表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

第5章~青い光と白い服の6人

 すると、その瞬間(しゅんかん)、自分の上着の背中(せなか)の辺りを、結構(けっこう)な力でグィッと()()られました。


「ハッ!」


 そのショックで(われ)に返りました。


 そして、今の自分の現状(げんじょう)をやっと知る事が出来たのです。


 新小岩(しんこいわ)駅の快速(かいそく)線ホームに行った時は、東京駅寄りの階段を上がった中央にいたのですが、正気(しょうき)に戻った時は、あと一歩()み出せば確実(かくじつ)にホームから転落(てんらく)するであろう、ギリギリの場所に立っていたのです…。


 もし、あと一歩踏み出していたら、前側と後側のどちらで転落していたと思うでしょうか?


 その答えは、前側でも後側でも動いた時点で、確実に線路上に転落していました。


 何故(なぜ)なら、自分の左足は半分しか地面を踏んでいなくて、あと半分はホームの(へり)から外側にはみ出していたからです。


 自分は咄嗟(とっさ)にホーム中央寄りに移動しました。


 そのほんの数秒後、自分が落ちかけたホームに、成田エクスプレスが地鳴(じな)り音を立てて通過(つうか)していきました。


 この一連(いちれん)の出来事にショックを(かく)しきれず、(しばら)くホーム上のベンチで放心状態(ほうしんじょうたい)になっていました。


 あの強めの青い光に(さら)された時は、その場所から全く動かなかったつもりでしたが、実際には複数の心霊(しんれい)を見た恐怖(きょうふ)心から、無意識(むいしき)のうちにジリジリと斜め後ろ側に下がっていたようです。


 それ(ゆえ)、我に返った時にはホーム上から落ちかける位置にいたのだと思います。


 それと、自分の上着を引っ張って助けてくれた方を、()り返って(さが)してみましたが、辺りにそれらしき姿(すがた)は見られませんでした。


 この時、普通に考えて分からない事ばかりが起こったのです。


 新小岩駅の快速線ホームで見た白ずくめの6人は、(おそ)らく地縛霊(じばくれい)の集団でしょう。


 自分と同じように、あっちの世界に()れ込まれた人もいたかもしれません。


 その後に、こっちの世界に戻って来られた人もいれば、来られなかった人もいたのかもしれません。


 自分は、宿直明けの(つか)れた状態(じょうたい)だった故に(ねら)われたのでしょうか…?


 まずは、あっちの世界に連れて行かれなくて本当に良かったです。


 しかし、いくら地縛霊の集団とはいえ、そこまでのパワーがあるというのは、通常じゃ考えられないない事です。


 もしかしたら、この土地に何かあるのかも知れません。


 よく言われる事ですが、自殺の名所と()ばれる所から直線上に位置する所には、心霊が()まり(やす)い場所があるのだとか…。


 聞いた話ではありますが、新小岩駅については、駅から比較(ひかく)的近いマンションでも悲劇(ひげき)的な事が起きているようです。


 あと、自分を寸前(すんぜん)で助けてくれたのは、多分複数の守護霊(しゅごれい)でしょう。


 悪霊(あくま)のパワーが強くて危なかったところを、守護霊の何方(どなた)かが、更に神格(しんかく)が上の方が降りてきて引き戻してくれたようです。


 新小岩駅には、地縛霊によるものやその土地に(まつ)わる何かがあるのは確かなんでしょうけど、ここまで強いのはなかなか遭遇(そうぐう)しないと思いました。


 守護霊と思われる力によって我に返った自分は、その後に見えた光景(こうけい)にホッとしました。


 強めの青い光を放っていた、あの巨大で縦型の鉄道用3灯式信号機も、6人の白い服の方々も、きれいさっぱり無くなっていました。


 ただ、次の瞬間、自分の頭上からこんな声が聞こえたのです…。


「チッ…失敗したか…」


 その声は間違いなく、白い服を(まと)った6人の方々の声でした。


 直様(すぐさま)頭上を見回しましたが、そこには何もいませんでした。


 人身事故が多発していた新小岩駅の快速線ホームについて、ネット上でも、


「何故、あの駅だけ飛び込みが多いのか?」


「何かがいるのに違いないだろう?」


 …と、いった書き込みが、多数見受けられました。


 その何かが、今回見えた光景に関係があるような気がします。


 全身が白い服の6人は、現在もいるのだろうか?


 ひょっとしたら、その仲間が増えてしまってはいないだろうか?


 もし、その集団に引き込まれた場合は、不自然な感じで斜め後方に進みながら、ホームから片足を踏み外させるのであろうか?


 (なぞ)が多いのままでしたが、その日は助かった事に感謝(かんしゃ)しながら1日を過ごしました。


 余談(よだん)になりますが、他の人よりも霊感が強いと感じる方は、よく神社仏閣(ぶっかく)参拝(さんぱい)されているでしょうか?


 浄化(じょうか)守護力(しゅごりょく)が高まりますので、継続(けいぞくいぞく)して参拝するのをお(すす)めします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ