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風船娘  作者: 白龍
4/5

お湯を飲み干す水風船

湯煙がたつ、ある温泉にて。

二人の男女が、ここへ訪れた。

白い煙で前がよく見えずとも、全身に温泉の熱が伝わってくる…二人は期待に笑みを浮かべていた。


一人は黒い髪の男。三十代後半くらいだろうか、少しばかり年季が入った顔をしていた。

もう一人は金髪に金の瞳を持つ女子高生くらいと思われる少女。

青いスクール水着を着ており、既に温泉を楽しむ気満々だ。

目の前に広がる大きな湯。

石に囲まれ、周囲には人工芝が生えている。観葉植物が部屋の端を彩り、正に温泉といった所だ。

「タケルさん、早く始めよう!」

「おいおい落ち着けユコ」

ユコと呼ばれた少女は今にもお湯に飛び込みそうだ。

タケルと呼ばれた男はリコを何とか止めている。


…そういえば、タケルはスーツを着ており、温泉に入る格好ではない。

やたら静まり返った温泉はどこか不気味な雰囲気が漂っているが…?


「よし、では入りなさい」

「はーい!いっきまーす♪」

ユコはタケルの指示を受け、忙しない足取りで温泉へ入った。

湯煙に囲まれながら、ユコは幸せそうに腰を下ろし、全身でお湯を体感する。

「ああ、良い気持ち♪」

…この時、タケルはユコを見て、何かを真剣に考えているようだった。

眉を釣り上げ、眉間にシワを寄せる。


しばらくすると、変化は起きた。

ユコのお腹だ。


ユコのお腹が温泉に入る前より明らかに張り出していたのだ。

じっと見てるだけでは分かりづらいが、彼女から一分目を背け、再び見れば、大きくなってる事が一目で分かる膨張速度。

三分程浸かり続けると、ユコのお腹はだいぶ膨らんでいた。

妊娠しているかのようなお腹だ。ユコもこのお腹の膨張には気づいてるようで、左手でお腹を擦りながら、右手でタケルにグッドサインを送る。

タケルも親指をたてる。

「良いぞユコ。その調子だ」

また、二人はしばらく動かずに時を過ごした。


入浴開始から5分後。

ユコのお腹は、ユコの顔の高さまで膨らんでいた。

両手でお腹を抱えながらも、尚入浴を楽しむユコ。

よく見ると、変化しているのはユコだけではない。

温泉全体にも変化があった。元々深さもそれなりにあった温泉の水位が、今では半分ほどになっている。

タケルはニヤリと微笑んだ。

「やはり、素晴らしい。君は水風船娘としての才能があるな」

嬉しそうに微笑むユコ。

そう、実は彼女、お湯を全身で吸い上げていたのだ。

彼女の大きく膨らんだお腹の中は、全てお湯。

熱を持ち、ほんのりと温かいお腹はまさしくお湯風船だ。

ユコ自身も押し上げられる大きさのお腹だが、尚もユコは残りのお湯をスポンジのように吸い上げ続けていく。

既にお湯が詰まったお腹に更にお湯が注がれ、お腹はどんどん大きさを増していく。



入浴から10分後…。

既に温泉のお湯は、足湯程にまで浅くなっていた。

あのお湯達は今や全てユコの中だ。スクール水着は中心から破れ、綺麗なお腹が露出していた。

ヘソが天井を向き、肌全体が白い光沢を纏ってる。

タケルの身長の倍近くまであるお腹が、温泉の中央に鎮座していた。

ユコは顔を赤くしながらお腹を撫でている。お腹の中からほんのり伝わる温かさで、水位が下がっても温泉気分は抜けなかった。

「けぷ…」

時々ゲップを出すユコ。これだけのお湯を溜めたのだから、さぞ満腹だろう。

が、まだ一応水位はある。

ユコは残りのお湯をデザート感覚で再び吸い上げる。

ユコに集まっていくお湯。巨大なお腹は僅かながらも更に大きくなり…一見今にもはち切れてしまいそうだった。

天井に向かって巨大化していくお腹に、タケルは拍手したくなるような気分だった。



そして、全てのお湯をお腹に収めた時、お腹は温泉の天井にくっつくほどの大きさになっていた。

温泉にはもう一滴もお湯はない。一人の少女のお腹に全て収まったのだ。


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