それではこれから僕が嘘をつきます。
ハムスターを飼っている。
メス。白いジャンガリアン。
いつも少しなら触らせてくれる。かわいい。
朝、触ろうとしたら、ハチャメチャに噛まれた。
指から血が出た。
何だ。驚いた。
少しして、落ち着いたのか、またチャレンジしたら、今度は噛まなかった。
よかった。
なろう、何か描いてみようと、下書きばかりが積み重なってゆく。
いやだな。
なんでも良いから、出すか。
そう思って、今これを書いている。
普段は、漫画を描いている。
下手の横好き。
いわゆるワナビ。
何しても中途半端。
音楽小説漫画。何しても。何してもだ。
ハムスター飼ったときに思った。
このハムスターがいなくなる頃には、人生が少しでも、動いているだろうと。
だが、どうだ。
なにか、何かを成しただろうか。
いや成そうとしただろうか?
ハムスターは回し車を理由もなく回す。
目的がない行動。愛玩動物。
でも僕のように、目的があるのにやらないほうが、よっぽどハムスターより程度の低い話だと思う。
このままじゃ何も変わらないまま、1ハムスター分の時間が過ぎてしまう。
多分。そう言ったんだと思う。あの噛む力は。
じゃあ。わかったよ。
与太話でも、何か出すよ。
そう言うと、ハムスターは、ようやくか、という顔で僕を見た。
明日早起きして、猪追いの面接にいく。
スーツ、久しぶりに着る。