6 向き不向き?
私は、王子の許しを得てお妃教育の空き時間に魔法を習っていた。
その先生は、ガイルと言って爽やかなイケメンで、差別されがちな魔法使いとしては異質な存在で令嬢からも人気があった。
私としては、本当に頼りになる先生として大切な存在だ。
「いいですか?物を浮かす為にはまず、地球の中心から物を下にひっぱる力を理解する事が必要です。
この力をその物から解放する事が必要なのです。」
「なるほど…」
神妙な顔を作ってそうは言ったものの私の適性としてはどうやら、目に見えない物を理解して操るのは難しい様子。
どちらかと言うとある物の色を変えるとか、性質を変える物の方が得意なようだった。
「うーーん。なかなか、難しいようですね。」
「すいません。練習しておきます。」
せっかく教えてもらったのに、できない不甲斐なさと、シンデレラも頑張っているのに進まない自分に落ち込んでしまった。
これは、わたしもシンデレラに負けない様に練習だ!そう思って夜な夜な練習する事にした。
目に見えるお皿をそのまま自分の心の中に描く。
そして、その中心をさぐる。
その中心と大地を繋いでいる鎖を切る!何回も練習しても、少しカタッと動くレベル。手で持った方が早い。
できれば、違う種類の魔法を練習したいな…そんなわがままな事を考えていた。
そしてある知らせが届いた。