3 効率大事
「本当にありがとう!!この恩は必ず返す!」
私を城に呼び出して、キラキラ光る笑顔で王子はこう言った。
効率重視な社畜の私は、無もなき令嬢が去った後にパーティー会場に残っている女性の名前は控えて、その人達は無もなき令嬢の探索リストから除外する事を提案。
かなりの時間短縮になった様子。
後は原作通り、みすぼらしいとか、汚れてるとか見た目で判断せずに、国内の女性全てにガラスの靴を履かせるように伝えた。
そのガラスの靴を割れば…私が王女になれる可能性はあったと思う。
でも、一筋の涙と共に運命の2人を理解してしまった私にしたら、それはできなかった。
うちの家族は多少悲しんではいるが、無もなき令嬢が実家の政治的な関与を全く希望しなかった為に、引き続き国内の勢力図はさほどかわらなかった。
私は王子ととなりの姫に伝える。
「お二人ともお幸せになって下さい。」
「本当に、ありがとう…」
王子のかたわらから美しいキラキラした瞳で私に話しかけてくる。
無もなき彼女は、シンデレラと言った。知ってた。
王子は私に言った。
「何か希望は無いか?」
「もしお許しいただけるなら、辺境の地の魔法学校への転入を。
そして実家の父兄をこれまで通り、この国の為に働かせてやって下さい。」
私はお役御免だな…。
そう思って、以前から運良く適性があった魔法について没頭して学びたいと思い、辺境の地の魔法学校への転入の許しをお願いした。
そう!この国には魔法があるのだ!
私は魔法に生きる!!
しかし、なかなかそうはいかない私の人生。