5-2.隠し部屋
「取り敢えず並べてみたけど……うぅぅん?」
本の番号に規則性はない。なんだろう?まさかここまできて間違えていたとか?
メモの番号に当てはまる本は
「別居した夫婦の運命、月を突いた男、トマトの美味しい食べ方、呪い一覧、植木鉢の選び方、裸族、軒下の猫、帽子の作り方教本、宝箱の開け方、んだんだ~方言マスター~」
相変わらずヘンテコな本ばかり……あ。」
まさか……ねぇ。
気付いてしまった。嫌、気づいた方がいいけど、かなり悲しい。
「これ並べなくてもよかった……?」
本の題名の頭文字をとっていけばいいだけだ。
べ・つ・ト・の・う・ら・の・ぼ・た・ん
“ベットの裏のボタン”
父の部屋に駆け込みベットを動かす
しばらく動かしていなかったからの床には脚の痕がついてしまっている
「あった……!!」
小さな小指くらいの大きさの赤い点。確かに言われなければ汚れか何かのように見える。
_カチ_
押してみると突然、ゴゴゴゴゴっと何かが動き出した
バッと音がした方を見ると壁に沿って置かれていた本棚が二つに割れ、真ん中に人が1人くらい入れる通路が出来上がっていた。
ゆっくりと足を進めていくと中は地下に降りれるように階段が見える。
一歩一歩降りるごとに通路の天井が光って灯りになる。
森の中なのに最先端技術が働いている。
「なんだよ、ここ……こんなとこ知らないから」
突然通路が開けて目の前に大きな扉が現れた。
鍵穴、ではなく何かをはめ込むような作りになっているらしい。
私はその穴に宝箱に入っていたネクタイピンをはめた。