第一章 プロローグ
今から3年前…
パシャ パシャ パシャッ…
「Ayanaさん話を聞かせてくださいっ!!」
「相手の方に失礼だとは思はないんですか?」
カメラを構えて我先にと「Ayana」と呼ばれたまだ14歳とおぼしき少女に質問する。
すると一人のアナウンサーがきになるひとことを発した。
「一之瀬家の方々の顔に泥を塗る行為だとは思わなかったんですか!?」
彼女の隣のマネージャーが、唯一その質問に反論しようと口を開くが彼女がマネージャーを片手で制しその頭を深く下げ、
「一之瀬家は関係ありません。これは私一個人の問題、皆様に迷惑をかける前に準備ができ次第私は芸能界を引退します!」
「ザワッ…」
「これは大ニュースだ!!人気女優Ayanaが引退を発表、編集部に今月の一面はこれに変更と連絡しろ!!」
その少女、Ayanaの一言で周りを囲んでいた者たちは一斉に動き出した。
その傍ら
に立っていたマネージャーは、こうなることがわかっていたかのようにその少女を哀願の目で見ていた…
「であるからして、この式はこう成り立つ。では、この問い1を…出席番号二番は一ノ瀬だな、じゃあ一ノ瀬でてこい」
シーン…
「一ノ瀬!一ノ瀬起きろぉぉ!!」
彰 side
私はいつものように、暇な授業の時間を寝て過ごしていた。そうしていると、隣の席の紗代ちゃんが小さな声で起こしてくる。
「あきちゃん、あきちゃん!あきちゃんが寝てるから先生怒ってるよ。」
私は席から跳ねるように立ち上がると黒板に向かっていった。先生は若干こめかみをひくつかせながら、それを理性で押さえつけるように口を開いた。
「一ノ瀬この問1をといてみろ」
カッ、カッカッカッ
と黒板にどんどん書いていく。
普通なら普段寝ている生徒がすらすらと答えを書いていったらおどろくところだが、みんななれたもので彰の手をただ静かに見つめる。
「先生できました。」
私はしばらくするとそう言って、早々と席に戻っていった。