27 優しい声
私が魔法の勉強をしながら、毎日微量な魔力を鏡に送る毎日を送っている時…お城では、大変な事が起こっていた。
シンデレラが病気になったのだ。
王子は、気が気ではない。
忙しい公務の合間にずっとつきそったり、あちこちの国の名医を呼び寄せているが、原因は不明。
ガイル先生も寝ずに頑張っているが、魔法は病気まで治せる力は無い。
そして、王子とシンデレラの間に産まれた子。
王子の黒髪と、シンデレラの美しい外見と白い肌を持ったその子は、スノーホワイトと名付けられていた。
ちなみに、この国では一般的に王子や姫の様な高貴な血筋の人は名前で呼ばれない。
スノーホワイトも一般的には姫と言われている。なので名前は知られていない。
幼いスノーホワイトは、いつもと違う城の様子に戸惑いながらも、母がいつも大好きと言ってくれた笑顔を絶やさないように日々を過ごしていた。
でも、やはり淋しくなってしまう。
「最近…お母様に会えない…。お父様はもっと忙しそう…。」
城の庭の噴水を見ながらつぶやく。
噴水には自分の顔が写っており、その瞳の色はシンデレラと全く同じ。
その瞳を見ていると、まるでシンデレラが、自分を見てくれているようにスノーホワイトは感じた。
「頑張るね。お母様も、きっと頑張ってくれてる。」
そう言って滲んだ涙を拭った時、
『えらいな。スノーホワイト』
どこからともなく声が聞こえた。
「誰かいるの?」
声は少年のようだ。城には大人ばかりで、あまり子供は居ないし、この庭には立ち入りは許されていない。
見渡しても誰も居ない。
気のせい…?私の名前を知ってる…?
そう思いながらも、スノーホワイトは優しい声に元気付けられて、庭を後にした。




