輪廻
「僕たちの出会いって運命だったのかな?」
「えっ」
突然、彼が呟くように言った。
「それともただの偶然だったのかな・・」
「・・・」
「そのことをずっと考えていたんだ」
「そうだったの・・」
「なんかそんなことが気になってね。考える時間だけは山ほどあるから」
「うん・・」
窓外の遠くを見ると、山々の樹木も少しずつ紅葉が始まり、早いものは落葉が始まっていた。また寂しい季節が始まろうとしていた。私たちの辛い心に追い打ちをかけるように・・。
「ありがとう」
「えっ?」
「君に最後に会えてよかったよ・・、ありがとう」
弱った体に力を込め、振り絞るようにして彼は言った。
「うん」
私はそれしか言えなかった。それ以上言葉を発すると泣いてしまいそうだった。
「もう、僕が僕じゃなくなってしまう前に、最後に君に伝えておきたかったんだ」
「うん、うん」
私は何度もうなずくことしかできなかった。
「病気は呪わしいけど、でも、君に出会えたことは奇跡だよね。そのことだけでも感謝しなきゃ」
「うん」
「君とももっと一緒にいたかったよ」
彼は私を見つめた。
「うん」
「また会えるかな」
「えっ」
「また会いたいんだ」
「うん、きっと」
私は彼の手を握った。
輪廻とか生まれ変わりとか、そういうのは分からなかった。そもそも変わってしまった者同士が変わったまま出会って、そこに今の感情が無くて、そこに出会ったということが、今の延長なのかというツッコミはあった。でも、また会えるという何かに今の私はすがりたかった。




