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Terra  作者: 海星
3/16

学校とスパイ

「おはよー宇空」

「お、おはよう」

「おはっ、星也! あとで宿題見せてくんない?」

「あ、うううん。いいよ」

星也は、さっきから緊張しぱなっしだった。


 さかのぼること三十分前。いつも道理の時間に家を出た星也の目の前に、テラが飛び出してきた。

「さあ! 学校へ行くわよ」

 本当は置いていきたい気分で一杯だった星也は、テラの姿を確認した途端にげんなりとした。

「で、どうやっていくのさ」

「それは着いてからのお楽しみ」

そう言いながら片目をウィンクする様子はずいぶんとかわいらしいものだったが、それでも星也の憂欝な気分を追っ払ってはくれなかった。

 かばんからリストバンドのようなものを出し、両手両足に取り付ける。黒くて角ばっているそれは、反重力装置だ。アナログな自転車よりも乗りこなすのにコツをいるものだが、完璧に操れるようになればこれ以上にたのもしいものしいものはない。どんな高い所にもいけるし、走っている時の乗り心地は格別だ。

 星也はテラをどうやって連れて行くか悩んでいたら、テラも同じ白いものを取り付け始めた。

 驚く星也を見て、クスリと笑いながらテラは言う。

「昨日、帰る途中で見つけたのよ。帰りは別行動だったでしょう?」

 たしかに、昨日の帰りは別行動、というよりは星也は置いていかれてしまっていた。

「練習もして乗れるようになっているわ」

 その言葉を聞いて、乗れるようになるまで頑張って練習して一カ月かかってしまった星也は泣きそうになった。

 まあ、わざわざテラを連れていくために遠回りをせずに済んだので、ポジティブに考えとこう、と星也は思うことにした。


 ここまでは、別にいい。問題は、学校の敷地に入るところからだ。

 テラと星也は、星也のことを知っているひとに見つからないように、裏山に降りた。

 環境保護法が世界中に広まっているおかげで、減り続けているとは言えまだたくさんの自然が残っている。

 裏山には木がたくさんあり、所々に虫などの生き物もいた。

 反重力装置を取り外してかばんに入れた後、星也はテラを振りむいて言った。

「さあ、この先は姿を隠さないと不審に思われる場所だよ。どうするんだよ」

するとテラは、待ってましたとばかりにかばんの中から一つのカメラのようなものを取り出した。その様子は、二〇〇〇年代にはやったドラえもんというアニメに出てくるドラえもんのようだ。

「意識遮断機ー」

テラは機械を大きく掲げてそう叫んだ後、手元に戻して何かを求めるかのように星也のことをじっと、子供っぽい目つきで見てきた。

 ここでどういう反応を見せなくてはいけないかわからないほど、星也は馬鹿ではない。

「……どうやって使うの?」

テラは、またもや待ってましたとばかりに話し始める。

「えっと、これに並んで移ります。まわりから目立たないようにしたい人は、このリモコンでシャッターを押す役目をします」

 そう言いながら、カメラを設置した。設置したといっても、カメラスタンドを使っているのではなく、指定した場所に浮かばせている。この技術は、まだ日本にはないはずだ。たしか、反重力装置をカメラなどの精密機器に取り付けると、壊れてしまうからという理由だった。

 この欠点を克服するには、反重力以外での方法を発見するしかない。

 反重力とは、二〇〇〇年代後半に、アメリカの科学者が発明―――いや、発見した『現象』のことだ。

 磁気を使うことで生まれる磁界を計算し、うまく乗ることで浮かぶことのできるというもの。

 一見不安定に見えるが、常に磁気を発生させれば使うことのできる現象なので、今ではあらゆるものに使われている。

 さっき星也達が使った空を飛ぶ機械も反重力装置だし、エネルギーが少量でも大量の力を発揮できるので、発電や、飛行機、宇宙船の打ち上げにも使われている。

 とにかく、反重力の現象は、今では大切な存在なのだ。

 だから、この欠点を直した技術が出るのはもうかなり先の未来、またはもう出ないとも考えられていたのだ。

 その意見を覆す機械の存在に、星也は息をのんだ。

「はい、撮るよ」

 星也が思索にふけっていたら、テラがいきなり腕をつかみ、カメラの前に引きずり込んだ。

 目の前で、光が瞬く。使われている技術は最新なのに、ずいぶんとアナログな趣味をした機械だな。と星也はふと思った。

「はい、これ」

テラが差し出してきたのは、今とったばかりの一枚の写真。テラはのんきにピースをし、星也はいきなりひきずりこまれたのを驚いたためか、目を大きく見開いて、変な顔でカメラ目線になっていた。

「これで、私は他の人に認識されなくなるはずよ」

「え、ちょっと待って……、写真を撮っただけで、なんでそんな風になるのか全く分からないんだけど……」

「それを説明し始めたら、学校に遅刻するかもよ」

「うっ、で、でも、なんでぼくには認識ができるのさ!」

 そこまで言い切り、すっきりしたとばかりにテラを見ると、テラはあきれたとばかりにため息をついていた。

「なんで、星也まで一緒に映ったと思っているのよ」

「えっと……記念写真?」

「ばっかじゃないの。カメラに一緒に移ることで、脳内の電波を一部つなぎ、映った人同士は認識できるようにするためよ」

 そんなの知るわけない。と、星也は反撃しようと思ったが、それも許さないかのような目つきで星也のことを見上げてきたので、何も言うことができなかった。

「とりあえず、この写真は電波をつなぎとめるアンテナのような役目をしているの。この写真に写っていない人には電波が送られて、私のことを認識しなくなっちゃうの。だから、絶対に破っちゃだめよ」

 テラはそう言いながらカメラをかばんの中にしまう。ポシェットぐらいの大きさのかばんにどんどんと大きなものが入っていく様子は、このかばんの中の容量は見た目道理ではないことを物語っていた。


 写真を撮った後、学校前の通りに出てきた。最初は何か言われるのではないかと星也は内心びくびくしていたが、本当にテラの機械は効果があるようで、誰も不思議がらずに通り過ぎて行った。

 

「おはよー星也。なんだか今日は挙動不審だな。なんかあったのか」

教室に入り、席に着くなり声をかけてきたのは、星也の親友であり、幼馴染でもある後藤勲(ごとういさお)だ。

 あまりの鋭さに星也は思わずばっと顔を上げてしまった。

 目の前には、スポーツ刈りが少し伸びた、という感じの髪をぼりぼりとかいている、一八〇以上もある中学生にしてはでかすぎる巨体が立っている。

「「ホントだー。なんか怪しくない? わかった、かばんの中に何か隠し持ってるんでしょ」」

次に話しかけてきた、見事なハモりを達成させたのは、桜田(さくらだ)兄妹。この二人も、星也の幼馴染だ。

 勲の後ろから顔を出した、兄の(かける)と妹の(かおる)は、勝手に星也のかばんを荒らし始めた。

 この二人は、ものすごく、というかまわりに「クローン兄妹」と呼ばれるぐらい、似ている。

 兄妹そろって同じ一七〇の身長に、同じ長さの長い足、顔は鏡に写ってるかのようにそっくりで、声色も同じ。髪の長さまでもが、そろいもそろった肩まであるショートカット。国の命令を無視して染めている茶髪の髪の濃さも、全く一緒。見分けるには、制服を見るか、前髪を上げて頭の上でピンで留めているのが兄と、いちいち確認しなくてはいけない。

 この勲と桜田兄弟は、実は親の仕事が正反対だ。

 桜田兄弟は、実は代々警察官をやっている家で、父親は警察の中でもかなりトップの人だと聞いている。

 その一方、勲の家は、歴史のある極道の家だ。星也には、小さいころ勲の父親に初めて会った時、背中にある入れ墨を見て驚き、泣いてしまったという苦い思い出がある。

 しかし、勲と桜田兄弟の性格はむしろ家柄とは正反対ともいえる感じだ。

 勲は、義理堅く、尋常深く、弱い者いじめをするどころか逆に守り、皆に尊敬されている。(そして「舎弟にしてください!!」と言う人がたくさん出るのは、さすがと言うところか)

 一方、桜田兄弟は不良と言っても申し分ない。髪は命令無視の茶髪だし、制服はいつも着崩してるし、頭はいいのだが、その使い方をどこか間違えている。星也は前に

「見てみて~占領しちゃった」

と言われ、気になって覗きこんだパソコン画面には、NHKのホームページがアドレスそのままでネットゲームのたまり場となり、ニュース内容もゲームに組み込まれている、という、度肝が抜かれるような体験をしたことがある。しかも、似たようなことは何十回もあった。

 常にいたずらや皮肉をいい、チャラいイメージしかない。法律違反をしている兄弟の父親が警察とはとても思えなかった。


「ところで、知ってるか? 今日の授業、一時間目はなしなんだってよ」

「え、なんで?」

授業内容が変わるのは、よくあることだ。ただ、理由もなく変わるということはもちろんない。

「それがさ、なんかしんねえけど、生徒会を緊急に開くらしいんだわ」

「は、なんでだよ」

「知んないって」

 生徒会が授業を中止にして開かれる、ということは、何か重大なことがあるということだ。

 まあ、そうしたって一般生徒にはあまり関係がない。

 しかし、星也達に関係がないわけではなかった。

 

「宇空君、後藤君、桜田達、生徒会よ」


 噂をすれば影が差す、とはちょっと違う気がするが、実にいいタイミングで、担任が入ってきてそう告げた。


 そう、星也達は、生徒会役員なのだ。



                  ☆★☆


「ねえねえ翔。何事だと思う?」

「さあね馨。もしかしたら、昨日見た政府のページに載ってたことかもよ」

 廊下を歩いている星也の隣で、桜田兄弟が犯罪をにおわせる会話を繰り返す。政府はいまや隣の埼玉にあり、ネットも厳重地区内でしかしかれていないはずなのに、政府の機密をハッキングしたのではないだろうな、という疑念が星也と勲の頭の中に起こった。


 廊下を歩いていると、昇降口のあたりから一人の女の子がやってきた。その姿を目に捉えた途端に、星也の頬が赤く染まる。

「あれ、美路じゃん。おはよっ」

星也の隣から、馨がその女の子に向かって駆け出した。

「お、おはよう」

 セミロングの髪の上だけを後ろでまとめ、制服はきちんと着こなし、気弱だが優等生、という雰囲気を醸し出している。

 この少女の名前は、日比野(ひびの)美路(みち)。星也達と、中学校に入ってから仲良くなった。

 いつも星也達とつるんでいる馨と美路がなかよくなり、一緒に行動するようになったのだ。

 中二のときに、全員一緒に生徒会に立候補して更に仲は深まった。

 星也は、美路のことを好きである。それに気づいていないのは美路本人だけで、勲、翔、馨の三人は全員気付き、応援しながらも冷やかしている。

 

 美路のことを見て赤くなった星也が冷やかされながら、生徒会室に到着した。

 ちなみに、朝の学活はない。出席確認は校門に入るときにカードを通さないと入れなくなっているので、それで十分だし、健康状態もその後通る門のセンサーで確認されている。朝の知らせは、黒板に明記することになっている。

 生徒会室のドアを開くと、四角に囲んだ長テーブルが目に入る。生徒会室は、時に会議室として使われることがあるのだ。

 ちなみに、本当の会議室の方は、生徒は入れないようになっている。生徒に情報が漏れるのを防ぐためだそうだ。

 生徒会長の星也が真ん中、その右隣に副会長の美路、左隣に風紀の勲、美路から席二つぶん離れたところに会計の翔、勲の斜め後ろにあるホワイトボードの前には馨が座った。

 この学校の生徒会の仕事には、本来風紀委員が行うべき仕事も含まれている。その主な仕事を任されているのが勲だ。

 地位は、生徒会長、風紀、副会長、会計、書記のような順番になっている。

 まあ、最終的に意見をまとめるのが生徒会長であるというだけで、実際の権力は生徒会長、風紀は同等だ。

 本来あるべき風紀委員がないおかげで、生徒会に回ってくる仕事は結構多い。

 その、割り増しされた風紀委員の分の仕事は、ほとんどと言っていいほど勲が片付けている。

 風紀委員の仕事は生徒会の約五分の二を占めているので、勲の能力はかなり高いと言える。


 星也達が席に着いてから約五分。学校のすべての先生が一斉に入ってきた。

 星也達が思わず息をのむ。

 それは、その人数に圧倒されたせいでは、決してない。

 それぞれの、表情。

 先生方はそれぞれそわそわし、教頭先生は額に脂汗を浮かべ、校長先生は―――手に持った杖を、不規則に、ジグザグと揺らしている。

 校長の杖は、校長の気持ちが一番よくわかる物だ。それぞれの動きによって、これから何を言い出すのかわかってしまうほどに。

 校長が杖をジグザグ揺らすのは―――危機に直面した時、これから機密事項を述べるとき。

 星也は、思わずテラが部屋にいないか見回した。機密事項となれば、テラに聞かれるのはまずい。

 だが、テラは部屋にいなかった。星也達が生徒会室に行ったので、校舎を見学しに行ったのだ。

「今朝、政府から重大な知らせが届きました」

 教頭がそう切り出し、目で校長に促す。

 星也達は、目を丸くした。政府から学校に情報が流れるというのは普通あり得ないことだ。

 しかし、次の校長の言葉に更に驚かされることになる。

 校長は、唸るように話し始めた。

「……もうすぐ、戦争がおこる。それも、地球内のことではない」

 皆、固まった。凍ったと言った方がいいのかもしれない。

 先生達も固まったのは、きっと『政府から知らせが届いた』と聞かされていただけだったからであろう。

 空前絶後のこの事態に、先生たちはさまざまな妄想、いや、空想をしていたに違いない。だが、さすがに戦争だとは思わなかったようだ。しかも、『地球内のことではない』ときた。それはつまり、地球以外の星に戦争を仕掛けるということになる。

 そのなかで普通の顔をしている翔と馨は、少し目立ち、凍った雰囲気を溶かす材料となった。

「……おい馨、さっき言ってたことは、このことか?」

 勲が少し乗り出して馨に囁いたのをきっかけに、生徒会室中に、内緒話をするかのような囁き声が響き始める。

「これを政府が私たち学校に知らせたのには、意味がある」

 再び話し始めた校長の話を聞き洩らすわけにはいかないとばかりに、皆一斉にだまった。中には呼吸を止める人までいる。

「この戦争は、非常に大規模なものになるじゃろう。そこで、いざという時の人材がほしくなったそうじゃ」

「……?」

「授業に、戦争に必要な技術を身につけさせるものを取り入れてほしいそうだ」

 率直に驚く人、眉間にしわを寄せる人、震えだす人と、様々な表情が回りに浮かぶ。

 そんな中、星也は手を挙げ、疑問をぶつけた。

「戦争を仕掛けるってことは・・・・・・グラウンド星にですか」

「もちろん、そうだ」

 地球はグラウンド星のコロニーになっているので、もし地球がグラウンド星のほかの星に戦争を仕掛けると、グラウンド星が圧力をかけて地球を止めに来る。

 それは当たり前のことだったが、星也は質問せざる終えなかった。

 今、星也は、グラウンド人のテラをかくまっている。本当は、互いの知識欲を満たすのが目的なのだが、戦争が始まるとしたら違う行動をしなくてはいけない。

「とりあえず、今日の会議はこれで終了じゃ。これを他の生徒に話すことは禁じるぞ。皆には、生徒の疑問に対するフォローを行って欲しい」

「気をつけ、礼」

 挨拶をしたら、一斉に皆が教室を出て行った。今、教室にいるのは校長と星也だけ。勲には「校長に話があるから先に帰っといて」と言っておいた。

「星也くんは帰らないのかい」

「いえ、校長先生にご相談がありまして・・・・・・」

 校長は、もうすぐ一〇〇をこえる。いくら医療技術が発達し、定年退職の年齢が上がるまでいたったとしても、見た目は長老に変わりない。

 校長は、生徒に対していつも孫のように接していた。

「ほぉ、相談とは、なにかね」

「いえ、それが、少し法律違反で、今回のことに関係することなんですが・・・・・・」

 だから、話しづらい内容を相談する生徒も多い。

「言ってごらん」

「実は・・・・・・ただ今、僕は同年のグラウンド人と行動をしているのです」

 ちらりと、話し終えてから校長の様子を星也は覗いた。

 さっきと同じままの、笑顔。しかし、固まっている。いつも動かしている杖でさえ、固まっている。

「・・・・・・僕は、どうするべきでしょうか」

 校長は、顔を震わせながら顔を上げ、星也の目をじっと見つめた。

「・・・・・・君は、どうしたいのかね」

「・・・・・・」

「判らない、か。じゃあ、なんでそうしようと考えたのか、言ってごらん」

「・・・・・・東京の観光が成功したら、僕をグラウンド星へと連れて行ってくれると言いました」

「ほぉ」

「これも法に触れることでしょうけど・・・・・・僕はグラウンド星に行ってみたいです」

 校長が、杖をくるくると回し始めた。なにか考え事をしているらしい。

「本当は、法に触れることをしてはいけないとしかるべきところだろうが・・・・・・」

 杖を、トン、と床に叩く。考えがまとまったか、決意が決まった印だ。

「そやつ、利用することはできぬか」

「利用?」

「運がいいというべきか、そのグラウンド星に行くことのできる君は、頭がよい」

 星也ははっとした。校長先生が何を言おうとしているかに気が付いたからだ。

「向こうに行って、グラウンド星の技術を盗み、弱点などを調べるのだ」

「そ、そんなこと・・・・・・」

 したくない、と言おうとして、思わず口を閉じてしまった。この戦争は、どう考えたって地球のほうが不利。ここで話を断るのは、地球に与えられたチャンスをむりやり奪うのと同じだ。

 グラウンド星へ行った人は、この間言ったようにしっかりと見ることができた人はいない。なぜなら、ワープでつながれた空間である地球とグラウンド星を渡るには、かならずその出入り口となるところをとおらなくてはならないからだ。協力者がいない限り、コロニーである地球の人間がグラウンド星にいくことなどありえないのだ。

 校長も、地球人も、たぶんあせっているのだろう。それに、星也はスポーツ神経も記憶力もよく、武家の子孫だからとよく鍛えられていることは全校生徒が知っているぐらい有名なのだ。生徒会にあつまった五人は、全員そうなのだから。

「別に、東京の観光はしてもよい。別に東京に盗まれてこまる技術なんてないのじゃからな。もちろん、調べるのに必要な道具は全てわしが用意する。上にも、わしが報告をしておこう」

 星也は、迷った。だが、話を断るわけにもいかなかった。

「星也くんを、わが星からのスパイとして送る、と」

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