2.私
私はエトセトラ
父さんにはセトって呼ばれてるよ
この名前は父さんが付けてくれた
父さんは国を追放されて森に放り込まれて私に出会ったらしい
不穏な言葉が聞こえたって?
まさか。追放なんてよくあることだって言ってたよ!
狂ってる?
あったりまえじゃん!
だって父さんだもん。いずれわかると思うよ! 父さん以上の頭のいかれた人がいてたまるかって言うの!
そんなに溜息つかれると困っちゃうなぁ〜
と・に・か・く
私はシャムエル・ド・レサイヤの子なんだ♪
私が住んでいるのは広い広い森の中。 凶悪な魔物がうじゃうじゃいて食料なんて肉のオンパレードで毎日生き残る事すら大変なんだっ
世間では『深淵の森』と言われ恐れられているらしい
この深淵の森で人は生活できないと言われているけれどそれは違う
理由は、私が父さんと住んでいるから!
深淵の森では中心部に行けないだけで他のところでなら生活できる
身を隠すのにピッタリの場所なんだよー
父さんは母国から追放されて森に送られたけれど何年かしたら違う国には行っていいらしい
だから森に入ったんだって
あ、違った! 放り込まれたってことになってるんだった!
父さんは私の先生だ
あかちゃんのわたしを育てて生きる術も戦う方法も知識も何もかも与えてくれる
だけど父さんにとって私が必要価値のないものであると判断された時、私はこの森のどこかに置いて行かれて魔物たちの餌になってしまう
そうならないためにも頑張って学ばなきゃいけないんだよっ!
父さんは冷酷で残酷だけど本質は優しくて、けど人の気持ちは考えないし理不尽だしズル賢いし見下してくるし……さいっっこうの父さんなんだ!!
あたおかってあんたうるさいよ!!
ふふふ、私は幸せ者ダァーーーー
「いつまで草食ってんだ、ボケカスが」
「はぁ? 草なんか食ってないっつうの!」
「黙れ牛野郎」
「ウザい! 脳筋ゴリラ!」
「あ゛なんだとオラ。やんのか馬鹿」
「やんねぇよ阿保オヤジ!」
「俺はまだ28だ!」
「私はまだ10歳だよーだ。父さんなんかよりずーと若くてピッチピチなんだよ!」
「ほーう、どうやら痛い目見ないと分からなさそうだなぁ」
「あーあー聞こえなーいっ これだから更年期はいけないんだ」
ゴツンッ
盛大な音がなって頭上から拳骨が降ってきた
「っーーーーー」
「泣いてる? 泣いたな。ザマァ見やがれ!」
「泣いてないしっ」
「目が赤いゾォ!」
「ウザいウザいウザいウザいウザいっ」
ガッツーン
本日二度目の拳が降ってきました……