勇者が死んだ日
勝手な次回予告は困るな……。
「おい、なにしてんだお前ら。」
俺は、石碑の前で手を合わせている3人に声をかける。
「なにってさー。」
「ジョニーへの弔いだぞ。」
「ジョニー……。」
ジョニーもう離脱?早すぎるというか、予告になってないだろあれ。
「あれ?なんだそのポッケのカード。」
俺は、元そうりょのポケットからはみ出ているカードを指差して言った。
「え?……このカードは……」
元そうりょはそういうと……
「わかった……わかったぞ、ジョニー……。ワタシは手札から魔法カード『死者蘇生』を……!」
「待て待て待て!なにするつもりだ!」
「いいじゃんかー、見ものだよー?」
「何故止めたんだ勇者よ。」
なんてもの使おうとしてくれてんだ。
俺はとりあえず止めた……はずだったんだけど……
プリチー、しょうかぁん!
(略)
デン!
はい、ジョニーでーす!
「どっから出てきたんだ、オマエ。」
「あっこに時計が落ちてたんだ!懐中時計みたいだったよ!」
それ、女の子主人公のやつじゃないか。
というか特殊召喚はどうなったんだよ。
「お、蘇生成功だねー。」
「うむ。」
「よかったよ、ジョニー。でも……」
元そうりょがジョニーの装備を見ていた。
「ジョニー、そんな装備で大丈夫か?また死ぬんじゃないのか?」
「大丈夫だ。さしたる問題ではない。ンハハーハッハハー!」
笑ってるつもりなのだろうか。
どこかで聞いたことのあるやり取りをした2人はそのまま行こうとしていたが、俺は止めた(さすがに魔王と姫にも手伝ってもらった)。
まあ、始めの階層でミノタウロスが出たわけでもないのにジョニーが死んでいるので、まず装備でも買いに出掛けよう。
どこかに町はないだろうか。
情報が欲しいのだが。
私達が歩くのが遅れていたのもあり、勇者が先頭1番乗りで街に入った。
その時。
地面から無数の針が空に向かって飛び出した。
勇者の体に針が
食い込み
つき刺さり
突き抜ける。
空に真っ赤な花火が打ち上がったみたいだ。
針の隙間から見える町に人の気配がない。
針が引っ込むのと同時に勇者の体が空中から落とされた。
私は勇者に投げ縄をかけて、手繰り寄せる。
その寄せる間にも、勇者の体からは赤いのが流れ出ているわけだが。
やはり、死んでいる。
「元そうりょ、先程のカードはないのか?」
「あ、あれはもう墓地だ。」
「そうか……。」
「蘇生魔法、使えないのー?」
「無理だな。」
「じゃあ、とりあえず――」
「「「「教会だな。」」」」
私達はさっき歩いてきた道を戻るハメになった。
「はっ、俺はいったい……?」
「お前は死んだんだ。」
「え?生き返らせるのに10000G必要なの?」
「お前……何者だ?」
「ジョニィィィィィ!」
次回「蘇生(前編)」
お楽しみに!




