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そら

作者: みつき

 下界は有象無象が犇めき合い、様々な喜怒哀楽が渦巻くというのに、此の空は日と雲しか存在しない。

 あの自由気ままに羽ばたく鳥ですら、空には決して届かない。

 此の広く青き空、何処から何処迄がその世界なのだろう。


 此処から見て何処からが空なのだろうと世界を見回すも、境界線も道標も何も無い。

 果てなき空の領域に、私の立つ地は塗り潰されてしまいそうだ。


 嗚呼、なんという事か。

 空を追うも掴めぬそれは、何者であろうか。

 嗚呼、空は何処に。


 嗚呼、空が、消えた。

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