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すごくトイレに行きたかった話

作者: 榛李梓

 ある時、私はとても尿意を催していた。

 急いでトイレに向かう。

 個室のドアを閉めて便座に腰を下ろすと、間に合ったことにホッと一安心した。

 用を足し、身支度を整えトイレの水を流し、手を洗って友人たちの所に戻る。


 それから私は友人たちと談笑していたのだが、程無くまたトイレに行きたくなってきた。

 仕方なく友人たちとの会話を中断し、もう一度トイレに立った。

 なんだかトイレの近い日だな。

 そう考えながら、数分前と同じようにトイレの個室の便座に腰を下ろす。


 しかしすぐに、何かおかしいことに気がついた。

 さっきも今も、確かに用を足したはずなのに、まだ尿意が消えないのだ。

 残尿感がある、と言うのだろうか。目的は果たしたのに全くすっきりとした感じがしない。

 もしかしたら膀胱かどこかが悪いのかもしれない。それ用の薬のCMを見たことがあるが、自分には関係ないと思っていたのに。いやいや、若くはないかもしれないが、そこまで年は取っていない。しかしこのままにしておくのも不安だし、やはり病院に行くべきか……。





 目が覚めた時、私はとても尿意を催していた。

 ベッドから起き上がり、トイレに向かう。

 用を足しながら、ああそれであんな夢を見たのかと納得した。

 夢とは違い、今度はすっきりした気持ちでトイレを出る。

 窓を開けると、爽やかな朝の空気が部屋に入ってきた。

 少しも汚れていないベッドを見て、自分も大人なんだなと、しみじみと感慨にふけったのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 夢オチ、且つ、実話系。はい、本当に寝ている時の尿意ってやっかいです。子供時代は抗えませんでした。夢と現実の狭間。逆に見ればあれがピーターパンが住んでいる世界だったのかも知れません。 でも仮に…
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