1.世界
世界には様々な国が存在する
この世でも栄えている国といえば3つの国があげられる
ひとつ、ペーガスス帝国
魔物と呼ばれる凶悪な生き物の数が世界の中で最も多い
その為、沢山の武器が作られて改造されて繁栄してきた
中でも新しい戦術が次々に編み出され他国を支配していった軍事大国
ふたつ、セルペンス皇国
海に面したこの国では大半が漁師だったが歴史の流れの中で商いを行う人が増えていった
世界の中でも商業の要となり面積も大きく他国との繋がりも強い
沢山の人種の人々の共存が確立して人の出入りなどの移動が最も多い商業大国
みっつ、フォエニクス王国
世界で最も古い文明が起こった場所で文化や伝統、宗教などいろいろな制度を作っていった
法律や憲法などの作成によって土地を守ってきた
今では技術や知識などではほぼ全ての分野において最先端を走っている教育大国
この3つの国は世界三大国と呼ばれ世の中の中心的な存在となっている
そしてこの3つの国は絶対に争いを起こさないという条約を何千年も前から決められていて守られ続けている
それだけではなく、情報の共有や貿易なども活発に行われている
このようなことが守られている理由は深淵の森と呼ばれる地域のあるお陰だ
深淵の森とは世界三大国の中心にある大きな森のことだが、この森の中心にたどり着いたものはいない
正確に言えば辿り着けたものがいても帰ってきた者がいないのだ
凶悪な魔物が大量に住み、人が立ち入る事は不可能に近い
魔物を掻い潜ったとしてもあたりに充満する魔素によって意識を保つことが出来なくなる
「……この世界は?」
「弱肉強食だ」
「そうだ。決して忘れるな、強い者が上に立つ。弱い者は永遠に弱者だ」
「うん、わかったよ。父さん」
父さんは父だけど産みの親ではない
私の父さんはどこの誰かも分からなくてどこにいるのかも分からなくて何故私を捨てたのかも分からなくて、そもそも生きているのかどうかすら分からない
父さんが拾ってくれなかったらのたれ死んでいただろう
この、広い世界の広い森の中で。