第14話◆まったくもう~ リーダーってば~///
続いてアイちゃん視点です。
3人の仲の良さが少しでも伝わればって思っています。
宿屋から外に出ると、今日も朝から強い日差しが刺さんばかりに降り注いでいた。
「いや、朝から今日もあっつくね?」
「こゆとき氷魔法とか欲しいよね……。」
アタシの独り言に、横のユミィが反応してくれた。
エルミンを拠点にして活動するようになって、もう2ヶ月くらいかな?
いまだにこの暑さには慣れないわ。
「ワリ。待たせた。」
ひと足先に冒険者ギルドに貼り出されてたクエストを確認してきたセイヤが合流してきた。
「ううん。うちらも今出たとこ。」
「てゆかセイヤくん、いいクエストあった?」
ユミィの問いにセイヤの表情が曇った。
「……あーー…………。やっぱ、、
いつものしかなかったわ……。」
「…そっか。」
「あーね。」
てことは今日も砂鉱石探しか……。
うん。わかってたけど、一応、ねw
ここエルミンに来たとき、最初はわりとあちこちにある昔の廃墟や遺跡とか、いっぱいあるダンジョンに片っ端から入ってた。
そういうとこは前に人が住んでたってコトもあってか、アンデッドとかけっこう出てきたからこれまた片っ端から【浄化】使いまくってたら、3人ともめっちゃレベル上がったし(まぁ、使い手のアタシが1番伸びたけどw)。
んで、ついにアタシたち『黒曜の剣』パーティーが冒険者ランクゴールドクラスに昇級する条件の『全員レベル20以上』を満たして、意気揚々とみんなで冒険者ギルドに乗り込んだんだけど、、、
『……クエスト貢献度及びクエスト達成率が
まだ足りませんね。』
―――とか言われちゃって!!
確かにアタシたち、エルミン来てからクエストとかそっちのけであっちこちのダンジョンもぐってアンデッド浄化繰り返す脳筋レベリングしてたからさ……ww
んじゃー、クエストもやってこっか。
……ってなって冒険者ギルドの張り紙をチェックするようになったんだけど、ほら、ここエルミンてキャスティアと違って冒険者中心の街だからさ、一般市民からの依頼なんてほとんどなかったって感じだった。
やれ薬草採取して来いとか、やれ畑とか荒らすゴブリンの首取ってこいとかそういうのは全然なくて、あるとすれば砂漠にたまに落ちてる、砂の中の特殊なやつが結晶化した砂鉱石の採取くらいでさ。
何が取れるでもなく、ホント砂漠しかないエルミンだけど、まじ砂鉱石だけは豊富だったんだよね。
アタシもここに来るまで知らなかったんだけど、砂鉱石を高温で溶かして精製するとガラスになるんだよね実は!
そんなわけでエルミンは遺跡観光?以外の唯一と言っていい産業がガラス生産らしくって、ルーンネリアで使われてるガラスはなんと98%はエルミン産らしくって!
つまりはそーゆーわけで、砂鉱石採集クエストはエルミンでは毎日毎日尽きることなく依頼されてる状態ってなわけ。
「……とりあえず、ゴールドクラス目指して、
今日も石集めするか。」
うちのリーダーが死にかけた遠い目でうちらに問いかける。
さすがに連日砂漠で石拾いじゃ、感情も死にかけるわな。
「おけ。が、がんばろっ!」
アタシもとりあえずガッツポーズを返す。
「りょ。ふたりとも今日も暑いから、
こまめな水分補給わすれないでね。」
言いながらユミィが可愛い羽根帽子の上からフードをかぶった。
アタシもそれをまねて、日光を避けるために法衣のフードをかぶる。
日差しはお肌の大敵だもんね。
そんなアタシたちの仕草を見て、セイヤが少しだけにこっと表情を崩した。
「……? どしたのセイヤ?」
「い、いや、そうやって顔隠してくれたら
安心するっつーか、、、
あっ!やっぱなんでもねぇよ……。」
アタシの問いに、セイヤはちょっと顔を赤らめてそっぽを向いた。
―――はは~~ん……。そういうことかぁ。
エルミンの街は砂漠と遺跡しかない冒険者であふれた街だから、アタシたちみたいな若い女性はたとえ冒険者でも現地の人以外はほとんどいなくて、街中荒っぽい男たちであふれてる。
だからなのか、ガラが悪かったりタチが悪かったりする輩からしょっちゅう声をかけられて、そのたびにセイヤが「親のカタキか?」ってくらいの必死の形相でそいつらを追っ払ってくれるんだけど、うちらがこうやって顔を隠せばパッと見すぐに女性ってわかりにくくなるから、少しだけ安心するんだろうな。
アタシはともかく、ユミィは可愛いからな。
「ふっふーん♪ うちら見られるの、そんなにイヤ?」
ちょっとからかい気味にセイヤを小突く。
「……ったりめーだろ!!
アイもユミィもかっ、かっ、可愛いんだからよ、、
へっ、変な虫が付いたら困るだろうが!!」
!!!
やっべ、アタシいま、どちゃくそニヤけてるかも!
「アハハっ!!」
「おっ、おいっ! アイっ!!
当たってる、当たってるって!!!」
思わず抱きついてしまったw
最近ギルドにひとりで行くのも、アタシたちが変な男たちとかに絡まれるのがイヤだからなんだよね。
なんも言わなくてもアタシ知ってるっつーの♪
「……もう、ふたりともー?
じゃれあってないで、はやく行くよ?」
ユミィがため息まじりにアタシたちに振り向いた。
「アハハごめんごめーん!」
「ワリ。今行くわ。」
……セーーフ!
よかった。
抱きついたとこまでは見られてないみたい……。
ごめんねユミィ。。。
次の機会があったら、ユミィにゆずるからねっ。
「……採取クエスト、わたしの【集中】が
あってなんぼなんだから、もすこし
わたしをいたわってねふたりともw」
ユミィが小悪魔っぽく笑いかける。
「ハハッ。ちゃんと感謝してるって。」
リーダーが感謝の気持ちなのか、片腕でユミィの頭を抱いて、自分の胸に引き寄せた。
「えっ?ちょっ、せっ、セイヤくんっ??」
「おっとワリワリ。つうかよ、
マジでいつもありがとな。ユミィ。」
一気に真っ赤になったユミィにセイヤがくしゃっとした笑顔で返事して、そしてそのまま解放した手でユミィの頭をぽんぽんとなでた。
ううううっ!!!!
こ、こんなに早く"次の機会"が来るなんて聞いてないっつーの!!!!
うらやましいっ!
ユミィがうらやましいっっ!!!!!!
「んもうっ! はっ、早く行くよっ!
ほらっ、アイちゃんもっ!!」
照れを精一杯隠しながら、ユミィが早足で歩き始めた。
「はいはい。
ユミィもセイヤも、今日も1日頑張ろーね♪
【祝福】っっっ!!!!」
アタシは大事な大事な幼なじみふたりに【祝福】を発動させる。
「アイも毎回毎回ありがとな!
お前の【祝福】のおかげでオレら、
ゴールドクラスばりの能力まで
引き上げてもらえてっからよ!」
「そうそう♪ わたしたちの聖女サマあっての
『黒曜の剣』だからねっ☆」
「だーかーらっ!アタシ聖女なんかじゃ
ないっつーのって何回言えばいいの?コレw」
アタシたちは声をあげて笑いながら、エルミンの街を出て、広大な砂漠へと足を踏み入れた。
「きょーもがんばるぞーー!!」
ひときわ大声で気合いを入れる。
そんなアタシたちをお日さまは今日も暖かく(というよりめっちゃ暑くw)見守っていた。
第3節に入りましたが、
今回長くなりそうなので、ひとつの話を書き上げて
何度か見直して推敲したらすぐアップする形式にしようかと思っています。
書き終わるまで書いて、毎日1個ずつまとめて更新する形式だと、
どうも自分のモチベーションが保てない気がしたのでw
あんま深く考えずにエルミン編に入ったら
次から次へとネタが思いついたもので……。
だからセシルとアリサは出番また遅くなっちゃうけどごめんね……。
(って思って幕間をアップした次第でした。)
(2026/01/15)




