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異世界生活奮闘記  作者: 百万回自殺した猫
一章 冒険者入門編
6/11

偵察者を討て


 今後のことを考えると、やはり街へ行くべきだろう。

 俺はそう考え、山越えをすることにした。

 小さな山だが一日で超えるのは無理だ。

 山頂付近には行けそうだ。

 一日かけて、山頂を目指すか。

 寒いかもしれないけど。

 大丈夫だろ。


「俺は寒いのは平気だけど…妖精女王お前は大丈夫なのか?」


「ご主人様は私の七色の光を見ても何も思わないんですか?」


「おしゃれ、か?」


「違います」


 じゃあなんだ、と聞いてみた。

 妖精女王は軽いため息混じりで説明し始めた。


 いいですか? 魔術には属性があります。

 その属性は


 通常属性:炎、雷、地、風、水、無

 特殊属性:空(間)


 この七つです。

 そして属性には色があります。

 

 炎は赤、雷は黄色、地は茶色、風は青、水は水色、空は白色。

 

 こうなってます。

 妖精は使える属性の色を体から放ちます。

 七つの光を放ってる私は全属性を使えるということです。

 炎魔術は当然使えますから、

 どんな寒いところに行っても暖めることができます。


「そうなのか。お前すごかったんだな。

ペットとか思ってて悪かったな」


「そんなこと思ってたんですか? まあご主人様が馬鹿なのは今に始まったことじゃないですしね」


 馬鹿って…。

 まあそうだけどな。

 主人に対する礼儀を学んだほうが良いんじゃないのか?


「とりあえず登りましょう」


「そうだな」


 山登りは楽じゃなかった。

 モンスターは出るし、足場は崩れるし。

 修行場かよ。


「どうだ? 俺、強いだろ」


「そんなこと言ってるとその内足元をすくわれますよ」


「……ああ」


 モンスターを倒したところで妖精女王にそう言ってみたけど、

褒めてくれなかった。


「暇だな」


「…どうやら暇は潰せそうですよ、あそこを見てください」


 指を指したところを見ると人が二人いた。

 一人はローブを着た魔術師っぽいやつ。

 一人は剣を持ってる剣士っぽいやつ。

 体格は違うけど、共通して眼が青い。

 

「なんであれで暇を潰せるんだ?」


「ご主人様の目は節穴ですか? 目が青いのは魔人に決まってるでしょう」


「魔人?」


「魔人とは四天王と呼ばれる者達を中心に作られた組織の戦闘員通称です」


 怪しい組織だな。

 その組織は現在、北の大陸を制圧中だという。

 恐ろしいな。


「で、その魔人が何でここに居るんだよ?」


「分かりませんよ。とりあえず倒しといたほうがいいですよ」


「なぜ?」


「放っておいたら何が起きるか分からないからです」


「なるほど」


 人型モンスターだと思えばいい。

 ゴブリンを殺せて、あいつらを殺せないなどというのは無い。

 討伐。

 殺人ではなく、討伐だ。狩猟だ。

 

「おまえら、魔人だろ?」


 話しかけると魔人達は驚いた表情で振り向いた。

 

「人間か…。その通り、我々は魔人だ」


「お前たちはここで何をしてる?」


「偵察だ」


 北の大陸を侵略してるらしいから、この土地も侵略するのか?

 人類を救う英雄になるつもりはないが、倒しておくか。

 この世界の人間には会ったことないけどな。

 lvも上がるかもしれないし。

 

 いやまて。

 こいつらは偵察に来てる。

 偵察なら危害を加えることはないだろ。

 侵略してきたときに倒せばいいんだし。

 どうするか。


「ここで俺がお前らを倒すといったら、どうする?」


「構わん。返り討ちにするだけだ」


「そうか。お前ら死ぬことになるが問題はないな?」

 

「無い」


 同意も得たし、殺すことにするか。

 俺は血に餓えてるからな…。

 何てな。冗談だ。


「それじゃあ行くぜ」


 お互い戦闘態勢に入る。

 するとlvが出てきた。


 魔人カロン lv59

 HP――――――

 100/100

 MP――――――――

 200/200


 魔人レイ lv60

 HP―――――――――

 400/400

 MP――――

 50/50

 

 紅葉 lv99

 HP―――――――――――――――

 600/600

 MP――――――――――――――――――

 680/680

 

 妖精女王 lv制限無し 隷属状態

 HP制限無し・主人死亡と同時に死亡

 MP制限無し・主人と魔力を共有

 

 妖精女王のステータスに変動があるな。

 …ちょっと待て。主人死亡と同時に死亡!?

 責任重大だな。


「魔人たちlv高いな…」


「lvってなんのことですか?」


「レベルのこ…」


 見えてるの、もしかして、俺だけ?

 ちらりと横を見てみると。


 妖精女王は哀れみの目でこちらを見ている


 ぐわあ。

 何でもない、と話を打ち切り魔人と向き合う。

 魔法使いの格好をしてる奴がカロン。

 剣士の格好をしてる奴がレイ。

 

 妖精女王とカロンが戦う。

 俺はレイと戦うことにした。

 

「そんな短剣で戦うつもりか」


「これ結構役に立ってるんだ」


 岩をも両断する短剣をバカにされた。

 あいては大剣だが、何とかなるだろう。

 ならなかったら、ならなかったで何とかなる。

 そう考えれば気楽になってきた。


 レイは前振りもなく、大剣を振り下ろした。

 俺は後ろに下がって躱したが、大剣は地面をえぐった。

 地面が揺れてる。

 どんな剣だよ。


「なんだよ、その剣!?」


「…」


 回答は無しだった。

 それなら倒して手に入れるまで。

 怖いけどな。


「うおおおおお!」


 叫びながら、接近する。

 ある程度近づいた瞬間、レイが大剣を振り下ろした。

 俺は短剣で受け止める。


 ビイイイイン、と振動が伝わってくる。

 強さはなぜか互角だ。

 物理的に大剣の方が強いのに、だ。


「あれ?」


 気が付けば、レイの大剣は砕けていた。

 短剣、強いな。

 レイなんて呆然としてるし。

 お、今のうちに殺しておくか。


「えいっ!」


 短剣をレイの心臓に投げた。

 俺の心拍数はすごい上がってるが、命中した。

 心臓から血を流して、レイは死んだ。


 妖精女王も魔人カロンを倒していた。

 何故か魔人カロンの体から内臓が飛び出していた。

 グロいし吐き気がする。


 急いで、山頂まで登る。

 夜になってやっとたどり着いた。

 後は下山するだけだ。



評価50ポイント突破。

ありがとうございます。

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