原因は幽霊
皆様おはようございます。
「おはよう誠二君。」
声をかけてきたのは幽霊の女の子。僕が女のことを嫌いになった原因だ。
「なんだお前。早く成仏しろよ。」
「冷たいなあ誠二君は、私はあなたのことをこんなに好きだというのに、帰って来た時女装してたじゃん?いやぁマジかわいかった。色々やってあげたかったよね。」
その色々はあまり詳しく聞かないことにしよう。
「いつまで僕と一緒に居る気なんだ?」
「あなたが死ぬまで。」
いやだ!僕はこんなやつと一緒に居たくない!
「あのなぁ。僕はお前のことを怖がってるんだ。ほらみろよ、足を、めっちゃガクガクしてるだろ?」
僕がベッドから降りて立つと、足がめっちゃ震えていた。
「うわぁお。めっちゃ震えてるじゃん。そういうのがいいんだよね。うん。」
妹早く来てくれ!助けてくれ!このままじゃ・・・!
「おっはようお兄ちゃん!って、なんか隣に女がいるんだけど。」
あっ!やっと来てくれた!こういう時はほんと助かる!
「あら、妹ちゃんじゃないですか。おはよう!」
妹はナイフで切りかかろうとするが全部すかしてしまう。
「早く私のお兄ちゃんから離れろ!この変態が!」
僕はあなたのじゃありません。
「は?何言ってんの?こっから離れるわけないじゃない。それに誠二君はあなたのじゃなくて私の!」
2人が喧嘩をしていると、ドアがノックされた。
「うるさいわよ?早く下に来てご飯食べて学校行きなさい。」
はーい。僕は喧嘩する二人を置いてリビングへと向かった。
「行ってきま~す。」
今日は芽瑠が一緒じゃないから清々しく登校できる。だがしかし、その平穏は突如として失われた。
「誠二君じゃない。昨日振りね。」
同じ角でばったりとめぐりに出会った。
「どうもで~す。」
僕は適当に返事をした。
「で、誠二君、記憶はどうな・・・」
僕はめぐりが言おうとしたことを遮った。
「き、今日の朝飯なんだった?」
「ん?朝ご飯?今日はさんまにご飯に味噌汁よ。」
ふぅ、よかった・・・
「へ~そうなんだ。」
話題は元へ戻る。
「誠二君記憶は思い出した?」
もうこれは死んだ・・・
「ごめん!まだ思い出せてないんだ!たぶん僕の記憶は書き換えられてるんだと思う。」
根拠はないのにそんなことを言ってしまった。
「誰に書き換えられているの?」
そ、それは・・・
「私だよ!」
・・・え?
「私が誠二君の記憶を書き換えたんだよ!」
は?
「おい、凛、それ、本当か?」
聞いてみる。
「本当よ!私がウソついたことなんで今まで一度もなかったでしょう?」
めぐりが首をかしげて、
「あなた、誰と話しているの?」
そうだ、こいつは俺と妹と母しか見えないんだった。
「そっか、お前には見えないんだな。今隣にいるんだが、そいつは凛といってだな。僕の記憶を書き換えた張本人さ。」
「・・・」
これはまずい。早くなんとかしなきゃ。
「め、めぐりさん!大丈夫だよ!ちゃんと思い出すから!ね?ってあれ?様子が変だぞ?」
めぐりはふらふらしている。僕は言ってはいけないことを言ってしまったんだな。と思ったが違かった。めぐりはその場で突然倒れた。
「だ、大丈夫?めぐりさん?」
返事がない。僕はめぐりを抱え学校まで走った。
「はぁはぁ・・・」
もう疲れた・・・
「めぐりさん急に倒れたんですけど、これはどういうことですか?」
保健室の先生に聞いてみると、
「この子は吸血鬼なの。だから日光に当たりすぎて体調を崩しちゃったんだと思う。」
きゅ、吸血鬼だと!?そんなの一度も聞いてないよ!
「吸血鬼なんですか!?」
「そうよ。吸血鬼、もしかしたらあなたも血吸われてるかもしれないわね。気づかないうちに。」
でも僕は・・・。
「半人半宇宙人ですからそれはないと思いますね。僕の血はまずいって有名ですし。僕の血を好んでやってくる人なんて100万分の1ぐらいの確率ですよ。」
保健室の先生は驚きもせず、
「吸血鬼でも嫌いな血はあるわよね。」
といった。
僕は半人半宇宙人。母が宇宙人で父が人間である。父と母が出会った理由は母が地球に不時着したときに目の前には父がいたらしい。どんなアニメの展開だよ。そして付き合い、結婚し、子供が生まれた。三兄弟だ。一番上が長男の隆二である。こいつは父の血をたくさん受け継いだらしく、超能力、テレパシーなどが使えないらしい。次に生まれたのがこの僕。僕は母の血をたくさん受け継いでるから超能力、テレパシーなどが使える。そして最後に芽瑠。芽瑠も僕と同じように母の血をたくさん受け継いでいる。あとは同じだから説明いらないよね?これが咲芽家の家族です。
変なところで説明を入れてしまったが気にしないでくれ。
僕は教室に戻った。
~昼休み~
僕は保健室へ向かおうとしたが猛に止められた。
「誠二こっちこい!」
「なんだよ猛、今から保健室に行こうと思ったんだぞ。」
僕は猛のところへ向かった。
「これを見てくれ。」
猛から渡されたそれは写真だった。
「な、なんだよこの写真は・・・!」
その写真に写ってたのは女装した僕とめぐりが写っていた。
「どうだ誠二、お前有名になってるぞ。ってうわ!!」
僕は猛のことを押し、保健室へと向かった。廊下にはたくさんの写真があった。それを全部はがし、くしゃくしゃにした。めぐりが馬鹿にされるのは嫌だった。僕は女のことが嫌いなはずなのに、なのにどうして僕は頑張るんだろう。僕が保健室へ戻ると、めぐりは起きていた。外を眺めているようだ。
「めぐりさん、起きてたんだね。」
僕の声を聴いたからか、めぐりは振り返ってきた。
「おはよう誠二君。ありがとう、あなたがいなければ私は死んでいたと思うの。」
そんな大変だったのか・・・
「こちらこそごめん。君が吸血鬼だってこと知らなかった・・・」
僕は頭を下げた。こんな小さなことなのになぜ僕は頭を下げる?その問いかけに自分自身は答えてくれない。
「あなたが謝る必要はないわ。」
大事な話があるんだった!
「めぐりさん!僕たちがベンチに座ってたる写真を学校にばら撒かれているんだ!」
めぐりはなぜか嬉しそうに微笑んでいる。
「そうなのね。」
早くしなきゃ!
「僕学校の中にあるやつを全部取りに行ってくるから!そこで寝ててね!」
僕はまた保健室から勢いよく走った。
「あなたは私のことを思い出してくれてるのね。」
めぐりは孤独にぽろぽろと涙を流していた。
学校からその写真はなくなり、犯人も見つかった。これで1件落着・・・
「早く家帰ろ・・・」
僕が昇降口から出ると、そこにはめぐりがいた。
「一緒に帰りましょうか。誠二君。」
とても懐かしい香りがした。懐かしいなんてなぜ分かるのだろうか・・・
「ただいま~」
僕が靴を脱ごうとすると、
「おっかえり~お兄ちゃ~ん!」
妹が出迎えてくれた。
「ただいま。どけろ。」
「全くもう~お兄ちゃんは冷たいな~。」
芽瑠は僕に掌を見せてきた。その上に乗っかってたのは・・・
「いや~!!バッタ~!!」
僕は妹を突き飛ばし、そのまま走って自分の部屋へと逃げた。
「はぁはぁ・・・疲れた・・・」
家に帰ってきてもこんなことがあるのか・・・
僕は押し入れの中にあるおもちゃ箱を取りだした。
「懐かしいな~。お父さんにわがまま言ってたな~。」
おもちゃ箱の中を探っていると、1枚の紙を見つけた。
「なんだこれは?誰かからの手紙なのか?」
僕はその手紙を読もうと思ったが所々穴が開いてたり汚れたりしていて読めない。だが名前の部分だけはきれいだった。
「え~っと名前は・・・」
『しんざきめぐりより』
これを見た瞬間、急に頭痛が発生し、僕は倒れてしまった。
(゜∀゜)アヒャ