4 美形に頼られたら断れない
この国で魔法が使えるのは適性のある一部の者。
そのせいで、魔法を使える者は少し怖がられ差別の対象となっていた。
しかし、国としては魔法は大きな戦力にもなる為、あえて辺境の地に魔法学校を建て、一般人と隔離していた。
私が存分に魔法を学べなかったのも、妃教育があるからだった。
でも、もう自由!!と思ったのだが…
「この度、兄上には父と同じ大臣になって頂こうと思う。」
王子が言った。
兄はまだアラサー。これは大臣としては最年少。とてもありがたい起用だ。
今回のシンデレラ探しの功績と言える。
「しかし、お前には助けて欲しい事がある。」
えっ?私の願いは…。
「できれは、このシンデレラの妃教育を助けてやってはくれないか。
魔法はこの城で使える者が教えよう。魔法学校の研究とまではいかないが、そう悪くは無いハズだ。」
そうきたか…。これもアルアルだな。
でも、ここは強い意志をもって…!!
「申し訳ありません、王様。私は魔法学校で……」
この時、ウルウルとした瞳で私を見てくるシンデレラ。
綺麗な顔なのに、表現が子供っぽいのズルい。
「……かしこまりました。」
バレないようにため息をつきながら、前世と同じ、退職を申し出ても受理されず先延ばしにされた自分を思い出してしまう今日この頃。