生徒会長とのデート:前編
ついにこの日が来てしまった。生徒会長とのあの日が、
「ねぇめぐりさん?本当にばれないよね?」
「大丈夫よあなたなら、普通に可愛いわよ」
くそ!なんで間に合ってしまったんだ!こんなことなら部活なんてほったらかせばよかった!しかも日曜日だし、昨日出かけたばっかで疲れているというのに!月曜日でもよかったじゃないか!
「ほら、来たわよ生徒会長」
随分とおしゃれな生徒会長が来た。
「早く行ってきなさいよ。生徒会長が待ってるわよ?」
僕のことを笑いやがった!後で覚えてろよ。
「行ってくるね。めぐりさん」
僕は生徒会長の元へと向かった。
「ご、ごめんなさい!遅くなっちゃいました!」
生徒会長は驚いている様子。
「い、いや待ってないよ!全然!」
誰もお前のこと心配してないんだが、
「あれ?ほかの2人はどうしたの?」
そっか、本当は僕らが連れてくる予定なんだ。
「誠二君とめぐりさんのこと?」
「うん」
「あの二人なら生徒会長さんと二人っきりで遊んできなって言われて一人できました?私だけだと嫌ですか?」
やっべ生徒会長で遊ぶの楽しすぎる。
「全然大丈夫!むしろ二人っきりになれるなら大歓迎だよ!」
生徒会長さんは僕のことが好きとか全く趣味が悪いな。
「いや~やっぱりかわいいな~・・・」
ボソッと言うなよ気持ち悪い。
「あ、そういえば君の名前まだ教えてもらってなかったね。僕は一ノ瀬才気。よろしく。
さすがは生徒会長、僕と違って男だな。ってやば、名前聞かれちゃったよ。どうしよう。なんか適当に・・・
「私は斎藤真理といいます!よろしくお願いしますね!」
思い浮かんだ名前がそれしかなかった。ばれないよな?
「は~いい名前じゃん!」
大丈夫だった。
「さてと、ではどっか行きますか。真理さん。私が案内してあげますよ」
僕が本当に女だったら惚れてたかもしれないな。
「最初はここ!」
やってきたのはプールだ。プールは非常にまずい。水着を着なくてはならない。男用の服を着てしまうとすぐにばれちゃうし普通のビキニを着ていても胸が全然なさすぎてすぐにばれてしまう。こういうときのために持ってきておいて正解だった。すまんな妹よ。
「私水着持ってきてないよ?」
てかここからだめじゃん。
「大丈夫だよ。僕が持ってきてるから安心して、そんな過激な水着じゃないから」
安心できないんだよな~。
「はいこれ、僕は男だからあっちで着替えてくるよ。あぁ、真理さんの着替えてるとこみたかったな・・・」
おい、こいつ今さらっと変態発言しなかったか?
てか俺、このまんまだと女の方で着替えることになるんだけど、完全にアウトだよなこれ。
「ど、どうすればいいんだ」
立ち止まっているとそこにめぐりさんがやってきた。
「あなたこれからどうするのよ。男の方に行ってもだめ、女の方に行ってもだめなのよ」
それを今考えてるんだよ。どうすれば・・・
「仕方がないからこれを上げるわ」
渡されたのは変な薬である。
「私の知り合いに薬を作ることが得意な子がいるのよ」
へ~そうなのか。
「で、この薬の効果はなんなの?危ない薬にしかみえないけど」
「大丈夫よ安心して、その薬は男の大事なあれを一定時間なくすことができるの」
男の大事なあれってまさか・・・!
「それが無くなるってどういうことだよ!」
めぐりさんは俺の下半身に指を向けた。
「あなたは下半身だけ、か、下半身だけ・・・もう試してみなさい!」
僕は無理やりめぐりさんに飲まされた。すると徐々に効果が表れ始めた。
「う、な、なんだこれ、クラクラする・・・」
急に下半身がもごもごしだした。何が起きているのか全く分からない。もう立つことすらままならない。
「ちょ、ちょっと大丈夫?」
「これを・・・みて大・・・丈夫だとお・・・もうか?」
あ、ああもうだめ。
気を失ってしまった。
「あ、あれ?ここは?」
目を覚ますと見覚えのない場所に僕はいた。
「お、やっと起きたか」
生徒会長の声が聞こえる。
「プールの端っこで真理さんが倒れてるのを発見したからびっくりしたよ」
あ、そっか、僕はあの後気絶したのか、なんでこんな簡単に気絶するんだろう。
「生徒会長さん、鼻血出てるけど大丈夫ですか?」
「おおっとこれはいかん。失礼。女の子の肌を触るのが母親以外で初めてでね」
え、人生で母親の肌しか触ったことないとかどういうことだよ。
てか僕のこと女の子って言ったよね?
「あの生徒会長さん、私に変なものついてたりしますか?」
それに声もちょっとだけ変わったような・・・
「いや、特に何もついてないよ?急にどうしたんだい?」
おい、ウソだろ。マジで下半身のやつが無くなってやがるんだけどおおお!!?
「どうしたのそんな顔で、まるで男の娘が女の子になっちゃった的な反応して」
的がど真ん中すぎて生徒会長怖すぎるわ。
「そうだ真理さん。僕のことを名前でちゃんと呼んでください!生徒会長じゃなくてな・ま・えで!はいせーの!」
ちょっと待ってまだ心の準備が!
「才気・・・さん・・・」
「うっひょおおおおおおお!!」
てかなんだこの感情は、今までなかったぞ。
「最高すぎるよ真理さん・・・」