<歯磨き>
食事後の一日三回ある歯磨きの時間、朝と昼は別にいいのですが夜に拒否が出ると非常に厄介です。拒否された場合、朝駄目なら昼に、昼に駄目なら夜にとなるのですが、夜駄目なら明日の朝にとはさすがにできないのです。そのため夜はちゃんとやってもらわなくてはいけないのです。
まず流れとしては食事が終わった人から洗面台に誘導して歯磨きをしてもらうのですが、認知症のない人は自分でやりますし、認知症でも歯ブラシを見て歯を磨く人もいますが、どちらでもない人もいます。
次に書くのは歯ブラシと水を入れたコップを入れたときのそれぞれの反応です。
「1」 歯ブラシでコップの中の水をかき回し、コップの中の水を飲み干す。
「2」 歯ブラシで洗面台の排水溝を掃除しようとする。
「3」 コップの水を少しずつ流しに捨てて楽しむ。
「4」 コップの水を歯ブラシでつつき、水面が動くのを楽しむ
こういった場合は何とかジェスチャーを交えて歯磨きしてもらいます。多少時間はかかりますがこれはまだとてもかわいい方です。
一度あったこととしては完全に歯を磨くことを拒否した入所者がいました。
・・・・・
「これは私の(歯ブラシ)じゃない」
「磨きません」
「磨きません!」
この言葉の連呼でもはやどうしようもありませんでした。入所者のコップと歯ブラシには全員名前が書いてあるのですが、それを見せて説明しても「私のじゃない」と繰り返すばかりでした。
もしかしたら施設にいたときに一番むかついた出来事だったかもしれません。夜は歯磨きをさせなければならないのにこの調子ではこちらの帰宅時間すら何時になるかわからないのです。
この夕食後の歯磨きは自分の帰宅時間に関わってくる非常に厄介なものでした。
ちなみに私の祖父も一度だけ歯磨きを拒否?のようなことを聞きました。
祖父は脚が悪いだけで認知症ではないのでいろいろと差し入れとかをします。その中にキシリトール成分の入ったのガムがあったのですが、祖父曰く
「キシリトールが入ってるからこれを噛んでおけば歯磨きしなくても大丈夫なんだよ」
とのこと。
本気で言ってるのか、天然なのか・・・とりあえず大丈夫じゃないということを伝え、しっかりと歯磨きをしてもらうことになりました。