勇者さんの不満
探せばイベントなんていくらでもあるだろう。
手を抜いているんだな。面倒くさくなったんだな。
「なかなか難しいものもあるだろう。仕方ないのではないか?」
魔王……何が言いたいんだ。
「なにが、難しいんだ。俺を殺せば1話終わるのになぜソレができないんだ!なにが、難しいんだ!」
「逆にお前殺されたかったのかよ……。」
うっ……それは違うぞ!
「断じてそれは違う!殺されたいわけないだろう!」
「……そうか。」
「第一なぜ、この間隔!見づらいだろう!どうしてここを修正しない!話数はむこうの方が多いんだぞ!」
「な、なにを言ってるんだ、お前勇者感欠片もないぞ。」
知るか。こんだけ死んでてなにが勇者なんだよ。
「姫もいないし……」
「さっきからここにいるんだけど。」
「お前気づかなかったのか?」
……え。
「ずっとお前の後ろにいたぞ。」
「勇者と魔王にちゃんと謝ろうとしてたのに……」
……え、え。
「やーめた。」
姫が跳び上がる。一番高い所に達した、その時。
自らのスカートを蹴り上げる。なにかが中でキラキラと光っている……。
なんだあれは。音もたてずにそのキラキラがこちらに飛んできて頬をかすめた。
「な、なんだ。姫のスカートの中がすごくキラキラしていたぞ。」
魔王……やめろその言い方は。
姫は背中から翼……いや、あれは羽といったほうが近いかもしれない。いわゆる蜂とかについてる羽だ。ずーっと羽ばたかせている音もたてずに。
姫はさらに空中で回転する。その力でスカートの中からなにかがさらに射出される。
地面に突き刺さったそれを見てみると、なんとも立派な打製石器。
その石器がさらに数と勢いを増して射出される。そのうちの1つが魔王の眉間に直撃した。
魔王はどうやらかえらぬ魔王になったようだ。
そんな事をいっている場合ではない。俺は、逃げねば。
とりあえず走って逃げた。ある程度まで逃げたら姫からはなにも飛んでこなくなった。
「さすがに諦めたか……。」
さてと、ここはどこだ。崖の上だ。
どのぐらいの高さか下を覗きこむ。すごい高さだ。リアルな高さ。
ちょうど落ちたら死ぬ高さだ。
後ろを振り向くと姫が立っていた。
ありえないよ!姫の存在わからないなんて!
崖の下で反省しなさい!反省!
あー、スッキリした。
そんな事を言われましても。
どうせこの勇者また戻ってくるし。
しれっと魔王も来るんでしょ?
字数増やしただけで雑だしさぁ。