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第1話

類以へ


  俺たちは君に何を残してやれたんだろうな

  ごめんな。こんな身勝手な父親と母親で

  子供を捨てた親を許さなくていい

  一生恨み、憎み続けてもいい

  君と暮らせるのなら、ずっと一緒にいたかった

  でも、俺たちには君を育てる資格がないんだ

  幸せになる権利なんて与えられていないのだから

  類以、俺たちの代わりに幸せになってくれ

  心から、そう願っている


  類以と過ごした数日は、俺たち夫婦の宝物だ


       心から、ありがとう


                     父と母より


この手紙を読まれた方へ


   名前 類以るい  誕生日 五月十七日


  誠に勝手ながら、この子をここへ置いていきます。

  この子へ会いに来ることは、二度とありません。

  この子に関する情報が少なくてごめんなさい。

  類以を、どうかよろしくお願いします。

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