デリンの受難は続くどこまでも
気を取り直したデリンはレアに告げた
【貴族位の高いものから、次は第7将軍に近いものから その順で面会しよう】
【ただしレア 1日4人までだ】
【スクロールの開封はレアのみで行え】
【開封後は食事の用意がおわり次第、メイド全員で レアを助けよ】
【明日からバッツが通学する、用意は妻ウインが行え 以上だ】
レアと全メイド【かしこまりました】
デリンはメイドに続き執務室に入る
メイドに【今日はレアにつけ 退室を許可する、食事の準備ができ次第呼んでくれ】
そういって下がらせた
そして机の引き出しからこれまで調べた貴族の情報 爵位、相関が書かれた
スクロールを見る
そしてミドルディア到着前のアゲインを思い出していた
アゲイン
【入学式までに貴族の動静を事細かくご理解を、入学式が終わると貴族として行動を】
【学校は貴族しか入れませんのでね】
【バッツさんは特待生でしょう そうすると貴族の挨拶と称した派閥勧誘が行われます】
【あとお見合いもね】
その時は笑っていたが、、、、デリンが確認するとことごとく
”娘とご挨拶”と書いてある
爵位は貴族生活の根本でミドルディアに貢献したものほど爵位も高くなる
アゲインの実家からと書いたがアゲインの父デザイヤ パドーラ第7軍の将軍
彼より爵位が高いものは国王と大将軍のみとなっている
幸運なことだ、アゲインが来てくれなければ途方に暮れて失態を繰り返していただろう
などと考えていた 父デリン
スクロール整理がついたのであろう レアとメイドが戻ってきた
執事のレア
【まず面会者が名乗り、貴族就任のお祝いを受けます
その返礼は自分を貶めて相手の立場を良くするように】
【次に下に立ったご主人様を持ち上げる言葉が出ます】
【その返礼はミドルディア様への感謝と称賛をしてください】
【そのあとは 面会者もミドルディアさまへの感謝と称賛に同意します】
【それからお祝いの品が送られます】
【最後に身重の妻とバッツ様が幼年であることを告げ、貴族のお付き合いが不手際であることを面会者に告げください】
ここまでは何度も練習し対応したレアも問題ないとの評価だ
【ですがこれほどの量となりますと魔術学校での話がよほど関心されたのでしょう】
【ご息女を連れてこられたら、メイドにバッツ様をお呼びしてください】
【ご息女の紹介がありますので 必ずスクロールに記載してください】
【面会の最後には”必ずお力添えをお願いします”と申されますので】、
【”微力ながらお力添えします”とお返しください】
声のトーンを落としレアは話す
【主家の旦那様は武勇にはたけているものそういった点が少し至らないようで。。。。】
【なかなか お力添えをいただくことができません】
デリンは苦々しい思いでアゲインの言葉を思い出した
派閥勧誘は【微力ながら貢献させていただきましょう】 これで押し通す
当面ひたすら派閥勧誘と貴族の組織図つくりだ
返礼の挨拶は当初から
【面会者が多くご主人様は何もできないのでウイン様にお任せされるとよいでしょう】
とレアが言っていたのでその通りウインが貴族の面会に行っている
ウインは
【こちらには開拓者から子供の付き添いで来ました】
【主人はデリン アッパーディアの上級戦士学校におりました】と挨拶すると
遠回しに貴族の先輩の私に息子さんはどうして来ないのかと聞いてくる
そうすると
【息子バッツが3歳で全属性魔術師だそうです 学校へ入学までは幼年で手が離せず】
【失礼極まりありませんが自宅におります】
その時点でバッツ目当てに次の面会の予定を入れてくるので
【ミドルディア様のご恩でこうして貴族になり微力ながら力になりたい】と
挨拶するとその貴族が面会にい来る
これの繰り返しだ
自慢をしに貴族家を回るウイン これも何十回も自宅で練習しているウイン
バッツでなくても覚えれる
ウインは開拓者の癖でどんどん出歩くので順調に面会者が増えていく
バッツはひたすらだれかわからない女の子と毎日4人とお見合いだ
しかも自慢をしに貴族をまわり自宅でも自慢をしまくるとか、どんな性格の悪いやつでも
遠慮するものだ
しかし貴族とはこういうものだ
このときにバッツの
”お見合い嫌い”
”貴族嫌い”
”貴族挨拶嫌い”
はここが出発点だ
デリンが【アゲインのいった通りであったな】とぽつりつぶやいた
神無月からバッツの初級魔術学校の授業が始まる それまではこの生活はつづく
ひたすら面会と返礼 呼び出されるバッツ
怒涛の面会ラッシュの中、救いだったのはアゲインが最後の面会者で、愚痴っぽくなっても
笑い飛ばしてくれたことだ