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序幕:異世界転生ってまだ流行ってますか?

作者が執筆している、

現代世界が舞台のラブコメのスピンオフ作品です。


なんとなく思いつきの勢いで書いてますが、

一応、原点・元祖のほうが本筋でございます……w

パーティーのリーダーであるセイヤは、先ほどの自分の判断を後悔していた。


「ラッシュ!!」


自身の職業(クラス)である重戦士(ヘヴィウォーリアー)の特有スキル『ラッシュ』をゴブリンキングに叩き込むも、敵が持つ大盾に阻まれ、大したダメージにはなっていない。


「ごめんセイヤくんっ! 1匹そっち行っちゃった!」


幼なじみでありパーティーメンバーでもある、探索者(レンジャー)のユミィがその卓越された弓術で足止めしていた、キングの取り巻きのゴブリンロードがこちらに向かってくるのがセイヤにも見えた。


「クッ!!」


慌ててロードの振りかざされた棍棒を自身の大剣(クレイモア)で受け流す。


「セイヤ! 大丈夫??」


同じくメンバーである格闘僧(モンク)のアイがもう一体のゴブリンロードと対峙しながらセイヤを気遣った。


「ああ。大丈夫だ。」


肩で息しながらセイヤはアイの治療(ヒール)は不要のジェスチャーを返した。


「んと、こいつら強すぎない?」


ユミィが小柄で華奢な体躯特有の小刻みなフットワークでセイヤに合流した。


「あと、なんかこいつら硬すぎ!

アタシの拳何発打ち込んでも倒れないとかさ!!」


アイのスキル『剛拳』を持ってしても、ゴブリンロードを倒すまでには至らないようだ。


脅威度(モンスタークラス)、C+、ってとこだろうな。」


セイヤは大剣(クレイモア)を構え直しうめいた。


「クッソ、ジリ貧だな、こりゃ。」

「引き際まちがっちゃったね。」

「いや、アタシも行けると思っちゃったし。」


3人まとまって陣形を立て直すも、相対するゴブリンキングもロード3体と合流しセイヤたちに勝ち誇った目を向けていた。




―――どうしてこうなった……。




セイヤは唇を噛み締め、自問自答する。


ユミィとアイ、そしてセイヤで結成したこのパーティー【黒曜の剣】も、早いもので活動し始めてから1年になろうとしている。


その間、セイヤは基本職である戦士(ファイター)から重戦士(ヘヴィウォーリアー)へと転職(クラスチェンジ)を果たし、彼の幼なじみであるユミィとアイもそれぞれ狩人(アーチャー)から探索者(レンジャー)女神官(プリーステス)から格闘僧(モンク)へとランクアップし、成長した反面どこか慢心もあったのだろう。


Dランククエストのはずだった、このアディオ遺跡のゴブリンロード討伐も、いつもこなしているクエストのひとつのはずだった。


ゴブリンやホブゴブリンを蹴散らしながらたどり着いた深部で、2体のゴブリンロードと遭遇したセイヤたちは、多少苦戦しながらも1体のゴブリンロードを仕留めた。


すると残されたもう1体のゴブリンロードは、さらに遺跡の奥へと逃げ出したのだ。


1体仕留め損なったとは言え、遺跡の上層部のゴブリンたちはあらかた掃討しており、当面の脅威は取り除かれていたし、仕留めたロードの首を冒険者ギルドに持っていけば当初のクエストは達成となり報酬も手に入っただろう。

そして、逃げたゴブリンロードが新しい懸賞首となり、新しいクエストが発生する運びになったはずだ。


つまり、1体ゴブリンロードを倒した時点で、セイヤたちには引き返す選択肢も存在していたのだ。


しかしセイヤたちは後を追った。

大抵の冒険者ならば、ここで引き返す者などそうそういないだろう。そういった面から考えても、彼の判断は大きな間違いではなかったはずだった。


だがその結果、最奥部で待ち受けていた脅威度C+のゴブリンキングとその配下たちからまさに返り討ちに合っているところなのだ。




―――あれは、"逃走"じゃなくて、"撤退"だったな。




先ほどの逃げ出したゴブリンロードを思い出して、セイヤはリーダーとして素直に自分の判断の過ちを後悔していたのだ。


「ギョアアアアア!!!」

「グギュルルルルッ!!!」

「フシュシュゥゥゥ!!!」


キングを囲んで護っていた3体のロードがそれぞれ雄叫びを上げながら、セイヤ達に向かってきた。


「クッ! まずい!! ユミィ!アイ!逃げろ!!」


セイヤは数歩彼女たちの前に出て立ちはだかった。


「せっ、セイヤくんっ!!」

「セイヤぁ!!」


狼狽える2人を突き飛ばし、セイヤは大剣を構えて突進した。


―――1体、いや、2体は道ずれにしてやる!!


「捨て身っっ!!!」


セイヤが自身のスキル『捨て身』を発動させようとしたその時―――




炎弾球(フレア)




無詠唱の火魔術と思われる火球で1体のゴブリンロードが炎上した。


「―――えっ!!?」


一瞬何が起こったのか。

判断すら出来ず戸惑うセイヤ。


続けてまばゆい閃光が辺りを包み込む。




雷魔網(サンダークラップ)




畳み掛けるように放たれた雷属性とおぼしき閃光の網で残り2体のゴブリンロードが光に包まれた。


「グギャアアアアアアアアア!!!!!」


―――なんだ? 何が起きた?


セイヤは自身の『捨て身』スキル発動を解除して茫然とした。


しかし、先ほどの火属性魔術を受けて全身火だるまのゴブリンロードが苦しみもがきながらも金棒を振りかざし、油断しきったセイヤに振り下ろしてきた。


―――しまった!


予想外の連続に頭が真っ白になって油断していたセイヤの頭上から金棒が振り下ろされる―――


「……パリィっ!!」


ガィィィン!!!


セイヤがその衝撃音に驚きながら恐る恐る目を開けると、自分の目の前には白銀の鎧を身にまとった騎士が立ちはだかっていた。


ゴブリンロードが放とうとした苦し紛れの強撃を、間に入ってきたこの黒髪長髪ポニーテールの騎士が『パリィ』のスキルを発動させ、自身の片手剣で弾き返したのだ。


「シールドバッシュ!!」


そして間髪入れずに左手に構えた大盾で燃えさかるゴブリンロードを強撃し、その大きな体躯を吹き飛ばした。


「セシルッ!!」

「OK、アリサ。」


セイヤは声がした方向、この女騎士が声を掛けた方向を振り向いた。

そのちょっとした高台に立っていた、格式の高そうな導衣を身にまとった青年が左手に大きな本を開きつつ右手で錫杖を振りかざす姿が目に入った。


岩石雨(ロックスウォーム)


そしてまた無詠唱とともに放たれた無数の岩石の雨によって、3体のゴブリンロードと彼らが護る()()()()()ゴブリンキングは見るも無惨に押しつぶされた。


「―――は?」


茫然と立ち尽くすセイヤ。


「セイヤくん、大丈夫?」

「えっと、た、助かった、んだよね?」


ユミィとアイが駆け寄ってきた。


「あ、ああ。オレは大丈夫……。

なんか、助かった、、、、」


セイヤを身を呈して護った女騎士が振り向いた。


「ふふっ。なかなか危ないところだったな。」


その黒い髪と黒い瞳は東方の血筋だろうか。

白銀の鎧との対比が美しくすら感じるほどだった。


「あ、もしかして首が必要だった?」


そして驚異的な魔力でいとも簡単にゴブリンたちを駆逐した青年が高台から降りてこちらに近づいてきた。


「あ、いや、、、た、助かった……。

――――――ヒッ!!??」


うめくように礼を告げながら、気さくに手を伸ばしたセイヤの喉元に、女騎士が恐るべき速さで剣先を向けて来た。


「無礼者ッッ!! この方をどなたと心得る!!!」

「あ、いや、構わないよ。どうせ俺、妾腹だしさ。」


しかし青年はにこやかに女騎士を制して、セイヤの前まで歩みを進めてきた。


「まさかキングまでいるとは思わなかったよね。

でもまぁ、大事に至らなくて良かった。」


青年はフードを外して、あふれんばかりの笑顔で語りかけて来た。

その陽光を思わせる柔らかい髪色で、理知的な光をたたえる瞳がセイヤを見つめていた。


「あ、とりあえず自己紹介しとこうかな。

俺はセシル。職業(クラス)賢者(セージ)

道楽で世界を旅してるんだ。」

「私はアリサ。聖騎士(パラディン)だ。

セシル王子の剣であり盾として生きている。」


セシルに続いてアリサが口を開いた。


「あ、オレ、は、セイヤ……。

重戦士(ヘヴィウォーリアー)だ、です……。

この、ユミィとアイと3人で『黒曜の剣』の名前で

活動していて……。」


セイヤの目配せで、横の2人が口を開いた。


「わたしはユミィ。探索者(レンジャー)だよ。

助けてくれてありがとうございます。。。」

「アタシは格闘僧(モンク)のアイ。

えっ、てか、、、おっ、王子、さま??」


『王子』の肩書きにアイが反応した。


「ははっ。そんな大した立場じゃないし。

―――それより、ほんとびっくりだな……。

こんな3人一気にまとめて会えるなんてさ。」


セシルは嬉しそうに言葉を弾ませた。


「は? え? あ! ほんとだ! 聖夜だ!!

藍も!! 由美もっ!!!」


アリサも3人の顔をみて、何かを思い出したように声を大きくした。


「「「……???」」」


しかしセイヤもユミィもアイも、まったく訳が分からず、目を白黒させることしか出来なかった。


「…………まぁ、思い出せないのも当然だよね。

俺はたまたま『深淵』のスキルのお陰で

思い出せただけだし。」


「だが、世知。これで私たちの旅も

ようやく次の段階に行けるわけだな!!」


「そういうこと。まぁ、このまましばらく

亜里紗との2人旅を続けるのも

悪くはなかったけどね。」


「――ばかっ!!」


セシルの軽口にアリサが彼の脇腹に手刀でツッコミを入れて、彼は数秒悶絶していた。




―――なんだこれ。

なんか、こういうの、見たことある…………。




目の前で繰り広げられた王子と姫騎士の寸劇を見て、セイヤはどこか懐かしい感覚を感じていた。


そして呼吸を整えたセシルが、セイヤたち3人に向き直った。


「……ま、思い出してもらわないと

話は進まないからね。

早速で申し訳ないけど―――

『深淵』!!」


セシルが手をかざし、スキルを発動させると、彼の万物総てを見通す効果のある『深淵』を通して、怒涛のような情報がセイヤたち3人の頭を襲った。


「………………あ。」

「………………あ、あれ……?」

「………………えっちょっ待って。なにこれ!」


我に返ったような挙動を見せるセイヤたち3人に、セシルは嬉しそうに口を開いた。




「思い出した? なんか俺たちさ、この異世界に

5人揃って転生しちゃったっぽいんだよね。

ていうかそういう本読んだことあったけど、

異世界転生って流行ってるのかね。

まぁ、転生って言っても魂だけ

こっちに来ちゃった感じらしくて、

元の世界の俺らは仮死状態ぽいんだけど。

とりあえずやっとみんな揃ったからさ、

頑張ってみんなで元の世界に帰ろうね。」




「「「――――――――はい?」」」




―――世知、聖夜、由美、亜里紗、藍の、5人の元の世界に戻る冒険が、いままさに始まろうとしていた―――

前書きにも書かせていただきましたが、

本作は作者が執筆している、

『ありふれた世界の夜の片隅で、僕らはただ彗星の唄を歌う』

という作品のスピンオフになっています。

その主作の展開が、最終章を目前に控えておりまして

展開やらなんやら色々と思うところがありまして、

ふと息抜きにこちらを書かせて頂いた流れになっています。

とは言え、一応こちらの異世界作品のほうも軽くですが今後の展開など構想しておりまして、

主作のほうが完結したら、もしくは

同時進行で続きを書くかもしれません。


まぁ、原作読まないと各キャラの立ち位置やら性格付けやらわからないと思うので、こっちだけ読んでも面白くも何ともない気もしないでもないのですが……。

なんと言いますか、作者の自己満足という事でwww


もし初見でこちらをご覧になった方で少しでも興味がおありでしたら、

作者ページから主作のほうに目を通して頂けるととても嬉しいです!!!


(2025/11/30)

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