6.手紙
なんということでしょう!!本棚の先には隠し部屋が仕込まれていたのです!!
なんでこんなところに隠し部屋があるの!?!?
扉の先はまるで魔物のようだった。いい意味でも、悪い意味でも……ね。
広さはそこまで大きいわけではない。かと言って小さくもない。
部屋の壁には隙間がないくらいビッシリと紙が貼ってある。
どこかの屋敷の地図だったり、見たこともないような魔法陣だったり、なんて書いてあるのかよく分からない(字が汚すぎて)メモだったり、本当に色々だ。
部屋にはこれでもかと本が積まれている。
天井からは沢山の植物が紐でぶら下がっている。
そして、部屋の中心には大きな作業台。
作業台の中心にはフヨフヨと球が浮いている。
私は思わずその球に手を伸ばした。
するとパンっと球が破裂して真っ白な煙が上がった。
服の袖で口と鼻を覆い、風魔法で煙を払うとそこには封筒だけが残っていた。
ゆっくりとそれを開ける。
ドキドキと心臓の音が響く。
中には紙が1枚
紙の中身は、私への手紙だった。
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エトセトラへ
お前がこの手紙を読んでいるってことは、俺がお前に出した試験を全部突破したってことだな。
今何歳だ?俺の予想では18、19くらいか?
とりあえず、すまんかった。勝手に出て行ったこと。お前が1人でも最低限生きていけるようになったと思ったから親離れも大切だろ?
その部屋は俺がその森に入る前に作った部屋だ。前に行ったことがあるよな?俺はその森に追放されたって。追放される前はペガースス帝国にいた。その時に家じゃ出来なかった実験をそこでしていた。
今からお前は自由だ。どんな事をしてもいい。お前が一人でその森に住み続けるもよし、森から出てどこかに旅に出るもよし。
でも、気が向いたら俺のところに来ないか?俺は上手くいけばフォエニクス王国で宰相をやっている。失敗していたら、騎士団の下っ端か死刑囚だ。
じゃ、再会を信じて。
PS.その部屋の棚の1番下に鞄が入っている。その鞄は魔法道具っていって一見普通だが中は大きな池の水が3個分くらい入っている。使いたかったら使えばいい。
セトのクソ親父
シャムエルより
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