装備にすらたどり着けない
放置プレイは苦手なんだが。
特にされるのは。
「なーなーゆーしゃー。」
姫だった。
「なんだ?」
「いつになったら、装備買いに行くんだ?」
「それは俺も知りたいよ……」
姫にそんな感じで返していると、
「あ!君、もしかしてユウシくん?」
と声をかけられた。
いや、そんなやつ知らないから。そう思って人違いだと伝えることにした。
「人違いです……あれ?どこかで……会いました?」
なんだろう、見覚えのある顔な気がする……。
「私だよ!課長だった、多田だよ!」
「あっ、俺がトラックに轢かれた時の……」
「そうそう!あの時は驚いたよ~トラックは君が当たって凹んでいたのに、君の体が見つからなかったんだ。」
「あー……」
「私はてっきり『黒い玉に指示されて星人を倒すやつ』みたいになってるのかと思っちゃったよ!」
それは……ガン
「勇者よ。それぐらいにしておけ。」
魔王からも飛んできた。
俺は改めてみんなの方を見て、紹介をしようとした。
「この人は多田さんっていって……」
「それは知ってる。」
「そんなことより、装備だ。」
「へっくしょい!」
「ヘイ!そこの彼女!一緒にお茶でもどう?」
「じいさんや、今日はいい天気ですね。」
「…………あ?ばあさん、なんかいったか?」
「あ、じゃあ私は会議があるので失礼するよ。」
「わー!ちょっと待て待て!」
ダメだどこから突っ込めばいいんだ。
とりあえず、ジョニーを地面に埋めて、多田さんを見送って、おじいさんとおばあさんを家に送って、そうりょ……そうりょに、頭痛に効く薬をやった。
それで一通り落ち着いたので、満を持して突っ込みを入れる。
「何で知ってんだよ!」
「おい、みろ魔王!このスカートめちゃめちゃ武器仕込めるぞ!」
「うむ、このマントも素晴らしいな、姿が消せるとは。奇襲などに役立ちそうだ。」
「さむけ が おさまってきた。」
「みてくれ!体が抜けねぇ!これは燃えるぜぇ!」
「…………」
俺はかける言葉を失った。ダメだこいつらなんとかしないと。
というか、俺を放って装備買いに行ったのかあの2人。
俺はため息をついた。
……装備買いに行こう。
へっくしょい!
……zzz
へっくしょい!
はーっ。……zzずーっzz
寝かせろよ!
元そうりょでも風邪引くんだよ!
次回「そんな装備で大丈夫ですか?」




