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第二章
家族の食卓。
母がいて父がいて、弟がいる。
皆はワイワイと楽しそうに各々食事と会話を楽しんでいた。
私も段々と話に加わりたくなって、今日こそは、と「あのね」と声を掛ける。
その瞬間、空気が凍てついた。
その場にいる誰もが口を閉ざたが、母がボソリと呟く。
「……気持ちの悪い子…」
嫌な汗がじっとりと寝間着代わりのオーバーサイズのTシャツを濡らす。
時間はam3:00。
日付が変わって眠りについたので、充分に睡眠はとれていないが、再び眠りにつく気になれない。
首回りの汗が気持ち悪いのでシャワーでも浴びようかとベッドから下りれば、寝る直前に飲んでいたビールの缶が足に当たって転がった。
それを見て、何だか全てが面倒くさくなってしまい、そのままダイニングの椅子に腰掛け、テーブルの上に置きっぱなしにしていたキャップ式のウイスキーを瓶ごと呷る。
度数の高いアルコールが喉を焼き、血液がカッと沸くが気持ちが晴れなかった。
椅子に足を掛け、重たい頭を抱える。
手には枕元から持ってきた携帯端末。着信履歴に【母】の名前が何件も表示されていた。