7 最悪なタイミング
正式な結婚式の日取りが2ヶ月後に決まり、その発表と同時にシンデレラが懐妊した事が分かった。
王子、手早い〜とは思ったが、妃教育もゆとりを持った時間割にして、無理なく続けて行く事になった。
私はその空いた時間で魔法の練習に没頭した。ガイル先生もかなり熱が入った感じで教えてくれている。
幸せな事の連続に城内全体がなんだかみんなソワソワ、ワクワク。
でも、こういう時こそ気をつけなければならないって言うのも、アルアルだったよね。
その日は私は空いた時間にガイル先生と相変わらず苦手な物を浮かす練習をしていた。
今日は花の入った花瓶と言う事で、物の中心を探るのがとても難しい。
水と花とガラスの花瓶の重さや、性質が全く異なるからだ。
ぶっちゃけ全然分からないけど、一生懸命なガイル先生を裏切るわけにもいかないし、必死で心の中で同じ花瓶を作ろうと努力してみる。
段々と汗が滲んできた。
少しでも鮮明に…!!
ギリギリと頭が痛くなってきた。
ヤバいちょっとこれは辞めた方が良いかも、と思ったその瞬間だった。
部屋のドアがいきなり開いた。
その瞬間、私の張り詰めていた糸が切れて、花瓶がドアの方に凄い勢いで飛んで行った。
ガシャーーーン
「危ないーーー!!!」
「きゃーーーー!!!!!」
顔面蒼白になりなって私はこわごわ目を開けると、そこにはしゃがみ込むシンデレラと、それを守った王子の姿があった。
「お怪我!!お怪我はございませんか!!!」
ガイル先生が急いで駆け寄る。
私はあまりの事に震えて動けない。