表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
琥珀色の心 Ⅱ  作者: 柴垣菫草
第1章 あおじ
13/53

あおじ<13>

「来たっ!」


天空(てんくう)は空高く飛び、叫んだ。

「伸びろ、天空剣!!」


大蝦蟇(おおがま)の虹光線は、天空のいた場所目掛けて放たれた。その上空に飛んだ天空は、虹光線を垂直に切る絶好の位置を占めたのだ。

天空の計画は見事に成功した。琥珀と天后(てんこう)も、心の中で『やった!』と叫んだ。


天空は、伸びる天空剣を、上段から袈裟(けさ)()けに振り下ろした。虹色の光線を、真横から天空剣が切り裂いた。


(いな)、切り裂いたように見えた。


琥珀も天后も、虹色の光線を()けながら、確かに天空剣が光線を切ったのを目撃したのだ。


しかし、ぐゎああん、と音を発した天空剣は、光線を切り裂いてはいなかった。


天空剣は、虹色光線の途中で動きを止められたのだ。

天空剣の剣身が虹色に変わる。そして、それを握る天空も虹色に染まった。


天空は翻筋斗(もんどり)打って背中から地に落ちた。

起き上がろうとする天空…、しかし、身体が(しび)れて動けない。


「わっははは…」

大蝦蟇が勝ち誇った声を上げながら現れた。


「この光線を切るとは、愚かなことよ」

琥珀と天后は、大蝦蟇と倒れた天空の間に飛び出して構えた。


「虹光線が切れると思ったのか?うわっははは…。

この光線は、俺の舌が作る波動だ。切れぬわいっ!」


天后が、攻撃の姿勢をとった。


「止めろ、止めろ!無駄だ!おまえ達に、俺は倒せぬ」


大蝦蟇の濁った眼が、ぎょろっと天后を(にら)む。その迫力に天后は(ひる)んだ。

「ううっ…」


あの天空剣でも大蝦蟇の虹光線は切れない。琥珀は(あせ)った。どうすれば大蝦蟇を倒せるのか。

大蝦蟇は、少しずつ間合いを詰めながら言った。

「俺は、人間を喰うのはあまり好まないが、久し振りのこの世だ、三人まとめて喰らってやろう」


琥珀と天后は、大蝦蟇に押されるようにじりじりと後ろに退る。既に、痺れて身動きがとれない天空の所まで下がってしまった。

ここで再び虹色の光線を発せられたら、二人とも天空を守りながら逃げる(すべ)はない。


大蝦蟇は、醜い黒いイボを誇るかのように三人の前に立ちはだかった。

「うむむむ…」

琥珀と天后は、唸るしかない。


その時、二人の耳に太陰(たいおん)の声が聞こえた。


『天后、ほら、天后…、大蝦蟇とて所詮(しょせん)蛙ですわよ。冬になると体温を調整できない蛙は、冬眠するしかないですわ。

そう、大蝦蟇は寒さに弱いはず。水神で冬を司る天后!あなたの出番でございますわよ…』


琥珀と天后は顔を見合わせた。そうかっ、その手があったか。


天后は、琥珀に頷くと、低く呪文を唱え始めた。そして、右手を天に差し出した。

「冬よ…来いっ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ