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2話

 それじゃあ行こうか、と言われ目を閉じる。瞬間、空気が、音が、匂いが、わっと溢れ出した。びっくりして目を開けた。


 目の前にはレンガの壁。…なるほど、この世界にはレンガがあるんだな。


『変なところに感心しないで通りに出てね。』

「あ、ごめん。」


 神様、現在は私の中に入ってるらしい。実感ないけど声は聞こえるし、黙っていても会話できる。


 人気のない建物の隙間からそろりと抜け出した。何事も無かったかのように通りを歩く。パッと見はあれだ、昔のヨーロッパ系とかファンタジーな町並みだ。行き交う人も彫りの深い外国人ぽいし。ここは大通りのようで石畳が真っ直ぐお城まで続いている。お城でっかいなぁ。あ、途中に噴水がある。行ってみよう。


 てくてく歩いていくと目を見開く人や振り返える人が沢山いた。どうせ行くならとインドの踊り子のような服にお団子頭をリクエストしたからか。こういうコスプレしてみたかったんだよね~。露出の少ない格好の人ばかりなので、浮いているな。


 噴水の広場に着いた。噴水の底は綺麗なアクアブルーで水の影がゆらゆらしている。噴水もいくつもの吹き出しから水飛沫が交差して綺麗だ。よし、ここはお気に入りの場所にしよう。早々に決めて噴水の真っ白いカーブの縁に座った。海外旅行に来たみたいで人間観察は楽しい。あぁ、本当に違う世界に来たんだなぁ。


 さて、神様にこれからどうするのか尋ねると、役所に行って身分証を作ろうということになった。作れるんだね身分証って。お金はかかるけど、そこは神様だから大丈夫らしい。流石!太っ腹!


 神様保障というか補正で言語問題もないようだ。聞こえてくる言葉もちゃんと意味がわかる。まだ世界のために使うことがない神力はいくらでも使ってもいいそうだ。早速、その辺の人をつかまえて道を尋ね、役所へ向かった。


 役所の窓口で身分証カードを受け取る。私の名前は[エメラルド]とした。もちろん本名ではない。


 この世界の人間は生まれた時に神様の祝福を受ける。それは一人一人違うもので見えない印となって体に残るそうだ。それを身分証に転写させて個人を判断するんだって。異世界人の私はそんなのないから焦ったが、祝福する本人がいるんだから何も問題ないと神様が説明してくれた。


 機器に手を置き、転写が始まる。身分証に転写される様は美しかった。七色の細い線が蔓のように伸び、複雑な模様が描かれながらやがて円形となった。担当の事務員さんは親切で、申請手続き以外にも私が今日初めてこの国に来たことを知ると宿泊先を紹介してくれた。


 紹介されたの宿屋に行き、しばらく泊まる分の料金を前払いした。やっと落ち着いたので今後について話し合うことにした。


「申請した通り薬を売ります!薬はどうしようかな。神力で何とかできる?」

『物や液体に効力を付けることは可能だよ。ただ、大病や大怪我を治すような強力なものは世界に大きく干渉することになるからできない。』

「大丈夫、考えがあるから!」


 どんな効力にしようかなあ。ワクワクしてきた。


『任せるけれど、その黒い笑みはしまっておこうね。』


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