<後始末>
ここでは服などに便が付いてしまった場合の後始末について書いていきたいと思います。
まず、入所者の服が一体どのような場合にこれらによって汚れるかということですが、パットから漏れてしまったか、認知症の人が自分の服に塗ってしまったということが大半です。中には認知症でない人がズボンを完全に下ろし終えないまま排泄をしてしまうこともありますが、これはごくまれにしかないことでした。
それでは入所者の服の洗濯方法を書いていきます。
「入所者の服」
私がいた施設には施設内に洗濯室があったので、排泄物を落としたうえでそこへもっていく必要があったのですがその手順は簡単でした。
まず服にこびりついた便を柄のついたタワシで擦り落とし、大量の水と漂白剤のようなものを少し入れたバケツに入れて数時間放置、その後絞って洗濯室にもっていくだけです。
簡単です。特に苦痛だとか言うことはありませんでした。しかし、これが自分の制服となると話が違ってきます。
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職員の服が汚れるのはどういったときか、それは私にもわかりません。気が付けば靴やズボンの裾といった排泄介助用のエプロンではカバーしきれないところに茶色いのが付いているのです。では、職員の服が汚れた場合、の洗濯方法を書いていきます。
「職員の服」
家に持って帰って洗う。
説明は入所者の時よりも簡単です。ですが苦痛です。
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当時、私は実家暮らしで親と一緒に生活をしていました。しかし、こんなものの洗濯を母親に丸投げするわけにも行きませんし、誰のだかわからない便のついた服をそのまま洗濯機に放り込むなんてできるはずもありません。
「私の手順」
ズボンの汚れた部分に手で泡立てた泡を落として手で洗う。
汚れが落ちたのを確認して絞ってから洗濯機に入れる。
なぜ職員の服は洗濯室で洗濯できないのか今でも疑問です。そしてこれから下には私のネガティブな思考での愚痴になるので面倒な方は飛ばしてください。
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まず何で誰のかも分からない便を自宅まで持って帰らなければならないのか。今それを考えるだけでもストレスがたまるのですが、当時の私としては親への申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
なぜなら快適安心であるはずの自宅の風呂場には誰のかわからない便の成分があるという紛れもない事実があるからです。そして家族が体をきれいにする場所のはずなのにそんなものがあり、当の家族は無防備にも裸となっている。
洗濯機にしても、もし風呂場できれいにできていなければ家族の服をきれいにするはずの洗濯機で、誰のかわからない便の成分を付着させることになるかもしれない。
主にこの二つが家族への申し訳なく、後ろめたい気持ちの原因でした。できる限り風呂場の排水溝の掃除などもやっていたのですが、今思い出しても申し訳なく思います。