第四話
『NPCも自由に話せる!仲間にできる!まるで本物のプレイヤーかのように動く最新技術。
この世界は普通のオンラインゲームの世界じゃない!
まるで異世界に移転してしまったかのように思えてしまう新感覚フルダイブ型オンラインゲーム。[TowerRGO]
○月○○日発売!!
これは塔の上にできた世界の物語。もう一つの人生を歩みだそう』
人々が多く行きかう交差点から見える大きなスクリーンに流れるCMに注目する人は少なかった。
それはほとんどの人が興味がないというわけではなく、4割以上の人が買うと決めていたからであった。
科学技術が発展し、多くのⅤRMMOゲームが売り出されている中、それらをはるかに上回る神げーだと噂されている理由は、先行プレイヤー達の感想にダメ出しが一切なかったからである。
そのCМを流し目で見ていた男が一緒に歩いていたもう一人の男に話しかける。
「なぁ。やっぱお前もタワロゴやんの?」
「当たり前だろ?先行プレイヤーの話聞かされてやりたくないと思うやつの方がおかしい。」
「だよなぁ。俺正直最初は全く興味なかったんだけどさ、先行プレイヤーが絶賛してたんだからやる気満々だわ。ってか正直よぉ、名前ダサいしCM見ても面白そうに思えねぇし…詐欺だろ?もっといい感じのあっただろ?」
「流石にそこに関しては感性の違いと言い訳するしかないだろ。ほら、天才の考えは常人にはわからない的な?まぁ、俺は正直面白ければ何でもいい。」
「それもそうだな。なあ、買ったら一緒にやろうぜ。」
「最初からそのつもりだ。協力プレイあってこそのゲームだからな」
「そうだな!」
そうして男は嬉しそうに笑った。
男たちが去った後もCMはループで流れ続ける。
この二人がリアと大きく関わってくることはまだ誰も知らない。
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