24 助かったけど
「動かないで!!」
それはマリン先生の声だった。
私は、目から涙が落ちるのがわかった。
マリン先生の後から、数人の先生がなだれ込んでくる。
マリン先生は、
「風よ、刃となれ!」
右手で風を作り、無数の矢を憲兵に放つ。
憲兵は咄嗟に顔や頭を守る。
「グッ!!」
腕に斬撃が走り思わず、苦しそうな声を出す。
他の先生も次々に魔法を使い、憲兵はなすすべを持たない。直ぐに床に倒され動けなくなった。
「何が目的でこの様な事を!金が目的か?!」
マリン先生が珍しく声を荒げる。
私は、手足の紐をほどいてもらいヨタヨタと立ち上がった。
「…誰が、この方達に命令をする人が…いるみたいで…す」
震える声で、マリン先生に伝える。
その瞬間、憲兵達の耳のピアスが鈍く光った。
「それ以上は、言わないでくれ!頭が割れるように痛い。」
憲兵達は一斉に苦しそうにうめき声を上げだした。
「これは…この呪いは!!」
マリン先生は、驚いた顔をして急いで1人の憲兵の耳に目をやった。
「これか!」
そのままピアスに手をかけ、魔力を注ぎ込んだ。
これは魔法で物質の変化を促しているのだ。
固かった黒いピアスの様なそれをマリン先生が物質の変化をさせてスライムの様な柔らかい物質に変化させた。そのまま又魔力を注ぎ込むと色は黒い半透明になった。
そのピアスをゆっくりと引っ張ると、まるで草の根の様な形のものがズルリと頭付近から出てきた。
「まだ浅い呪いだ。洗脳する程強くない。ただ、思考は悪に染まりやすくなっている。」
マリン先生は慎重に、その呪いの草の根の様な物を、憲兵の頭から全て引き出した。
その瞬間、憲兵はビックリとした顔で言った。
「…えっ魔法使いがいっぱい...!ここで何を?
うわってか腕痛い!攻撃された?俺…え??」
マリン先生は冷静に見つめて言った。
「どうやら、これを取ると記憶がなくなるらしい。そして、命令した黒幕を言えない様な呪いもかかっているな。無理に言わせようとすると、この呪いが頭を締め付けて意識を失う事になるだろう。」
つまり、この憲兵達からは何も聞き出せないと言う事だった。




