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僕の記憶を戻すため。  作者: ゾロメ
プロローグ
2/9

虫嫌い

昨日はひどい目にあった。

屋上から落とされたかと思ったらまさか女に助けられるとは思いもしなかった。

苦手なのに。

「お兄ちゃん起きて~!」

なんかお腹あたりが重いな。

目を覚ますとそこには・・・

「起きたね!お兄ちゃん!」

カッターを持っている妹が僕の上に乗っかっていた。

「あのさ、邪魔なんだけど」

「そんなこと言っていいのお兄ちゃん?私はいつでもお兄ちゃんのことを殺せるんだよ?」

「そうですね~」

僕が適当に返事すると、妹は顔を真っ赤にして。

「お兄ちゃんは私のものだからね!殺しちゃってもいいよね!」

なにいってんだこいつ。

「いや、お前のものじゃないし殺したらだめだから」

妹が隠していた左手を見せてきた。

「ちょ、ちょっと待ってよ。そ、それはやめて!!」

その左手にはカマキリがいた。

僕は虫のことが泣くほど嫌いなのである。

「ねぇお兄ちゃん。お兄ちゃんの顔にこのカマキリ乗せてもいい?」

僕は泣き叫んだ。

「うわぁ!!やめてぇ!!乗せないでぇ!!」

僕の顔を見て妹は「お兄ちゃんもっとその顔見せてよ!!」

こいつ変態だ。

「どうしたの?」

お、お母さんがやっと来てくれた!!

「ママァ!芽瑠メルが僕のことをいじめてくるんだよ!!」

僕は母に抱き着いた。

「あらあらどうしたの?芽瑠に何されたの?」


僕は今までのことを話した。

「芽瑠。ちょっとやりすぎなんじゃないの?」

芽瑠とは僕の妹のことである。

「だってお兄ちゃんが可愛いからいじめたくなっちゃって」

「それなら仕方がないわね」

ちょっとお母さん!?

「ていうかあんたたち。学校間に合う?」

あ、すっかり忘れてた。


「行ってきま~す!!」

僕と芽瑠はパンをくわえて家を出た。

「や、やばいよお兄ちゃん!このままじゃ間に合わないよ!!」

こいつ僕にテレパシー送りやがった。

「おい芽瑠、あんまりテレパシー使うなって言われてるだろ?」

「そ、そんなの気にしてる場合じゃないでしょ!」

僕が角を曲がったとき、ほかの人とぶつかってしまった。

これはいらないフラグだな。

「いてて、ごめんなさ・・・」

顔を上げると・・・

「めぐりさんじゃないですか」

昨日僕を屋上から落としたくそ野郎がいた。

「あら誠二さんじゃない。隣の女の子は誰?」

説明しようとすると、芽瑠はバックの中からカッターを出してきた。

ま、まさか・・・!

「めぐりさん危ないですよ~」

めぐりもバックからカッターを取り出していた。

「めぐりさん、なんでそんな物騒なもの入ってんの?」

質問するが今はそれどころじゃないらしい。

「あなたは私に確認をせず勝手にお兄ちゃんにぶつかりましたね?」

「いやいや、今のは偶然でしょう?私は何も悪くないわ」

・・・もうこいつらおいて先に学校行こう。


「よ!誠二!お前珍しく遅かったな!」

僕はギリギリ間に合った。他の2人は間に合わなかったらしい。

「朝色々あってね。あはは」

ピンポンパンポーン

「咲芽芽瑠さん、咲芽誠二さん、職員玄関までお越しください」


「誠二弁当忘れてるぞ」

「サンキュー兄貴」

僕と芽瑠は弁当を家に忘れていた。まだ芽瑠は来ていない。

「おい誠二、朝芽瑠と何があった?」

やっぱりこの質問来るか・・・答えをミスると家で大変なことになっちまう。

「ただ芽瑠に勉強教えてただけだよ。」

・・・これは完全にミスった。

「お前家帰ってきたら処刑な」

あ~家帰りたくねぇ。

「ごめん遅くなった!」

「我が妹よ!!弁当を持ってきたぞ!俺からのプレゼントでゼリーも入れといたからな!!」

こいつ僕には厳しいのに芽瑠に優しいとかおかしいだろ!「このシスコン野郎がぁ!!」

「シスコンで何が悪い?お前はマザコンだろ?」

「うるせぇ黙ってろ!!」

僕と兄貴が喧嘩をしていると、芽瑠が

「おい隆二りゅうじ。お兄ちゃんのことを侮辱したな」

あ、芽瑠にスイッチ入った。僕は二人を置いて先に教室に戻った。


~昼休み~

「一緒に弁当食いません?」

エルフさんが僕のことを誘ってくれたのだが

「あら、私が先に誘ったのよ?邪魔しないでくれる?」

なんで転入してまだ二日目なのにこんな馴染めてんだよ。

「僕あんまり女の子と飯食うの好きじゃないからごめんだけど他探してくれ」

そういって逃げようとするが二人に肩を摑まれ、

「「いいから」」

無理矢理連れてかれた。


「やっぱり屋上は景色がいいですね!そう思いませんか?誠二さん?」

僕にとってはこんなところもうきたくないのだが、

「ねえもう戻ってもいい?猛と一緒に食う約束してたんだけど?」

ウソをついて立ち上がろうとしたが肩を摑まれ。

「「そんなハゲどうでもいいから」」

可哀想に猛・・・

「誠二君って女装似合いそうよね」

あ、やばいトラウマが・・・

「そうですね!私の服でも着させてみますか?」

「や、やめろ!僕はもう女の服なんか来たくないんだ!!」

昔のトラウマがよみがえってくる。

ああもう無理耐えられない。

僕は倒れそのまま気を失ってしまった。


・・・!?

「大丈夫か誠二?」

僕が起きた時に一番びっくりしたこと、それは・・・

「な、なんだよこの服!!」

この学校の女性服を何故か着ていた。

「俺は態勢あるからいいけど他のやつが見たら・・・」

何が態勢だ!!てかこの犯人あいつしかいないだろ!

「猛君、エルフさんを呼んできてもらってもいいですかな?」

「あいよ」


「エルフさん、あなたもしかして私のパンツ見ました?」

「はい、見ました」

それはいい、いいのだが・・・!

「僕の制服はどこですか?」

エルフは僕の顔を見て、

「妹ちゃんに制服は渡しちゃいました」

このまま帰るしかないのか・・・


「あれ?もしかして僕のこと気づいてない?」

男からの視線がエロイ。

僕は完全に女と勘違いされてるらしい。

「これから女で生きていったらいいんじゃない?」

「嫌に決まってんだろ!」

僕が大声を上げたせいで周りの視線が僕に集まる。

恥ずかしい・・・

「あ、カマキリだ」

え!?

「キャー―――!!虫イヤー――――!!」

僕は女装すると女っぽくなってしまう。

「何今の声。普通に可愛いんだけど」

「めぐりさん何言ってんの!?」

このまま帰るなんて恥ずかしすぎるんだけど!

「いいじゃない普通に似合ってんだから、てかこの服エルフさんのなのよね?誠二君興奮しないなんて男っぽくないわよ」

「そうですよ誠二君!異性に対しての気持ちがないなんておかしいですよ!」

だから僕は・・・

「女の人が嫌いなんだよ!!昔のトラウマのせいでね!!」

「どんなことがあったの?」

「しょうがないな。話してやろう・・・」


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