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第1部~新小岩駅のホームドア設置前に見えた事、第1章~総武線各停の通勤

このお話は、2000年(平成12年)以降の事になります。


皆様の知る限りでも人身事故が多発している場所はあると思いますが、新小岩駅も人身事故が多発している場所のひとつなのです。


この当時から、新小岩駅は自殺のメッカと呼ばれ多くの方が投身したのです。


正確に言うと、新小岩駅の総武線快速ホームで多発していたのです。


新小岩駅の快速線のホームでは特急は停まらないので、成田エクスプレスの他、通過する快速列車が時速100Km以上のスピードで走っています。(成田エクスプレスは時速120Kmと言われています)


そこに、自殺願望のある者が飛び込んたらどうなるかは、想像すればすぐに分かるでしょう…。


飛び込んだ者の確実な死はおろか、高速で弾き飛ばされた人間が周りにいた何の罪もない方を巻き込んでしまう事もあるのです


新小岩駅では、投身自殺者とその巻き添えになって亡くなる方がいたので、他の駅よりも死亡者が多くなった事もありました。


巻き添えで死亡するのは、快速線に飛び込んだ方が弾き飛ばされた時、ホームにいた何の罪もない人にぶつかっただけでがなく、そのまま逆側の線路に落としてしまい、そこを猛スピードで通過した列車に轢かれるというものでした。


かつて、新小岩駅の快速線ホームでは、100Km以上で走る列車に飛び込んだ方がホーム上の売店に弾き飛ばされ、壁面ガラスが粉々に砕け散った事がありました。 


その後、営業再開のメドが立たずに長期間鉄の柵で覆われていました。


この場所が今後どうなるのかと、通勤の時にたまに見ていましたが、再び売店になる事はなく更地になりました。


鉄の柵に覆われた所に再び投身した方が弾き飛ばされたからでした。


これでは、営業の目途が立たないと考えたからでしょう。


2011年~2015年(平成23年~27年)は、人身事故があると、あー、また新小岩か…、と思ったものでした。


新小岩駅では、自殺防止をあれこれ対策していましたが、どれも効果は今一つでした。


2018年(平成30年)12月より新小岩駅にホームドアが設置されるまでは、総武線で通勤していた方々は大変だったと思います。


これから書くお話は、新小岩駅のホームドア設置前と設置後にどのような心霊現象があったのかという事になります。


それでは、第1部よりお進み下さい。


 自分は社会人になってから、通勤(つうきん)でずっと中央・総武(そうぶ)各駅停車(かくえきていしゃ)(以下、総武線各停(かくてい))を利用しています。


 2000年(平成12年)の春まで自分は錦糸町(きんしちょう)に住んでいたので、総武線各停を利用する時は主に都心に向かうので、新小岩(しんこいわ)駅は反対方向なので通過(つうか)することはあまりありませんでした。


 なので、当時はあまり新小岩駅を意識(いしき)した事はありませんでした。


 この頃も、中央・総武線(総武線快速(かいそく)と各停の両方)の人身事故(じんしんじこ)はそれなりにありましたが、中央線快速、常磐(じょうばん)線、京浜東北線、東武東上線と比べると少ない方だったと思います。


 2000年の春以降、自分は西船橋(にしふなばし)より先に引っ越したので、都心に向かう通勤の時に新小岩駅を通過しましたが、この頃は総武線各停の他の駅に比べたら新小岩駅での人身事故が若干(じゃっかん)多いかなっていう感覚(かんかく)でした。


 それよりも、中央線快速での人身事故の多さに毎日ヒヤヒヤしていました。


 中央線快速で人身事故が起きると、並走(へいそう)している総武線各停に乗客が殺到(さっとう)し、各駅(ごと)に乗客が無理矢理(むりやり)乗り込もうとするので、30分位(おく)れる事もざらにありました。


 最悪の場合、三鷹(みたか)~千葉まで遅延(ちえん)する事がありました。


 総武線各停のあまりのすし()状態(じょうたい)から、(かた)を外す人や関節(かんせつ)(いた)める人が続出しました。


 小柄(こがら)華奢(きゃしゃ)な女性の方は、人混みに押し(つぶ)されて卒倒(そっとう)する時もあって、次の駅で緊急搬送(きんきゅうはんそう)される事が屡々(しばしば)ありました。


 遺体(いたい)の回収に時間が掛かるような人身事故が中央・総武線であった場合は、総武線各停のホームにいても列車内がぎゅうぎゅう詰めで電車に乗り込めない、(さら)に言えばホームが人で(あふ)れていて階段やエスカレーターでホームに行こうとしても進めない…。


 そして、改札口に人が押し寄せ、ホーム上で芋洗(いもあら)状態(じょうたい)になっている人々が、線路に押し出されそうになる頃には、駅員が改札の入場を制限(せいげん)振替輸送(ふりかえゆそう)の案内が流れます。


 すると、ホーム上や階段または改札付近にいた人々は、振替輸送乗車券を求めて一斉(いっせい)に改札口に向かい、有人改札には長蛇(ちょうだ)の列が出来ます。


 振替輸送乗車券とは別に遅延証明書も駅弁を売るような箱に入れて駅員が配り始めますが、その場合遅延証明書の方が早く配り始めます。


 多くの乗客は、遅延証明書より振替輸送乗車券を求めています。


 自分は、職務(しょくむ)上遅延証明書だけ(もら)えば良いのですが、長蛇の列の数メートル先に遅延証明書が箱の中に大量に置いてありますが、取りに行く事は自重(じちょう)しています。


 何故(なぜ)なら、振替輸送乗車券と遅延証明書は同じ列だからです。


「遅延証明書だけ下さーい」


 と、手を()げて箱に近付いても、長蛇の列にいる誰かが必ず、


「てめえ、ちゃんと(なら)べよ!」


「この野郎!こっちはずっと並んでいるんだよ!」


 と、罵声(ばせい)()びせ(うで)(つか)んできたり、(ひじ)打ちをしてくるからです。


 遅延証明書より15分位後に振替輸送乗車券が箱に入れられて出て来ますが、ほとんどの人はそれだけを取って走り去って行きます。


 先を急ぎたいという心理は誰しも同じですが、面倒(めんどう)な事に()き込まれるのは(いや)でしょうから、この場合は腹を()えて()つに限るでしょう。


 振替輸送を見送って復旧(ふっきゅう)するまで待つという選択肢(せんたくし)もありますが、復旧の目途(めど)が立たないというのを繰り返し放送されると、ホームで待っていても仕方がないし、とりあえず改札の外に出る方もいました。


 都市部とは反対方向の電車だけ動いていると、とりあえずそれに乗り込むという人もいましたが、それに意味があったかは不明です。


 2000年~2010年(平成12年~22年)までの総武線各停での出来事はこんな感じだったのですが、2011年~2015年(平成23年~27年)頃になるとまた様相(ようそう)が変わってきました。


 中央線快速での人身事故の多さもさることながら、中央・総武線でも人身事故が明らかに増えてきたのです。


 2011年には東日本大震災(だいしんさい)がありましたが、その影響(えいきょう)は都市部でも大きいものでした。


 この年には、大震災で亡くなった方が多数おられましたが、ホームから投身自殺する方も多くいました。


 特に月曜日の朝は、かなりの確率(かくりつ)でどこかしらの駅で人身事故が起きていたので、月曜日に出勤するのがとても憂鬱(ゆううつ)でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 中央線ってほんと人身事故多いですよね。 遅延もどうにかならないかな、と毎日のように思っちゃいます。
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