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いのちの詩(仮題)

こころを何処に捨てましょう

作者: 浮き雲

いろんなネガティブな感情が気づかないうちに堆積して、持て余してしまうことがあります。人に話して解決できるといいのでしょうが、そういう性格ではありません。

さいわいなことに「怒り」や「憎しみ」という攻撃的感情はないほうなので、受け身にたまっていくだけなのですが、様々な感情が溜まっていくと、こころが消化不良状態になるような気がします。

ですので、可能なら溜め込む段階で、不可能なら溜まってしまったものを、「なぜ、そう感じるのか」と内省(もど)きのことをして始末します。

なぜ、そういう感情が芽生えてくるのか。

自分の心の中を傍観者的に見ていくだけでも、感情的に余裕が持てる気がします。さらに、その試みで気が楽になれば、なおさらです。

それで、すべてが解決するわけではないのですが、「まだ、大丈夫」だと思えることは大切だと感じています。

でも、そうしてみても、処理できない感情は残ります。捨てられるものなら、捨ててしまいたいと思います。そして、捨てるに忍びない感情が最後に残ります。それが、私にとっての「苦しさ」のように思われます。


もちろん、「喜」や「楽」の感情もたくさんあります。今のところ捨てる対象ではないので、ここでは論外としました。





こころを何処に捨てましょう


こころは、夜の明けぬうち 迷いばかりを詰め込んで


霧が沈んだ谷川の 岩の隙間におきましょう




こころを何処に捨てましょう


こころは、雨が上がる朝 さびしさばかり詰め込んで


昇る朝日が映し出す 虹の根元に埋めましょう




こころを何処に捨てましょう


こころは、冬の陽の下に 思い出ばかり詰め込んで


ひっそりと咲く水仙の 花の影へと注ぎましょう




こころを何処へ捨てましょう


こころは、迫る黄昏に 問いかけばかり詰め込んで


誰とも知れずすれ違う 他人の影へとあずけましょう




こころを何処に捨てましょう


こころは、星も見えぬ夜 悔しさばかり詰め込んで


虫さえ消えた藪の中 朽ちてしまえと捨てましょう




こころを何処へ捨てましょう


こころは、月を待ちながら 愛しさばかり選び出し


小瓶に詰めて、この浜辺 沖へと向けて流しましょう





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― 新着の感想 ―
[一言] こちらも好きでした。 心というか、想いの澱のようなものというか。そういうものを本当にぽいと捨てられたら、心は多少は奇麗になるのでしょうが。 最後の連、愛しさは捨てる対象なんですね。愛しさが…
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