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異世界生活奮闘記  作者: 百万回自殺した猫
一章 冒険者入門編
1/11

プロローグ~~絶望の修学旅行~~

 俺の名前は藤澤紅葉。現在中学三年生。

 クラスメイトにも親にも無視されてる孤独な男だ。

 虐待されてる。

 俺はそう思ってる。

 しかし屈してはダメだ。

 やるべきことをしっかりやっていれば何とかなる。

 この世は金だ。

 金さえ稼げれば、生きていける。

 稼ぐために必要なのは、考える力と己の肉体。

 やられたらやり返すのでは無く、常に低姿勢で。謙虚に腰低く。

 多く稼がなくていい。

 暮らせるだけのお金を少しづつ。

 それさえ出来てれば、後は野となれ山となれだ。

 

 まあ…ここから生きて帰れればの話だがな。

 俺は修学旅行で山に登っていた。

 全員俺のこと無視するから一番後ろでこそこそと登っていた。

 まあ少し危なっかしい断崖絶壁の所を登ってたわけだ。

 みんなは友だちと助け合いながら登っていった。

 俺だけ一人で登ってた。

 足を滑らせて転落したわけだね。

 あっという間に夜になった。

 救助隊がこない、食料がない、怪我してるのに包帯がない。

 ない、ない、ないの三拍子だ。

 これじゃあ命がいくつあっても足りない。

 俺がいなくなっても気づかないんだろうな。

 救助隊が来るわけない。

 俺の人生ここまでかな。

 

 思えば短く不幸せな人生だった。

 小さな頃から無駄なことばっかりやってたな。

 それで周りの奴らと離れていって親からも見捨てられた。

 思い返すと酷い内容だな。

 少し腹が立ってきた。

 なんで俺怒らなかったんだろう。

 ここで死ぬなら怒っておけばよかった。

 沸点が高かったからな。

 怒っても何かが変わるわけじゃない。

 …死ぬ間際になるとくだらない考えばっかり出てくるな。

 

 それに恋愛ぐらいはしてみたかったな。

 いくら俺でも人並みの感情は持っている。

 残念なことに俺は人並みのことをやれないまま終わりそうだ。

 あと数日もすれば俺は死ぬ。

 死ぬのは怖い。

 だがこの世界で生きてても良いことはない。

 俺に牙を向けるこの世界。俺には合わない。

 

 死んだらどうなるのか。

 死後の世界なんてところに行くのだろうか。

 天国か、地獄か。

 どっちだろうな。

 あまり良いことをした記憶はない。

 きっと地獄だろう。

 

 「……雨だ」


 雨が降り始めた。

 恵みの雨か。

 涼しい。

 喉も潤されることだろう。

 健康的ではないが。

 あいつら(クラスメイト)め、白状にも程があるだろう。

 

 雨はどんどん酷くなっていく。

 雨が止むのを待ってる間上の方から声がした。

 きっと雨が降ったから帰っていくクラスメイト達だろう。

 大声で叫んでみた。

 しかし丁度雨がさらにひどくなって、雨音に声はかき消された。

 崖の岩とかが雨のせいで崩れそうになってやがる。

 土砂崩れってやつか。

 やばいな。

 

 (崩れた…!)


 俺は土砂崩れに巻き込まれて死んだ。

 体の骨が折れて、潰れて死んだ。

 

 ――――俺はこの日のことを忘れない。


 

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