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採取

作者: 抹茶

 僕は、君と分かち合いたいのです。

 君は何時も、皆を笑わせます。僕も笑わせます。君は、笑わせますけど、キラキラと輝けば、もっと綺麗になる、とおもいました。僕は、このままでは駄目だ、と思いました。

 君は何時も、笑顔を振りまいて、僕は何も恩返しをしてません。だから、君にもっと一杯の返しをしようとして、君に出来ることを考えました。

 君のキラキラをほしい。ほしかったので、僕は君のキラキラを貰うことにしました。けれども、貰ってばかりではいけないので、何か君に恩返しをしなければならない、とおもいました。だから、僕は君にキラキラをもっと出すようにしました。

 君に触ると、君はもっとキラキラと輝きます。キラキラと輝くそれを掬い取って、君に塗りたくりました。君はなんども泣くので、僕は笑顔を作りました。僕は笑みを見せると、君は引き攣ったように笑いました。

 僕は口の端が上がった君を見た後、ちゃんとキラキラを出しました。キラキラと輝いて面白かったです。

 君はキラキラと輝いていて、僕と周りに笑わせてくれます。君は何時もキラキラと輝いているから、僕は一体どうやって君に恩返しをする事が出来るのかな、と考えてばかりでした。僕は、無理矢理理想像を作ったのです。

 君は、何時も僕に笑いをくれますから、何時かちゃんと恩返しをしなきゃ、とおもいました。なんども考えて、君に恩返しする方法を考え出しました。君は泣いて喜びました。あの時を思い出す度に、僕は喜びに胸を打ち震えます。

 僕は、君になんどもキラキラを輝かせました。君は嬉しそうに言いました。笑う口を引き攣らせて、僕に喜びを伝えました。僕も、泣きながら喜びを伝える君に、つい嬉しくなって、キラキラを多く出しました。

 何時も見ているキラキラよりも凄く綺麗で、僕が眺める夜空よりキラキラと煌めいていました。僕は夜空の星がチカチカと近付いているのを見ながら、キラキラをもっと出しました。君は泣いて喜んで、何時もよりもっと声を出しました。君は僕に泣いて喜ぶ程の顔を見せました。僕はつい、ニッコリと微笑んで君を見送りました。

 君のキラキラは、僕の目にこびり付いて離れません。僕はなんども手を洗いましたが、キラキラを出したのが拭えません。ごめんなさい、語弊じゃないんです。本当なんです。

 僕はなんども手を綺麗にしようと頑張りましたが、君のキラキラを出した手は、なんどやっても取れないんです。君のキラキラを取り出した手を見る度に、泣きながら喜びを伝えた君の笑顔を思い出す。僕は、君のキラキラを取り出して泣いて喜んだ事を思い出す度に、僕の体が寒くなるんです。ぞわっと腕から背中へとぞっと立つんです。

 君のキラキラを思い出すたび、僕は何とも言えない気持ちになります。けれども、嬉しいんです。僕は、とてもうれしいんです。泣いて喜ぶ程の君を見れて、僕はようやく君に恩返しが出来た、と感じるからです。

 キラキラを取り出して、僕はなんども考えました。君が何時も周りを笑わせた事、君が何時も僕を笑わせた事。その事を思い出すたびに、僕は君にもっと恩返しをしなくては、と思う事になります。

 僕はなんども、君に恩返しをすることを考えました。その結果が、キラキラを取り出す事なのです。あの、君の喜んだ顔を見て、僕も嬉しくなりました。あの、引き攣った笑みを見せてから、君は笑うしかなくなりました。君が笑うしかなくなって、泣いた所を見て、ニッコリと僕の悪魔が笑ったのです。

 え、あ、悪魔?僕は悪魔と言ったのですか?いいえ、ちがいます。僕は悪魔とでは無く、ニッコリと笑ったのです。僕は嬉しかったのです。君が笑う顔を見て。僕は何時も、君に笑ってくれる事を考えました。だって、君が僕に見せる笑顔は、僕の望んでいたものと違っていたからです。

 だから、僕は君にキラキラを取り出しました。キラキラを取り出せば、君はきっと、僕の言う事を聞いてくれるからと思ったからです。最初は、僕の思っていた通りのキラキラが出て、君は笑いました。けれども、君は泣きながら笑ってたので、僕はこれではいけない、とおもいました。僕は、君にどうにかキラキラと笑って貰う事を考えました。君は泣きながら笑っていたので、僕は無理矢理作りました。君は引き攣った笑顔を見せました。僕は一つ、殴りました。

 君は、何時も僕を標的にします。だから、僕は君の言う通りに君を標的にしました。

 君は、何時も僕を笑わせます。君は、何時も僕の周りを笑わせます。

 僕は、どうすれば、恩返しを僕の周りに返せるのかな、と言う事が考えつけませんでした。僕は、何時も君の事ばかりを考えていたのです。そうだ、君を笑わせる事が出来たら、きっと周りも笑わせれるに違いない。僕は核心を衝きました。けれども、君一人だけでこんなに時間がかかったら、周りに笑顔をあげる為に、一体どの位の時間が掛かるのでしょうか?僕は悩みました。僕は僕に問いかけて、考えました。

 だから、まずは君で臨むことにしました。君を笑わせる事が出来たら、きっと僕の周りも笑わせることが出来るのだ、と。僕はおもいました。君は笑っただけで何も言いませんでした。いいえ、違いました。君にはなんにも言ってません。君は何時ものように、僕を笑わせただけです。だから、キラキラを取り出しました。恩返しをしました。

 僕は君のキラキラを取って眺めました。君はキラキラ。本当にキラキラと輝いていました。僕は君をキラキラにして、笑わせて、君が一息吐いた後に、周りを笑わせようとしました。本当の本当です。何時もそう言う事を言っていたのは、アイツ等です。

 僕は、君にキラキラを輝かせて、笑わせます。だから、僕は、僕の周りに笑わせます。

 僕の周りは、君によって笑わせられた奴です。僕は、君に関わって、笑わせた奴等全部笑わせます。僕のかぞくは、泣いてばっかです。

 僕は何か悪い事をしましたか?僕は、君に笑わせたい、僕の周りも笑わせたい、と願うばかりなのに。君はどうしてそうも苦しい顔をするのですか?

 君はどうすると言うのですか?僕は、君と君の周りにいる、笑わせた奴等全部を笑わせるつもりです。君はどうすると言うのですか。僕は、苦手な人がきらいです。君は何時も僕を笑わせた。君の周りも笑わせた。僕は何時も君の標的になった。僕の周りから、笑わせる的になりました。ねぇ、僕は君を笑わせても、何の罰も当たらないでしょう?

 僕は、君を笑わせる為に、うんと一杯考えました。だから、君は泣いて喜んだ時、僕はとても喜びに胸を震わせました。あの時を思い出すたび、僕は泣きそうになりました。それほど、嬉しかったのです。僕は、僕の周りをこれで笑わせれるんだ、と喜びに胸を震わせました。泣きそうでした。

 僕は涙を拭って君に言います。ありがとう、ありがとう。君は何も言わないけれども、僕は、君の泣いて喜んだ顔が目にこびり付いています。瞬きをするたび、君の事を思うたび、あの君の顔が浮かびます。君は、そんなに僕の中に大きかったのです。

 僕は君の手をとります。君に、君のキラキラを押しつけます。君の何も言わない冷たい手は、ただ落ちただけでした。

 僕は何度でも言います。僕は、君と君の周りを笑わせたかったのです。

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