第一幕:未知なる舞台へ! 第2話
ここまでの登場人物
-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
-中人(2年生)-
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。
僕の大学はサークルで友人作りをするみたいなところがあった。
一年生の時、実は入りたいサークルがあって部室まで行っているのだが、ある理由で怖気づいて入ることができなかった。
代りに入ったのがテニスサークルだった。同じ学部の人だけで集まっているサークルで、真面目な感じの学生ばかりだった。当時は合コンとかが盛んに行われる時代だったから、テニスサークルは遊び人系も多かったと思う。でも、僕が入ったところはそんなイメージとかけ離れ、健全な大学生がマイペースで集まると言う感じだった。
とはいえ、何となく仲が良くなった同学年の友人たちが入ったから、流されて入っただけ。
そのころは別にテニスに興味があったわけでもなく、ほとんど行かずにフェードアウトしてしまった。
こんな具合だったので、何か違うサークルに入ろうと思ったのだが、どういうわけ体育部であるバーベル部に入部してしまった。
というのも、筋トレなどは浪人時代はよくやっていたので、体を鍛えることは好きだった。ただ太りやすい体質で、体系は太めだったが…。
そんな安易な気持ちでバーベル部に入ってしまった。
バーベル部は大学の前にある講堂を少し行った3号館と呼ばれる場所にあった。5階建てでサークルがスペースを借りて練習することができる広々とした部屋が、各階にあった。地下1階は食堂でにぎわい、地下2階は換気があまり良くなかったが、その一角にバーベル部はあった。
本来、大学の体育部は週6とか厳しいわけだが、当時は部員数がすごく少ない時代だった。スポーツ推薦が厳しくなり、学業も必要で体育部が弱体化したのだ。
そのためだろう、バーベル部はすごく甘くて、週3ぐらいしか公式練習はなかった。
しかし、大学の体育部は本格的なので、バーベル部の先輩にはそれこそ日本チャンピオンになるような人もいて、壁には卒業したキングコングのような先輩の雑誌の切り抜きがはってあった。
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