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#0 始まり
どうして、こんな事になってしまったのだろう。このゲームにのめり込んでしまったせい? ろくに下調べもせずにあんな物に手を出してしまったせい? そもそも、広と知り合わなければ何も始まらなかったのでは? いや、違う……。確かに、それらは全て原因ではあるが、1番悪いのは間違いなくあいつだ。あいつさえいなければ、こんなゲームなんかスパッと止められたんだ。あのネカマ野郎……あいつのせいで、俺の人生は狂わされた。
さっきから、奴らがずっと玄関のドアを乱暴にノックし続けている。今にも蹴破られそうな勢いだ。流石にそんな事はしないとは思うが、このままやり過ごせるとも思えない。順風満帆とは言えないが、つまらなくとも平和な日常を過ごしていただけなのに…………悔やんでも悔やみきれない。
しかし、こんなやばい状況だというのに、俺は妙に冷静だった。まあ、単なる開き直りなのかもしれないが……。俺は、今までのことを思い返す。全ての始まりはあの日、広と大学帰りに出くわしてからだったか…………。