第七話
次の日。
私は昨日助けた男の人__ガルスさんと共に六階層まで来ていた。
ダンジョンへ入ってからそう時間は経っていないんだけど、二人だからかな、効率がいい。
まあ、スキル_主導者とマップ_のおかげでもあるんだけど、ガルスさんの実力も相当なものだ。
ガルスさんにそれとなく確認したところLv6なのだとか。鑑定もできるんだけどね。さすがに盗み見たりはしませんよ。
私も六階層へ来るまでにレベルはふたつ上がって、Lv7になった。すごく速いペースだね。
わかった事は、階層主は来るたびにリスポーンしている事と、ソロでモンスターを倒した時にパーティーにも_自分のもらった経験値の五割だが_経験値が入ること。
「嬢ちゃん強いな。ソロでやるよりも段違いにやりやすい」
「ガルスさんこそ、戦い慣れしてますよね。Lv6には思えないです。」
「まぁな。今まで違うところで訓練はしていたからそれなりに戦い方は知ってんだ。」
そう言いながらガルスさんはがははと笑った。
ちなみにガルスさんの言動は自然でプレイヤーのように思われるけど、外の世界のことを訪ねても全く通じないからNPCであることは確定だ。そもそもまだ発売されていないののだから当たり前だよね。
お互いに合ったペースを保ちながら先へと進み、ついに六階層のゴールへとたどり着いた。
目の前には階層主が佇んでいる。
[オーク]:階層主
Lv8 HP1000
オークですよ。豚みたいだけど…かなり気持ち悪い。リアリティ求めすぎです運営さん。
「まさかオークとは…想定外ですね。」
「そうだな、一回引くかい?嬢ちゃん。」
「いえ、やりましょう。二人なら余裕です。」
ガルスさんは「いくか」と言いつつ先陣を切って走り出した。
かっこいいっすね。パイセン。
~~~
オークとの戦闘は案外あっさり終わった。スキルでステータス上がってるし、当たり前かもね。
二人で交互に切り付けて注意を惹いて、とどめにガルスさんが心臓を貫いた感じの戦い方。
[レベルが上がりました]
「お、格上を倒したからか?レベルが上がったわ」
「私もです。本当に効率がいいですね。」
それぞれステータスを確認し終えたところで先に進むため階段へ歩いて行く。
と、
「なあ嬢ちゃん。あれって何か入ってるんじゃねぇか?」
ガルスさんのさした方を見ると、たしかに何か入っていそうな宝箱があった。
二人で近寄り中を確認する。
「こりゃあ立派な魔法石だなぁ。」
そこには、私の顔くらいの大きさじゃないかな?ってくらい大きな緑色の魔法石が入っていた。
「これどうします?売りますか?使いますか?」
不安になりながら尋ねる。
一つしかないものは取り合いになってしまうのだ。私はそのいざこざが怖いです。そうなったら譲りますけどね。
「いや、持ってても使わねえからやるよ。宝の持ち腐れってやつだ。」
「そうですか。じゃあギルドで売って割り勘にしましょう。」
「いいのか?」
「はい。win winです。」
平和に解決できて安堵した。ほんとよかった。
それから私達は十二階層まで足を進め、私がLv11、ガルスさんがLv9まで到達してその日の攻略は終わりになった。
またできるか尋ねると、次の日からしばらくこの街を離れるとの事で、時間の合う時にまたやろうという事になった。約束です。
それから(私の感覚でいう)13日後。そう、私がこの世界に来てから半月ほど経つ頃。私のレベルは30に到達していた。
驚いた事にガルスさん、かなりのペースで戻ってきてました。楽しかったからだって、嬉しいよね。
ようやく明日が、タワロゴの発売日。
何が起こるのかわからないからワクワクするね。
ちなみにステータスはこんな感じ。
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【リア】(ランク.C)
BP:95700
所属:なし
種族:猫人族
LV:30 (次のレベルアップまで 0/30000)
力:2100
耐久:950
体力:1955
敏捷:3000
魔力:5000
器用:2400
スキル
主導者…自分及び仲間のステータスが1.5倍になる。また、自身の経験値の増加量が1.5倍になる。
だだし、ソロの場合は発動しない。
魔剣召喚…自分の魔法属性の魔剣が召喚できる。ステータスに応じて性能も変化する。
コール…運営と連絡できる。また、緊急事態と判断したときのみシステムに関与する権限を持つ
無属性魔法…コマンドや念話、探知、マップなどの魔法が扱える。また、自分のステータスの割り振りを自由に変えることができる。
無属性スキルを自由に扱うことが可能となる。
魔法属性
氷属性、風属性
所持品
冒険者の腕輪
守護石のペンダント×2
神樹の剣
神樹の杖
魔石
所持金:206,580M
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だいたい初期ステータス×レベル位の上がり方だね。
読んでくださりありがとうございます。