第零話 プロローグ
編集版。投稿開始です。
語彙力も文章力もなく、読みにくいと思いますが、温かく見守って下さると嬉しいです。
「誕生日おめでとう。よく頑張ったね。」
それが、私が最期に聞いた言葉だった。
18歳の誕生日。私は死んだ。
よくあるファンタジー小説のように交通事故で死んだわけでも、通り魔に刺されたわけでもない。
ただ、生まれた頃から周りより少し体が弱くて、周りの18歳の子たちよりも少し早く寿命が来ただけ。
私が不幸だとも思わないし、みんながうらやましいとも思わない。
私は、ずっと寄り添ってくれる両親のもとに生まれることができて幸せだった。
私が知っている世界は、この部屋と窓から見える景色、お母さんが教えてくれた物語に読ませてくれた小説や漫画。あとは、先生が教えてくれたゲームくらいだ。
だからこの世界にもう未練はない。
○○○○
拾い個室にベットが一つ。
窓が少しだけ空いていて、そこから涼しい風が入り込んだ。
窓から見える桜は満開で、その下で子供たちが走り回っていた。
楽しそうに笑う子供たちの声はここまで聞こえるくらい大きくて、それをみる周りの目は穏やかで幸せそうだった。
でも、対照的に私のいるこの部屋の人達は暗かった。
どうしたのか聞くのはおかしいだろう。
なにせ私は今日死ぬのだから。
不思議なもので、別れが辛くても涙は出なかった。
科学が発達し、医療もかなり発展したが、不治の病は直せなかった。
今では手も足も細胞が死んで無くなっていた。
いままでよく生きたなと自分でも思う。
生まれた時から病気で、何もできない私の傍にお母さんはずっといてくれた。
いままで頑張って生きてこれたのも、お母さんのおかげだ。
「次は、誰にも心配かけることがないように生きたいな。」
私は誰かに言うわけでもなくそうつぶやいた。
私の声は小さくてかすれていて、誰の耳にも届いていない。
「どうしたの?」
お母さんが気づいて聞いてくる。
私はできる限り大きな声で伝えた。
「向こうに行ったら連絡するから、待っててね。」
「ええ。楽しみにしているわ。」
それを言ったお母さんは本当に楽しみそうに笑った。
「それじゃあ、そろそろ。」
先生の言葉にうなづき、全員私から離れる。
「行ってきます。」
笑顔で告げた。
私がこれから行く場所は、もうすぐ発売されるゲームの世界のなか。
これから行われるのは、ⅤRMMOという寝ている状態でプレイするフルダイブ型RPGゲームの技術を応用した精神転生。
魂とは、莫大なデータの塊だ。それを取り込むことができれば、体を失ってもデータ上で存在できる。
これは実験も兼ねた本番。失敗すれば私は消える。
それでも私はこのはなしを持ち出されたとき二つ返事で承諾した。
どうせ死ぬんだ。賭けてみたい。
私の言葉にみんな穏やかなそれでいて少し緊張したような顔で頷いた。
大丈夫。なんとなくだけど成功する確信があった。
「......う......~ね。」
薄れゆく意識の中で聞こえた両親からの言葉に私は口角を上げる事で喜びを伝えた。
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