけど彼女のことべつに嫌いじゃないんだけどねw


何回かご飯もいっしょに食べたし、ふたりの今までとかもかるく聞いたりしたしw


そんとき聞いた話では、北の大森林にエルフの村がいくつかあるみたいなんだけど、そこのレイトがいたエルフの村とナーシュがいたダークエルフの村がめたんこ仲が悪かったらしくって。


でも惹かれあってたふたりはお互いの村を捨てて駆け落ちしたって聞いたとき、うちのアイちゃんは

『ちょっと!なんて情熱的!!

ロマンスだ!ロマンスだ!!!』

とか感動して泣き出しちゃったくらいだしww


アイちゃんは隠してるつもりだろうけど、恋とか愛とかそういうのだいすきだもんな……www


……まぁ、いいや。


エルフたちの相手はセイヤくんとアイちゃんにまかせて、わたしは砂鉱石を集めないとね。


―――って思ってたら、レイトがしゃがみこんでわたしの顔をのぞきこんできた。


「ねぇ、ユミィ。集めた砂鉱石なんだけど、

いくつか私たちに譲ってくれないかしら。」


「………………は?」


泣きやんだと思ったら、いきなりなに言い出すの?この(エルフ)……。


「私たちもクエスト達成率を上げたいんだけど、

なかなか石集めが上手く行かなくて……。

クエスト報酬よりも色を付けて買い取るから、

ね? いいでしょ??」


両手を合わせて満面の笑顔でわたしにたのみこんでくるレイト。


わたしは無言で立ち上がる。


「おっ、おいっ! そりゃあいくらなんでも

ちと違うだろ?」


あわててわたしとレイトの間にセイヤくんが割って入ってきた。


そんな心配しなくてもそう簡単にキレないってば。


……今キレないとも言ってないけどねw


「は? 私はユミィにお願いしてるのよ。

図体デカいだけの愚図は引っ込んでてよ!」

「ざっけんな! オレはリーダーだっつーの!

交渉するならまずオレを通せやコラ!」

「なーに言ってるのかしら!

アイの神聖術とユミィの洞察力や決断力に

おんぶに抱っこのお飾りリーダーのくせに!!」


やっば。また始まった……w


確かにわたしも手間ひまをお金でカンタンに解決しちゃおうっていう考えには少しカチンと来たけど、セイヤくんのブチ切れ見て肩すかしをくらってしまった感じだしw


そもそもわたしたちもそんなにお金にこまってるわけじゃないしね。


「ちょ、ちょっとセイヤ落ち着いて?

うちらが2人の助けになるなら、それはそれで

悪くないってアタシ思うけど……!」

「レイト! 頼み事には頼み方ってものがあるだろう?

こんな上から目線じゃなくて、正式に

彼らにクエスト依頼出すとかそういうやり方も

あるじゃないか……!」


おたがいの穏健派があわてて両者をなだめすかせる。それを見てわたしもさっきよりもかなり冷静になってきた。


……さて。どうしたもんかな。


わたしが、うまい落としどころを考え始めた、

その時―――――




「……!!!! あぶない! みんなふせてっ!!」




わたしのとっさの声で、みんなわけがわからないながらも全員地面の砂に身体をふせた。さすがはシルバークラス冒険者ってとこかな。


間髪入れずにその上を何本かの針が通り過ぎる。


「みんな、マンティコアがいる!

いますぐ逃げるよっ!!」


わたしは【集中】スキルで存在を認識出来たけど、50mほどさきの高台に、Cランクモンスターのマンティコアが臨戦態勢にはいっていた。


ライオンの胴体にコウモリの翼と大きなさそりのしっぽが生えていて、顔はしわくちゃのおじいさん(おばあさんかも?)という見た目がグロいことこの上ない魔獣だ。


砂漠に生息してるってだけあって、ここエルミン砂漠でも何度か姿を見かけたこともあったけど、見つけたらすぐ逃げだしてからかもしれないけど、ここまで好戦的なマンティコアははじめてかもしれない……。


強さでいえばC-と、ブラックボーグルとおんなじくらいの強さなんだけど、やっかいなのがしっぽから飛ばしてくる毒針なんだよね。


それともうひとつ―――――




『グギぇァァァァァァァッッッ!!!!!!』




マンティコアが大きく咆哮(ほうこう)をあげた。




「!!!!」




【バインドボイス】……。


魔獣マンティコアが持ってるスキルのひとつで、聞いた相手を一定の確率で硬直(スタン)させてしまうというやっかい極まりない特技…………。


(しまった……!)


【集中】スキルで五感をバフ上げしていたわたしには特に効果があったみたい。


みんなが素早く逃走をはじめていたなか、わたしだけ人形のように立ちすくんでしまっていた。


(あ、ヤバ……。)


時間にすれば1秒にも満たないだろう。


マンティコアの老婆みたいな気持ち悪い顔がにやぁと笑って、しっぽからぶっとい針が発射された。




――――ッッッ!!




気づいたらすんごい衝撃とともに、わたしは誰かに抱かれながら砂地に倒れ込んでいた。


「……まったく! しっかりしなさいよ、

愚かな人間(ヒューマン)ねっ!!」


「え、レイト……!?」


バインドボイスで硬直していたわたしを、とっさにレイトがかばってくれたのだ!


「もう硬直は解けたかしら?

高貴なエルフが下賤な人間(ヒューマン)を助けるのは

世の定めだものね!」


よかった。見た感じ、毒針はレイトにも当たらなかったみたい。

言いながらレイトは立ち上がって、わたしの前に立ちはだかった。


わずか5mほど先には、マンティコアの気持ち悪い笑顔があった。


「無事かユミィっ!?」

「レイトっ! 大丈夫っ!?」

「……いっつも逃げてばっかだったから、

アタシストレスたまってたんだよね……っ!

今日はやっちゃうよっ!!!」


ほかの3人もわたしたちの身を案じて引き返してくる。


「……レイト、ありがとね。」

「……気にしなくていいわ。それよりやるわよ。」


わたしはレイトにうなずくと、ゆっくりと長弓をかまえた。

サブキャラこそ物語の華だと思うのですが

今回も(へき)を詰め込んだキャラで

自分でも笑いましたw


(2026/01/19)

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