普通の生徒会長?
「わぐぅへ!?」
昨日の夜は死ぬかと思った。
「なんだったんだあれ・・・」
昨日の出来事を思い出してみるが、手紙に書かれていた名前だけが思い出せない。
「え~っと・・・」
床にあるかなと思っていたがどこにもない。
「なんでどこにもないんだ・・・いつか見つかるか・・・てか珍しくあいつがいないな」
あの居候幽霊の凛がいない。僕は一息つこうとしたがそんなことできなかった。突如扉が開かれた。
「お兄ちゃ~ん!早く起きて~ってあれ?ベッドの上にいない?」
僕はベッドの裏に隠れていた。あの邪悪な悪魔に見つかったら何をされるかわからない。もしかしたら殺されるかもしれない・・・
「お兄ちゃん、ゴキブリいるよ」
「ひぎゃぁああああああああ!!」
虫いやあああああああ!!
「嘘だよ」
・・・へ?まずい!罠にはめられた!
「えへへ、お兄ちゃん見~つけた。だめだよ~そんなところに隠れちゃ」
妹の殺意がいつも以上にやばい。
「わ、我が妹よ」
とりあえずなんか言おう!
「どうしたのお兄ちゃん?なに?私にいろんなこと教えてもらいたいって?もうしょうがないなぁ」
芽瑠が服に手を伸ばした。
「脱ごうとするな。そういう意味じゃないぞ」
芽瑠は落ち込んだらしい。よし!この勢いだ!
「うんじゃ殺してほしいの?私のものになりたいの?しょうがないなぁ!!」
こいつもうだめだ・・・
「芽瑠さん、あなたはなぜそんなに私を殺したがるんですか?最悪ですね。私の妹失格ですよ。もう近寄らないでください・・・」
これが妹のトラウマである。僕は一度こう言ってしまったのだ。そしたら妹が一か月くらい部屋から出てこなくなった。仕方がないよ・・・身の安全を守る方法だもの・・・ごめんよ・・・ってあれ?
「なに~?私なんか必要ない~?あはは!分かった!ここで自殺してあげるよ!!」
必要ないとは言ってないのだが・・・てかいつもの妹と様子が違いすぎる!ここで自殺させてはならない!部屋が汚くなってしまう!どうにかして止めなければ!!
「お、おい芽瑠、さっきのは冗談だ。僕は芽瑠のことが大好きだ!大好きすぎて全身の穴という穴から血が出てきてしまいそうなんだ!だからさ、その包丁しまってくれないか?」
なんだこれ、こんなんで妹が・・・
「うん!分かったよお兄ちゃん!」
・・・一件落着
急に学校の場面に移動。
「そこの誠二とやら、こっちにきなされ」
めぐりに呼ばれた。なんだ今のしゃべり方は。
「おいめぐりさん、昨日大丈夫だったか?」
「えぇ、全然大丈夫よ。それよりも・・・」
大丈夫なのか、よかった・・・
「二人で部活動結成でもしましょうか。あなた毎日どうせ暇でしょ?」
くっ、痛いところ突かれた。
「まぁそうだけど・・・」
「じゃやりましょうか」
いいか、妹たちに合わなくて済むし・・・
「この学校って勝手に部活動結成してもいいのか?さすがにだめだろ」
「よくわないわね、確か生徒会長に許可を得られなくちゃ部活動を結成できないとかなんとか」
げっ、あの生徒会長か
「生徒会長かぁ。あの人苦手なんだよね。僕」
めぐりはちょっとだけ嬉しそうに
「誠二君結構乗り気じゃない」
「は、恥ずかしいだろ!!」
生徒会室に着きましたー。はいおじゃましま~す。
「失礼します。用事があってきましタンバリン」
「入りたまえ」
スルーされて泣きそう。
「君たち、用事とは何だね?」
たちって、いつの間に隣に来たんだよ、めぐりさんよぉ・・・
「私たちは部活動結成をするためにここへ来ました」
さっすがめぐりさんだぁ・・・。僕にはこんなことできないよ。
「んで?その部活動の内容は?」
めぐりさんはそこまで考えてきてるんだろうな。
「何も考えていません」
は?
「君、今何と言ったかな?」
「何も考えていません」
「はぁ!?ばっかじゃねぇのかめぐr」
生徒会長は笑い出した。
「ははは!実に面白いぞ君!よし気に入った!部活動結成をここに認める!!」
ちょろ
「ほ、本当にいいんですか?生徒会長さん、こんな適当に決めちゃって」
「いいんだいいんだ、俺が気に入ったらそれでいいんだよ」
な、なんて適当なんだこの生徒会長は!ん?めぐりさん左手に紙みたいなの持ってるような・・・なんだ?小さい声だけどなんか聞こえたぞ?
「よかった、ただ台本を読んだだけなのに成功した・・・」
え
「君たち、部活動結成は認めるが試練を与えよう!」
し、試練それは一体!?
「その試練とは!!」
その試練とは!?
「この子を探してきてほしいんだ。期限は来週の月曜日までね」
渡されたのはめぐりさんと僕が女装した姿でベンチに座っている写真だ。
「いやぁとても可愛いだろ?この子、もう好きで好きで毎日夜も眠れないんだ!!スタイルも僕の好みに合っている!背が小さい!貧乳!この子のせいで僕は頭がおかしくなっちゃったんだよ!」
そんな人隣にいるじゃないですか。
「めぐりさんのことでしょう?いるじゃないですか、僕の隣に」
何を言ってるんだこの生徒会長は。
「違う違う、そっちじゃない、こっちの子のことだ」
生徒会長が指をさしたのはめぐり、ではなく僕の女装姿だった。
「は!?そ、そんな子この学校にいるかもわからないのにどうやって探せばいいんですかあはは~!」
「この学校にこの子は確実にいる」
ごくり・・・
「なぜなら・・・制服がこの学校の制服を着ているからなのだ!!」
そうだった。
「お疲れ様・・・」
ちょっとめぐりさん、僕の肩を優しくポンってやんないでよ、泣きそうになるだろ。いや、もう泣いてるけど。
「生徒会長さん、僕から最後に聞きますが変態ですか?」
「俺は変態ではない。ただ二次元のロリッ娘をこよなく愛する変人だ」
やべぇよこの人。
「生徒会長さん、この子を連れてこればいいんですよね?私たちが」
「ああそうだ。その子とお茶を飲みながら話してみたい。そのあとは一緒にデートして恋に発展してそして・・・」
そこまでの発展は絶対にしないです。妹たちが許さないです。その前に僕が断ります。
「無理やりにでも犯してやりたい」
これは妹必要っぽいな。
「そうだ、自己紹介がまだだったな。俺の名前は一ノ瀬才気だ。よろしく頼むよ。君たち」
よろしく頼まないでくださいお願いします才気さん。
「来週の月曜日だって、誠二君」
「土日月・・・すぐじゃないか!!」
今日合わせて四日しか期間がない・・・
「諦めてもいいですか?」
僕はもう嫌だった。何をされるのか分からない。あの幽霊に勝手に作らされたトラウマの思い出を思い出すだけで吐き気がする。
「大丈夫よ誠二君。私が付いてるから」
なんて頼りがいのある人なんだ!
「誠二君のこと、忘れないから」
前言撤回。
「見捨てないでよ!」
僕の怒った顔を見ためぐりさんは、
「あなた怒った時の顔普通にかわいいじゃない」
う、うれしくねぇ・・・
「てかどうするんだよ。月曜日までにどうにかしないといけないじゃないか」
めぐりさんはその質問を待ってました!というような感じで立ち上がった。
「誠二君、あなた明日空いてる?」
「あぁ、空いてるけど」
「なら明日私と一緒に最初の部活動をしましょうか。月曜日のために」
めんどくさいけど、まぁいいか。
「いいよ、どうせ暇だし。そうだ、この部活の名前はどうすんの?けっこう前から気になってたんだけど」
「この部活の名前?もう決まってるわよ」
なんだって!?
「聞かせて聞かせて!!」
「この部活の名前は・・・暇部!!」
めちゃくちゃ適当じゃないか。
「なんだよそれ、ひどすぎるぞおい」
「だって私は暇が一番なのよ・・・」
・・・そうか。
「そうだね、暇が一番だよね。ってもうこんな時間じゃないか!じゃあまた明日!」
「さようなら・・・」
思い出したくても思い出せない!なんだこのもやもやは!腹立つ!!
家にやっと着いた・・・
「誠二・・・」
母が僕の帰りを温かく迎えて・・・
「後でリビングきなさいね?」
くれることはなかった。
「・・・」多すぎませんかね・・・?