予想外の護衛
短め
「今日からリゼ様の護衛に加わります、シドです」
後日、挨拶に来たのはロイドの後ろに控えていたはずのシドだった。
「あえ」
予想外の人物に思わず気の抜けた声が漏れる。
セドリックが仕事に出た後入れ違いでシドが来たものだから、「本当に?」と疑いの目で見てしまう。察したレインが「セドリック様から、私と共に護衛することになったと聞いています」とフォローを入れてくれた。
「じゃあよろしくお願いします」
王太子の護衛しなくていいの?
「殿下の護衛は私だけではありませんから。セドリック様が復帰なされたので私がいなくても大丈夫でしょう」
「心を読まれた」
「リゼ様はわかりやすくてらっしゃいます」
「そうなんだ」
「そうですね」
そうなのか。知らなかった。
男性の護衛がつくことをよくもセドリックが許したなあ。
ちなみにリゼの知らないところで追加の護衛を誰にするかセドリックとロイドでかなり揉めた。結局色々な安全面を優先した結果シドに落ち着いたのだった。シドはシドでリゼと会う前にくれぐれも近づくな触れるな顔を見るな声を聞くなと理不尽な要望を言い付けられている。
それをはいはいと流せる図太さもまた、護衛に選ばれた理由である。
シドが護衛に追加されたと言ってもリゼの過ごし方は変わらなかった。
魔術書を読んで、ご飯を食べて、実験をして散歩して、セドリックの帰りを待つ。その日常を繰り返していた。
実は護衛含めリゼの周りの人は、ほぼ軟禁に等しいこの生活でリゼが壊れないか心配していたのだが。本人は決まった人以外には会わなくていいし、魔術の本が読み放題のこの生活を大変気に入っていた。




