風船妹を膨らませよう
その日、どこにでもいるような男子中学生、ヤスは足早に帰路を辿っていた。
住宅地に響く彼の足音。窓から覗いていた人々は、またかと優しい微笑みを浮かべている。
勿論彼が急ぐのには理由がある。彼を待つ妹がいるのだ。
家々が視界を通り過ぎ、走り続けるヤス。その顔には、笑みが浮かんでいた。
そして、ようやく辿り着いた彼の家。
どこにでもあるような、ごく普通の家庭だ。
ヤスは玄関のドアを開け、こう叫ぶ。
「ただいま、リナ!」
リナと呼ばれたその少女は、玄関で待っていた。
美しい金髪に、一目で幼さが分かる可愛らしい顔。
輝く目で、息を切らすヤスをまっすぐ見つめていた。
「待ってたよ、お兄ちゃん」
この可愛い妹に、ヤスは毎日癒やされているのだ。
しかし何よりも、ヤスとリナには大きな秘密があった。
リナはその小さな足で廊下を歩み、ヤスがついていく。
そして、ある部屋に辿り着いた。
そこはヤスの部屋。勉強机にヒーローもののフィギュアに…これもまた、男の子らしい部屋だった。
リナは部屋の中心に立ち、何かを期待しているようだった。
「今日も、お願いね」
両手を腰のあたりで組むリナを見下ろしながら、ヤスはある物を取り出した。
それは、エアポンプ。
風船を膨らませる時によく使う、アレだ。
しかし周りに風船らしき物はない。
…だが、ヤスにとってはあるのだ。目の前に。
…数秒後、エアポンプに繋がったホースはリナの服の下に差し込まれていた。
「やるぞ?」
「うん」
手早くやり取りを済ませると、ヤスはエアポンプを押し始めた。
しゅうううううっ。
スムーズに押す事ができる。
空気はエアポンプに取り込まれ、そこからホースへと流される。ホース内を進んでいき、最終的に行き着くのは…。
…リナのお腹だ。
ヤスがニ回、三回とエアポンプを押すと、リナのお腹は張り出してくる。
四回、五回、六回、そして七回。
エアポンプから送り込まれた空気はホースを流れ、リナのお腹の中に閉じ込められる。
お腹に入った空気は行き場がなく、互いにひしめき合い、何とかして場所を確保しようと外側へと詰め寄っていく。
リナのお腹は、どんどん膨らんでいた。
「やっぱりお兄ちゃんが一番。他の男の子じゃ全然空気入らないの」
「お兄ちゃん以外のエアポンプで膨らんだのか?…そんな悪い子は、こうだ!」
ヤスは一気にエアポンプを三回押した!それまでの勢いとは比べ物にならない速さだ。
シュ、シュ、シュウウウッ!
リナのお腹は目に見えて大きく膨らむ。
「ひゃ!…もーお兄ちゃん…」
「悪い悪い!」
舌を出しながら再び操作を再開するヤス。
リナのお腹は風船のように膨らみ、肌色に輝いていた。
空気が入る度に僅かに上下に揺れる様は、ヤスの心を癒やしていく。
ひたすらそれを繰り返していくうちに、リナのお腹はリナ本人の身長と同等の大きさに。
ヤスはエアポンプを床に置き、リナのお腹に手を置く。
…かなり張り詰めていた。
リナは苦しそうにしつつも、それを超える喜びを顔に浮かべていた。
「…やっぱりお兄ちゃんが一番だ。リナのお腹、もうパンパン」
「リナの為なら、どこまでも空気を入れてあげるよ。…何度でも破裂させられる自信がある」
リナは可愛らしい笑みを浮かべてお腹を擦る。
ヤスは彼女の横に座り、しばらくリナのお腹の質感を楽しんだ後、空気を抜いてあげるのだった。